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エリザベス女王杯分析&全頭血統診断!「剛から柔へ!」

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 こんばんは、ヒデです。今週は京都開催に戻ったエリザベス女王杯が行われます。毎年荒れる傾向にあるG1競走。阪神時代は特に波乱が起こりましたね。京都時代でも09年のクイーンスプマンテを筆頭に多くの波乱が起きています。G1で最も単勝配当のついたレースもエリザベス女王杯でしたね。はたして今年も波乱はあるのか。そしてどのような馬が有利な傾向となっているのでしょうか。早速見ていきましょう。
 それでは本日もよろしくお願いします。

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1.差し優勢は変わらずも…!?

 3年ぶりに京都開催に戻った競走…とはもう何度も言っていますが、あと3週間はお付き合いください。それだけ大事なところなんです。

 こんな、導入にしたのはデータがほほとんど同じだから。過去5回の京都開催を見てみると差し馬が4勝していますが、阪神開催の3年間も差し馬が3年連続で勝利(20年ラッキーライラックは先行になっていますが、コーナーで一気に加速)するなど差し馬が有利という傾向に変化はありません。

 ただ、これは所謂"疑似"類似というやつです。統計学の疑似相関と似たようなものですね。疑似相関とは、かみ砕いて言うとあたかも二つの変数が関連しているように見える現象のことです。
 例を挙げれば「アイスの消費量が増えると水難事故が増える」という事象。これは気温の上昇が互いに似ているだけであり、実際には両者に相関関係はありません。これを疑似相関と言います。本質をとらえにくくなるといったところです。

 話は脱線しましたが、何が言いたいかといえば阪神・京都両開催ともに差しが優勢になっていますが、実際には何の関係もないということです。

 それはなぜかといえば、求められる適性が全く異なるからですね。過去5回の京都開催で最も早かった上り3Fは32.8(19年ラッキーライラック)だったのに対して阪神階差は昨年のジェラルディーナが記録した35.4秒(重馬場!)だったところからも明らかです。

 ではこれがどのような変化をもたらすかといえば、阪神はパワー勝負になり、京都競馬場は瞬発力勝負になるというところ。コース的にも阪神競馬場は内回り、京都競馬場は外回りという違いもあります。特に京都は下り坂から一気に4F飛ばしまくれるという上り重視コースですので、瞬発力勝負に強い馬を狙っていくべきという結論になります。

 ただし、瞬発力勝負ということはそれだけ後方の馬に実力差がなければ成立しません。そのため穴馬の好走というのは前目に付けていることが絶対条件になります。16年12人気2着シングウィズジョイなどはこのパターンですね。

 では、どのような馬がいいのかを含めて次章でみていきましょう。

2.不利をはねのけ見直し?

 抽象的なタイトルになりましたが、答えは単純明快。前走不利をはねのけて馬券になった馬はフロックではない可能性が高いということです。
 今回特に注目したのは以下のパターン。

・好走、激走しやすいパターン
長い直線で先行から粘ったパターン

 このパターンは府中牝馬S組の激走が多くあります。
 例えば18-19年で連続2着に入ったクロコスミア。府中牝馬Sは5着と若干差しに屈したところがありましたが、本番のエリザベス女王杯では逃げて2着に粘っています。京都の直線平坦で粘り腰が増したパターンですね。

 このほかにも1で話した16年12人気2着のシングウィズジョイ。この馬は府中牝馬Sで2番手追走で7着と敗れましたが、最後に止まった形でしたし、なにより1秒差しか離されていない時点で及第点。距離が延びれば、テンのスピードも落ち着きますので、逆転の目が十分い考えられるでしょう。

 今年も先行して善戦しているパターンは要注意です。

 また、差し馬は力がなければなりません。これは単純に「強い」というだけではうまくいきません。いくら瞬発力が上位でもパワーの必要なラップになりやすい非根幹距離のレースであることを忘れてはいけません。

 その証拠に短い直線を差し切って強いはずの秋華賞組は多くの場合敗北を喫しています。この差は1Fでもとんでもなく大きな差になっているのです。そのため、差し馬ならば非根幹距離で差し切れているかを確認してみましょう。
 15年の覇者マリアライトはその前走オールカマーを差し切って勝利。その勢いに乗ってエリザベス女王杯も制覇。16年覇者のクイーンズリングも府中牝馬S勝利など、1400mや1800mの実績のあった馬でしたから、やはり非根幹距離で差している力が必要になるということでしょう。

 差し馬は非根幹距離での実績がモロに出ます。

3.非根幹距離の強さとは欧州系と見つけたり?

