ビジョンとロードマップ
はじめに
会社の未来について話をするとき「ビジョン」とか「ロードマップ」とかいう言葉を使いがちなんですが、そもそも
ビジョンやロードマップという単語の意味が皆バラバラ
であることに最近気づきました。ビジョンとロードマップはもちろん別のものですが、会話している途中でほとんど同じ意味で使われているような状況に出くわしたことがあります。
そこで本日は、ビジョンとロードマップについて書いていきます。
ビジョン=見えている世界
そもそも、英語のVisionという単語はどういう意味なのか?というところから再確認しましょう。
ビジョンの本来の意味は「視力」「見ること」を表していることがわかります。そこから転じて「見通し」あるいは「先見の明」といった意味合いを持っています。つまり、ビジョンという言葉は「あなたから『見えている』世界、見通し」などを指していないといけません。
逆に、ビジョンという言葉を「必達の数値目標」、あるいは「そこに向かって頑張っていく様子」などを強く表現しすぎると、表現の受け取り手と齟齬が生じる可能性が高いです。たとえば、「売上○億円達成という当社の『ビジョン』を設定した。そこに向かって頑張ってほしい。」などという表現です。このような使い方は、○億円を達成した後の世界を想像させるものにはなっておらず、単なる数値目標があるだけですので、
このような表現では聞いた人に強い違和感を残すことになる
でしょう。
目標までの道のりは「ロードマップ」
それでは、「数値目標を、特にステップ論で達成してほしい」と言ったことを表現するにはどういった言葉が良いのでしょうか?
お薦めはロードマップという言葉です。
ロードマップとは、文字通り「地図」を表す言葉ですが、「そこに至るまでの道のり・指針」という意味を持っております。つまり、ある目標地点がある時に、そこで見えている「景色」がビジョンであり、その目標地点に至るまでの「道のり」をロードマップと表現するのが最も言葉通りになるのです。
おわりに
ビジョンやロードマップという言葉は、多くの状況で使用され、またその文脈も様々です。そのため、元々の言葉の意味から離れた利用のされ方をしている局面があるかもしれません。それに加え、本質的に
「ビジョン」あるいは「ロードマップ」として議論されるもの自体が抽象的
であることがほとんどのため、議論の途中に「今何の話をしてるんだっけ?」となりがちです。ここで今一度改めて言葉の意味を再確認し、まず初めに「ビジョンという言葉は今回何を指すものとするか?」という言葉の定義から始めるのが良いかもしれません。
今後は「ロードマップ」の作り方について、記載していこうと思います。
(つづく)