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ビジョンとロードマップ

はじめに

会社の未来について話をするとき「ビジョン」とか「ロードマップ」とかいう言葉を使いがちなんですが、そもそも

ビジョンやロードマップという単語の意味が皆バラバラ

であることに最近気づきました。ビジョンとロードマップはもちろん別のものですが、会話している途中でほとんど同じ意味で使われているような状況に出くわしたことがあります。

そこで本日は、ビジョンとロードマップについて書いていきます。

ビジョン=見えている世界

そもそも、英語のVisionという単語はどういう意味なのか?というところから再確認しましょう。

vision

1. 視覚、視力
2. 先見、先見の明、洞察力
・Our president is a person of vision and strong will. : われわれの社長は、洞察力と強い意志がある人です。
3. 見通し、展望、構想
4. 空想、幻
5. 素晴らしい光景[情景]、絶世の美女[美人]
6.〔テレビの〕映像(品質)
他動
〔~を〕幻想する

visionの意味・使い方・読み方|英辞郎 on the WEB
https://eow.alc.co.jp/search?q=vision

「見る(video)こと(-tio)」がこの単語のコアの語源。
古期フランス語 vision(視覚)⇒ ラテン語 visio(見ること)⇒ ラテン語 video(見る)+-tio(こと)⇒ 印欧語根 weyd-(見る)が語源。
英語 revision(改訂)と同じ語源をもつ。

vision 意味と語源 - 語源英和辞典
https://gogen-ejd.info/vision/

ビジョンの本来の意味は「視力」「見ること」を表していることがわかります。そこから転じて「見通し」あるいは「先見の明」といった意味合いを持っています。つまり、ビジョンという言葉は「あなたから『見えている』世界、見通し」などを指していないといけません。

逆に、ビジョンという言葉を「必達の数値目標」、あるいは「そこに向かって頑張っていく様子」などを強く表現しすぎると、表現の受け取り手と齟齬が生じる可能性が高いです。たとえば、「売上○億円達成という当社の『ビジョン』を設定した。そこに向かって頑張ってほしい。」などという表現です。このような使い方は、○億円を達成した後の世界を想像させるものにはなっておらず、単なる数値目標があるだけですので、

このような表現では聞いた人に強い違和感を残すことになる

でしょう。

目標までの道のりは「ロードマップ」

それでは、「数値目標を、特にステップ論で達成してほしい」と言ったことを表現するにはどういった言葉が良いのでしょうか?

お薦めはロードマップという言葉です。

road map
1.〔道順を示す〕ロードマップ、道路地図
2.〔目的地・成功などへ〕導くもの
3.〔目的を達成するための〕計画図、指針、手引き

road mapの意味・使い方・読み方|英辞郎 on the WEB
https://eow.alc.co.jp/search?q=road+map

ロードマップとは、文字通り「地図」を表す言葉ですが、「そこに至るまでの道のり・指針」という意味を持っております。つまり、ある目標地点がある時に、そこで見えている「景色」がビジョンであり、その目標地点に至るまでの「道のり」をロードマップと表現するのが最も言葉通りになるのです。

ビジョンとロードマップ #一枚絵図

おわりに

ビジョンやロードマップという言葉は、多くの状況で使用され、またその文脈も様々です。そのため、元々の言葉の意味から離れた利用のされ方をしている局面があるかもしれません。それに加え、本質的に

「ビジョン」あるいは「ロードマップ」として議論されるもの自体が抽象的

であることがほとんどのため、議論の途中に「今何の話をしてるんだっけ?」となりがちです。ここで今一度改めて言葉の意味を再確認し、まず初めに「ビジョンという言葉は今回何を指すものとするか?」という言葉の定義から始めるのが良いかもしれません。

今後は「ロードマップ」の作り方について、記載していこうと思います。

(つづく)

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