【書評①】「ストーリーでわかる財務3表超入門」を読んで
安藤です。
初めてnoteに投稿してみます。
「勉強したり本を読んだりするだけでなく、アウトプットも必要だよな、いつか何かしらやらないとな…」と思いつつ、ずっと何もできていなかったのですが、「精神気に前向きになれていて、かつ時間的余裕のある今を除いて、始める機会は無い!!」と勢いでアカウントを作成し、勢いに任せて記事を書いています。(記事を書くのって楽しいですね)
私事ですが、昨年(2020年)3月に入社した日系の経営コンサルティング会社の退職を決め、先日退職届を提出しました。転職活動の末、バックオフィス系のBPOサービスを提供するベンチャー企業に内定を頂き、入社することに決めました。
(内定先企業のこと、内定先企業でやりたいこと、入社を決めた理由など、転職活動関係の諸々は別で記事を書こうと思います)
4月に入社予定で入社日はまだ先ですが、内定先企業から「これ読んどいて~」と、いくつか書籍の購読を指示されました。考え方次第ですが、入社前に何を学んでおけばスムーズかを教えてくれるのは有難いですね。
さて、本題はタイトルの通りですが、内定先からの指定の書籍に以下の本がありました。
「ストーリーでわかる財務3表超入門」(著:國貞克則)
実は本書、一度読んだことがありました。
ちょうど1年前頃、「経営コンサル会社に入るのに会計知識なんも無えよやばくね」と焦りつつ、ネットでレビューを漁っていた私は、入門書として評価の高かった本書を購入しました。
純粋に「面白い!」と感じたのと、今まで持っていた会計・簿記アレルギーが緩和された記憶があります。
(経営学部出身なのに簿記資格一つ持っていないどころか、苦手意識まで持っていた問題児です)
1年ぶりに読んでみたので、紹介を兼ねて概要と学べる事を忘備録がてら書いていこうと思います。
※前提として、私の現在の知識レベルを記載しておきますと、
①本書を読むのは2回目
②本書の続編となる「図解 財務3表のつながりでわかる会計の基本」も読了済み
③簿記の学習は2級程度まで終えている(が、受験はしていない&だいぶ忘れてる)
④経理実務の経験はない
といった程度です。
~以下、本書(「ストーリーでわかる財務3表超入門」)について~
本書は、全体を通してストーリー立てになっており、会社を辞め自分の会社を設立した主人公・寺坂あかねと父・龍一とのやりとりを中心に話が進みます。
冒頭では、会話の中で
・法人とは何か?
・資本主義とは何か?
・出資比率を維持する必要性
といった前提知識の簡単な説明から始まり、3月に会社を設立した主人公あかねが、1事業年度(4月~3月末)のビジネスを通して会計知識を身に付け事業主として成長してゆく、といった流れになっています。
本書の中で学べることとしては、大きく言えば
・財務3表(B/S:貸借対照表、P/L:損益計算書、C/S:キャッシュフロー計算書)とはどのようなものか
・財務3表がどの項目でどのようにつながっているのか
といったことが中心かと思います。
より具体的には、以下が本書のポイントとなると思います。
・B/Sはいわば財産残高一覧表
・P/Lは正しい利益を計算する表
・B/SとP/Lを合わせたものが試算表であり、B/Sの利益剰余金とP/Lの利益がつながっている
・会社がお金を集める方法は1.借りる(負債)、2.出資してもらう(資本金)、3.稼ぎ出す(収益→利益剰余金)の3つに分類される
・会社がどうお金を集めたかがBSの貸方(右側)に表示される
・一方、会社が何に投資したか(どういう形で存在しているか)がBSの借方(左側)に表示される
・PLでは、どうやって利益を上げたかが計算される
・結果、試算表(BSとPLを合体させたもの)では、会社の事業活動全体(お金を集め、投資し、利益を上げる)を表している
読み終えた段階では、これらが感覚的に理解できるようになっていると思います。
会計初心者向けに書かれている書籍のため、わかりやすい言葉で解説(例えば、BSが財産残高試算表であるとか)していたり、便宜的に簿記のルールを変えている(事業年度の途中で1年分の減価償却費を計上しているとか)部分もありますが、著者も「便宜的にこのようにする」と仰っているとおり、それらは初心者の理解のために敢えてしている工夫で、それらがかえって理解を助けると思いました。
また何より、本書の起承転結でいう「転」に該当する部分で、
「買掛金の支払サイト(買掛金の支払いまでの期間)を、売掛金の回収サイト(売掛金が回収できるまでの期間)よりも短く設定してしまい、買掛金は手元の現金でなんとか返せるものの、買掛金が回収前に返済期日が来る借入金が返せなくなってしまう」というエピソードがあります。
このように、【会社の血液ともいわれるキャッシュが底をつき、回らなくなるとどうなるか】いった会社経営の本質的な課題にも迫っており、その重要性が会計初心者でも理解できるような構成になっています。
最後のパートである第5部では、P/LやB/Sの構造や直接法キャッシュフロー計算書、間接法キャッシュフロー計算書について触れています。
著者も本書内で仰るように、「もっと詳しく知りたかったら続編となる「図解 財務3表のつながりでわかる会計の基本」を読んでください、とされているので、本書だけで財務3表の細部まで把握することは難しいです。
ただ、この読みやすさで財務3表のつながりについて理解を深められる本書は、大変素晴らしい本だと思います。
どんなに簿記や会計に疎くても、1日あれば読み切れると思うので、
・これから簿記や会計を学ぼうとしている方
・少し簿記や会計をかじったものの、アレルギーを発症しリタイアした方
・簿記や会計(簿記3級レベル)を勉強しているものの、いまいちちゃんと理解できているのか怪しい方
上記のどれかに該当するような方は、是非読んでみてください!
※本書とほぼ同内容の「マンガでわかる~」という書籍もありますが、安藤は活字中心の本書(「ストーリーでわかる~」)をお勧めしたいです。
続編「図解 財務3表のつながりでわかる会計の基本」(著:國貞克則)も良書ですが、直近では通して読んでいないので、また読んでからレビューしたいと思います。(が、間違いなく良書なので、買って損でないことは安藤が保障します!)
…と、勢いで書いてみましたが、思った以上に疲れたのと、あまり完成度にこだわると次また記事を書くのが億劫になりそうなので、校正もほどほどに公開してみようと思います。
閲覧ありがとうございました。
また近いうち、書籍レビューに限らず、記事を書こうかなと思います。