【書評③】先輩がやさしく書いた「経理」がわかる引継ぎノート
「先輩がやさしく書いた「経理」がわかる引継ぎノート」(著:加藤幸人)を読みました。
今回はお勉強の本なので、書評ではなく、簡単な感想と、読んで学んだことをメモにしました。
※タイトルは他の記事と合わせて書評にしちゃいました。すみません。
私は経理業務未経験なのですが、就職先で経理業務への理解が必須なので、経理業務で特に重要だと思った売上、仕入に関する業務を簡単にまとめました。
本書は、経理業務をフロー等でわかりやすくまとめてあり、経理初心者の方にはぜひ読んでほしいと思いました。
経理の実務経験がない人にとって、どう売上が立ってどう帳簿に反映され…という商流を、実際の業務イメージに落とし込むことは難しいのではないでしょうか?
「引継ぎノート」というタイトルの通り、安藤は本書を読むことで業務イメージがクリアになりました。
個人的には、経理を勉強したいと思った人が一番最初に手に取るべき本だと思うくらい、良書だと感じました。
経理行業務を体系立てて学びたい方は、是非読んでください。
以下、本書の第3章について重要な点をまとめ、一部自分の学習のために追記したものです。簿記の勉強をしても以下のような商流にかかわる部分って、なかなかイメージができないと思います。たとえ一人でも、参考にしていただける方がいれば幸いです。
~~~~~安藤のお勉強メモ~~~~~
【仕入管理】・・・商品の仕入れから商品代金を支払うまでの一連の業務
→仕入管理は大きく分けて以下3つの業務から成る
◆購買管理:見積依頼、発注(発注書作成)
◆在庫管理:検収、入庫手続→棚卸
◆買掛金管理:①仕入計上、②売掛金の支払管理
①仕入計上について
・仕入計上基準には、出荷(発送)基準、受入(入荷/受取)基準、検収基準、支払基準がある
※一般的には受入(入荷/受取)基準、検収基準を採用。継続適用が必須
②支払管理について(※仕入に際しての買掛金の支払い)
・買掛金管理簿を使い残高管理する
・買掛金の補助科目を活用(仕入先の社名を登録し、仕入先ごとに買掛金残高を確認)する
・流れ:【請求書受領、支払準備(請求書を用意)→支払手続き(EB)→買掛金(支払)消込(買掛金管理簿と総勘定元帳の突合、仕訳作成)】
【その他支払管理】・・・業者支払、立替経費精算、仮払精算
→業者支払、立替経費精算、仮払精算の仕訳について、借方科目は資産科目または費用科目となるが、いずれも貸方科目として未払金(負債)が計上される。(仕入の際の貸方科目の買掛金と混同しないこと)
※社内の申請ワークフローは、経費精算と支払依頼(または支払提案)に分かれている。これは、経費精算が社員が立て替えた経費を会社が社員に対して支払うフローである一方、支払依頼(提案)は会社の資産・物品の購入やサービス利用に伴う費用について、外部からの請求をもとに会社から第三者に対して支払うフローであり、請求する主体=支払先、および目的が異なるためである。
◆業者支払(仕入以外の請求書払い):備品や固定資産の購入、通信費の支払いなど
・流れ:買掛金の支払と同様、【請求書受領、支払準備(請求書を用意)→未払金の支払手続き(EB)→未払金消込(未払金管理簿と総勘定元帳の突合、仕訳作成)】
【参考】"未払金"と"未払費用"の違い
よく似た負債科目の"未払金"と"未払費用"の違いは以下の通り。
未払費用は経過勘定で、流動負債に分類される。
"継続して役務の提供を受ける場合、既に提供された役務に対して対価の支払いを終えていない"場合に計上する負債(例:給与、支払家賃)
一方、未払金は非経過勘定。
"役務そのものは完了しており、対価の支払を終えていない"場合に計上する負債(例:備品や固定資産の購入など)
綺麗にまとまっているサイトがあったので張っておきます(https://keiriplus.jp/tips/mibaraikin-mibaraihiyou/)
◆立替経費精算:旅費交通費、交際費など、従業員が立替えた経費。精算の締め日を設定し、振込で支払う方法が一般的
◆仮払精算:従業員の立替負担を軽減するため、事前に概算金額を渡すことを「仮払い」といい、後日精算する手続きを「仮払精算」という
【売上管理】・・・商品の販売から売上代金回収までの一連の業務
→売上管理は大きく分けて以下3つの業務から成る
◆販売管理
流れ:【見積依頼を受ける→見積書作成・送付→注文書受領→受注(・注文請書送付)→出荷、納品書の送付(・受領書の送付→受領書の返送確認)】
※新規取引先に対しては場合により信用調査の必要あり
◆在庫管理
◆売掛金管理:請求書発行、①売上計上、②売掛金の入金管理
①売上計上について
・売上計上基準には、出荷(発送)基準、納品(引渡)基準、検収基準、回収基準がある
※継続適用が必須
②入金管理について
・売掛金管理簿を使い残高管理する
・売掛金の補助科目を活用(得意先の社名を登録し、得意先ごとに売掛金残高を確認)する
・流れ:【請求書発行→売上計上→売掛金管理簿の作成→売掛金(入金)消込(売掛金管理簿と総勘定元帳の突合、仕訳作成)】
【参考】請求書発行タイミング
・都度請求:納品ごとに請求書を発行。納品書、受領書とともに発行
・合計請求:毎月一定の締め日に1か月分の売上額をまとめて請求