 非根幹距離に強い種牡馬で存在感を示したのはマンハッタンカフェです。この競走でも16年1着クイーンズリング、2着シングウィズジョイで連対を記録しています。そのほかもルージュバックやシャケトラなど、非根幹距離で存在感を示す馬が多くいました。

 このマンハッタンカフェは父サンデーサイレンスで母父Law Society。このLaw Societyは現役時代に愛ダービーを勝利するなど英・愛国で活躍した馬です。そのほかで見ても17年の覇者モズカッチャンは英・キングジョージを勝利したハービンジャー産駒を筆頭に過去5回の京都開催で勝利した種牡馬の父または父母父には欧州系が入っていました。

 以上のことからわかるように、この競走、非根幹距離では欧州系の血が非常に重要になるのです。これは早い持続や瞬発力を長く使える持続力などを伝えるからこそ。今年もその力が重要になると考えられますので、馬券検討の際には欧州系の血がどこか影響の強いところに入っていないかを確認してみるのが良いと思います。

詳しい一頭ずつの解説は下記の血統診断に任せます。こちらもぜひご覧ください。

4.該当馬

 それではエリザベス女王杯の該当馬を見ていきましょう。

2.ルージュエバイユ
内枠〇 差し〇 非根幹距離差し〇 血統〇

 今年一年で勝利はないものの、府中千八重賞連続2着。ともに得意な枠順ではあったにしろ、好走を果たしています。この経験は決してフロックでもないと思いますし、今回の舞台でも生きるもの。2枠はジャスタウェイ産駒の好走激走条件に入る枠ですから、一撃に期待です。

6.ディヴィーナ
中枠〇? 先行〇 非根幹距離実績〇 血統〇
 
 モーリス産駒は古馬からが本番というのが現状の共通認識になりつつありますが、この馬もその傾向に入った一頭。5歳となった今年はヴィクトリアMで4着、以降はマイルで連続2着のあと府中牝馬Sを勝利。前走は逃げても好走できるところを証明してみせましたので、今回にも経験が役立つはず。3歳やルメールの馬にマークが行くならば狙いたい一頭です。

15.ビッグリボン
外枠〇 差し〇 非根幹実績〇? 血統〇

 菊花賞馬キセキの全妹となる当馬。マーメイドSの勝ち馬です。本来は持続を要する非根幹距離がこの馬本来の強いポイントだと思うのですが、今まではそういった条件ではあまり使われず。この馬の本当に力の発揮できるレースにようやく出られたといった印象。ここは青田買いの想いも込めて。

業務連絡と独り言…

 季節が急に冬に向いた気がしますね。慌てて服を出さなければなりません。寒いですから、皆さんもお体には十分お気を付けください。ここから競馬は毎週どこかで大レースが行われる師走のように駆け巡りますからね。

血統診断

こちらではG1に出走する馬の血統適性と短評を掲載しています。
・血統適性はS〜Dの5段階。
・短評は300文字程度
・距離のほか、ローテや枠なども考慮して評価しています。
・特定の馬を批判をする意図はありません。今回のレースペース、展開、距離、脚質においてどうかをジャッジしています。少し辛口ではありますが、ご了承ください。

オークスはドゥーラを高評価!
・ダービーではソールオリエンスの敗戦を予言!
・安田記念ではソングラインの好走を予言!
・スプリンターズSでは評価SとAで決着!

サンプル(スプリンターズS)

10.マッドクール
評価:A
 春の春雷Sで勝利。前に行っての安定感は凄まじいものがあります。うまくいけば昨年のジャンダルムになる可能性を秘めていると考えられるでしょう。血統的にも欧州のスプリント王者であるDark Angel産駒ですから、ここで巻き返す可能性は秘めています。ここは血統の力に期待。

スプリンターズS分析より。

 ぜひご利用ください!

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