デジタル人材の「キャリア設計」は小学生から考えておくべき(?)
はじめに
以下のような記事がありました。
これはいわゆる「教育DX」に関する記事です。以前の投稿で紹介したように、日本では学校教育を通じて
小学生から「デジタル社会における人材=デジタル人材」として
デジタルの知識を獲得していくことを求められております。今回は、小学生から「デジタル人材」を目指す意義や、そのために何をしていけばよいのか?について考えていきます。
小学生から「デジタルの知識・能力」を学ぶ時代
以下は「デジタル人材育成プラットフォームの検討について」という経済産業省が2021年に発行した文書の一部に含まれている図です。
図にあるように、社会人だからとか、子どもだからとかは関係なく、
全ての国民が「相応の」デジタル知識・能力を習得する必要がある
とし、すべての国民を一つに収めているのがこの図のポイントです。
なお、この図の左側の山がいわゆるIT系企業、すなわちSIerやITコンサルなどと呼ばれる領域で、右側はいわゆる事業会社になります。青枠にある下の部分に子どもや高齢者などが含まれていますが、これはいわゆるデジタル・ガバメントと呼ばれる領域を想定して書かれていると考えられます。
デジタル人材は今後も市場から高く求められるため、小学生からその準備をしておき、キャリア設計しておけば将来が有利になると考えることはできるかもしれません。
それでは具体的に、そんなスキルを見つけていくと良いのでしょうか?
学ぶべきは「データサイエンス」と「データエンジニアリング」
以下の図は、データサイエンティスト協会が示している「データサイエンティストに必要な3つのスキルセット」というとても有名な図です。
このうち、小学生から学ぶことができるのは「データサイエンス」と「データエンジニアリング」です。しかし、この二つの能力をどうやって獲得するかには現状で大きな差があると言えます。
「データサイエンス」はまさに学校で習う算数/数学や理科そのものと言えます。つまり、学校で数学で確率を学んだり、理科で実験データの取り扱い方などを学ぶことで正しく積み上げていくことが可能です。
一方、「データエンジニアリング」とは「データを望む形に加工・処理(エンジニアリング)する力」のことです。ここにはいわゆるプログラミング能力などが含まれますが、これらの環境が現状ではまだまだ不十分であったり、また周りの支援者の有無によって学びの環境に大きく差が生まれてしまっているというのが現状と言えるでしょう。このように「データサイエンス」と「データエンジニアリング」の教育が違うということを正しく理解することが重要です。
おわりに ~ 「データエンジニアリング」教育の支援が求められている
今回は、小学生から「デジタル人材」を目指す意義や、そのために何をしていけばよいのか?について考えました。
将来子どもたちが「なりたい自分」になるためにデジタル人材を目指すことは意義のあることです。そして、そのためには「データサイエンス」と「データエンジニアリング」を学ぶ必要があるものの、データサイエンスに比べ
「データエンジニアリング」教育の支援環境がまだまだ足りない
のではないかと感じています。この点については引き続き深堀をしていきます。
(つづく)