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セントウルS分析「スピードと坂が波乱を呼ぶ!?」

 こんばんは、ヒデです。サマースプリントシリーズも明日で最終日。今年は新たなスプリントの主役候補の3歳馬ビックシーザーや、復活に期すスプリント王者ピクシーナイトなど豪華メンバーが揃いました。スプリント戦にとって非常に重要な戦い、果たしてどのような馬が有利な傾向となっているのでしょうか。
 早速みていきましょう。それでは本日もよろしくお願いします!

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1.スピードが出るのに差しが決まる理由とは?

 セントウルSは9月に行われるため時計が出やすい傾向にあります。事実、阪神芝1200mのレコードはファインニードルがセントウルSで叩き出した1:06.7。かなりスピードの出やすい戦いになることは間違いありません。
 そのように早い時計が出る一戦は大抵、逃げや先行馬が勝利することが多い傾向にあります。過去5回、阪神で開催されていた同競走も3勝が逃げ先行馬のものでした。前述のレコードを記録したファインニードルも3-3でコーナーを通過しており、勝ち切るという面では逃げ先行馬が有利となっています。
 しかし、着を拾った馬を見てみると差し馬が台頭しています。前述のファインニードルが初めて勝利した17年は差してきたラインミーティアが2着確保、サマースプリントシリーズチャンピオンに輝いていますし、18年3着グレイトチャーターも追い込んできています。
 なぜこのような結果になるのでしょうか。そこには「坂」が鍵を握っていると言えます。サマースプリントシリーズの中に組み込まれているアイビスサマーダッシュは平坦の直前コース、小倉競馬場で行われる北九州記念も平坦コースであり、ペースは早くなろうとも直線に急坂のあるコースではありません。坂のあるコースは中京で行われているCBC賞くらいです。
 つまり、それ以外はスピードで押し切ることができるコースが多かったため、リンクしていないということですね。サマーシリーズで良績を残している馬は厳しくなりがち。
 結果として坂でスピードが落ち差し馬が台頭してくるというカラクリと考えられます。逆に坂に負けない持続力を有している馬に関しては逃げ残る可能性もあり、2015年には急坂の中京競馬場ファルコンS2着だったアクティブミノルが10人気ながら勝利と結果を残しています。坂で止まらない馬と差し馬を中心に狙っていくと良いでしょう。

2.サマーシリーズで一致するレースと安定のG1

 近年はG2やG1からのローテで好走することの多いセントウルSですが、阪神競馬場に戻るとかなり傾向が変わり始めます。サマーシリーズの馬も好走が可能になるのです。
 そこで注目したいのは小倉競馬場で行われる北九州記念を好走している馬です。注目は極端な競馬に終始した馬。先団に取り繕ったり、後方から追込んできたりした馬に関してはかなり好走できる脚質となっています。例えば北九州記念で逃げたものの、11着に凡走したラヴァーズポイント。セントウルSは9人気になったものの、3番手追走から3着に粘り込んで好走しています。
 これは北九州記念の分析でも話ましたが、小倉芝1200mは下り坂でハイペースになりやすいコース。だからこそ先行馬は残りにくい(今年は残りましたが)のが通例となっています。だからこそ前走よりも前半3Fのペースが落ち着く阪神競馬場ならば粘れるということなんですね。逆に前残りになった今年のような年は追い込みを狙うのも一考。先団か追い込みで北九州記念を走った馬はとりあえず狙っていきましょう。

 そして、G1からのローテは着順から不問で好走できます。ただ、こちらは先行して結果を残している馬オンリーであり、差し馬はほとんど馬券になっていません。これには注意しましょう。前章でも書きましたが、基本は逃げ先行馬有利ですから、それが影響しているかもしれません。

3.主流血統を狙うのはナンセンス!?気分はジャックルマロワ賞!?

 攻撃的なタイトルになりましたが、この時期のスプリント戦は少しいつもと趣が異なります。それはキングマンボ系(=ロードカナロア産駒など)や短距離に強いサンデー系(=ダイワメジャー産駒など)がまったく好走できないレースとなっているのです。
 しかし、ダート血統が完全に強いというわけでもありません。そうなるといつも提言している「スプリントはほぼダート」という格言も使うことができません。そこで今回イメージしたいのが「ジャックルマロワ賞」。
 この一言ではなかなかわかりにくいと思いますので、もうすこし詳しく見ていきましょう。ジャックルマロワ賞で走りやすい血統というのが「スピードと持続力を兼ね備えた血統」ということです。例えばジャパンカップで勝利したアドマイヤムーンの血を引き継ぐ馬、これはファインニードルが該当します。もう一つがサクラバクシンオーの血を引く馬。これは過去でいえばビッグアーサーが該当しますね。このように、欧州系の血を引きながらスピードを引き出せる馬が有利になっているということになります。

 もちろんダート血統も好走していないわけではありませんから、重要度でいえばサクラバクシンオーやアドマイヤムーン系>米国ダート血統>キングマンボ系>サンデー系という序列になりそうです。

4.該当馬

 それではセントウルSの該当馬を見ていきましょう。

6.ビッグシーザー
4枠〇? 差し〇 前走葵S〇? 血統◎

 スプリント王者候補であると葵Sで言いましたが、"フライング"気味にスタートしたモズメイメイに屈して差し切れずに3着。あの馬場と平坦の京都コースであることを踏まえれば0.1秒差まで追い詰めたのは立派でした。今回のように坂があるコースのほうが有利になると思いますので、巻き返しに期待です。

8.アグリ
5枠〇 先行〇 前走G1〇 血統◎

 Scat Daddyの血を引いており、一見は米国系ではありますが、実は欧州1200mG1を2勝したCaravaggio。その産駒であるアグリは今回のセントウルSでは適血統と考えられます。昇級戦の阪急杯でも好走したのが何よりの証拠。ただ、1200mでその追走力が活きるかは疑問符。そこだけが心配です。

12.ブトンドール
外枠〇 差し〇 前走△ 血統〇

 こちらもビッグアーサー産駒。昨年のファンタジーSは鮮やかな2着。それ以降は凡走続きではありますが、函館SS0.4秒差の5着と好走の兆しを見せました。スプリントに戻って力が爆発する可能性がありますから、今回は穴として期待したいところです。

準該当馬
1.ロンドンブラン
内枠? 差し〇 前走北九州記念追込〇 血統〇?
 前走は該当馬にしましたが、長期休養明けのブランクがあったか凡走。それでも上りは2位を記録。追込みと今回巻き返す可能性を残してくれました。グレーターロンドンの母父(当馬の父母父)はドクターデヴィアスで欧州系ですから、向かないわけではないと思います。今回は血統の可能性と前走から準該当馬として書かかせていただきました。

業務連絡と独り言…

 なんだかコロナウイルスがまた流行っているそうですね。私の周りでも熱が出たという話をちらほら聞くようになってきました。夏風邪というのもありますから、少しは注意したいところですね。皆様ご注意くださいね。
 スプリント戦では大事ですし、G1戦線も始まりますから、競馬ファンは風邪をひいている場合ではありません。元気行きましょっ!
 
それでは!
ヒデ

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