自然体が最強
1 自然体とは何か
中学時代、野球部に所属していた。ポジションはセンター。
1990年10月、中学最後の大会の試合。相手は隣町の中学校。
相手ピッチャーは2年生の左腕、後に私立の強豪校に入り甲子園の土を踏んでいる。
その試合でぼくのチームは最終回まで0-1で負けていた。しかもノーヒットノーランの状態。
最終回の攻撃。簡単にワンアウトが取られた。次のキャプテンも凡退。
ツーアウトでぼくに打席が回ってきた。
アウトになったら試合終了。中学の野球生活がこれで終わる。
ツーストライクに追い込まれる。
次の球が外角の真ん中に来た。
ばくは何気なくバットを出した。
ボールはバットに当たり、ふわふわっとセンターの前あたりに落ちた。
うちのチームの初ヒットだった。
しかし、次のバッターが凡退してゲームセット。
中学野球最後の試合が終わった。
しかし、最後の試合にノーヒットノーランを免れることができた。
今になって思うとあの時のぼくはとても自然体だったのだ。