見出し画像

菊花賞分析「瞬発力に栄光が輝く!?」

割引あり

 こんばんは、ヒデです。いよいよ明日はクラシックの最終戦、菊花賞が施行されます。京都競馬場で行われるのは三冠馬が出た20年以来3年ぶりということになりますが、今年も話題十分。皐月賞馬とダービー馬が揃って出走するのは00年のエアシャカール、アグネスフライトの対決以来23年ぶり。今年も皐月賞馬が雪辱を果たすのか、それとも上り馬が戴冠を果たすのか。楽しみな一戦となりました。
 さて、今年はどの馬が有利な傾向となっているのか。早速分析していきましょう。それでは本日もよろしくお願いします。

※今回は阪神時代を含めた過去5年と京都開催の過去5回の両方を参考にしながら検討していきます。京都限定の場合はその都度表記させていただきます。

・本記事内には血統診断を掲載!
→17頭で5000文字オーバーの大ボリューム!牝系などの組み合わせなどでも分析していますので、馬券検討の参考になること間違いなしです!

X(Twitter)のフォローもよろしくお願いします。


1.先行有利は去年まで!今年は瞬発力重視の年に!!

 21年と22年の2年間、菊花賞は阪神競馬場で施行されました。21年はタイトルホルダーがハナを奪って逃げ切り勝ち、22年は2番手を追走したアスクビクターモアが4角で抜け出し、捲ってきたボルトグフーシュを完封…と、2年連続で前に運んだ馬が優勝しました。これは阪神競馬場の内回りコースを1周半する特殊な条件によるトラックバイアスが働いた形といえるでしょう。通常よりも持続力の要求されるレースとなったことは確かです。
 通常、京都競馬場で行われる菊花賞は瞬発力を爆発できる差し馬に向いていることが多い競走です。過去5回の京都開催を振り返ってみると、差し馬は【 4- 3- 2-32/41 】とほとんど高確率で勝利し、馬券に絡んでいることが分かります。先行馬が残るのは、ヴェロックスのようにクラシック競走で絶好調だった馬や、コントレイルのように力が抜けているような馬のみとなっています。
 さらに重要なのは上りタイムです。過去5回の京都開催では、上り1~3位だった馬は【 5- 4- 3- 6/18 】と、その複勝率は驚異の66.7%となります。これは興味深いデータもありますので後述します。

枠についての有利不利は絶対的なものではありませんが、極端な枠は不利とされます。1枠と8枠は過去5回施行された京都開催ではいずれも馬券内は0。ゼロです。これは人気馬でも関係なく、1枠からは過去19年の2番人気ニシノデイジーや、8枠からは17年の2番人気アルアインが着外に終わったことも。相対的に、5枠から7枠の間が好相性のようです。これらの枠に入る馬を中心に考慮するのが賢明でしょう。

2.前走も瞬発力を見せた馬が圧倒的有利!?

 今年は史上初の「東京優駿馬が直行する」ローテーで臨んでくるタスティエーラがいるなど、かなりイレギュラーな年になっており、例年よりもローテー的に判断するのが難しい年ではありますが、先ほど途中で話を止めた「上り」に着目してみるのがよさそうです。
 というのも馬券内88.9%の条件が存在するのです。その条件とは前走上り2位以内かつそれが重賞戦の馬。今回も上りを出せた場合は【 5- 2- 1- 1/ 9 】で複勝率88.9%となります。菊花賞で上りの出せなかった馬を含めても【 5- 3- 3-17/28 】で単複の回収率は100%を超えています。
 このような傾向が出るのは京都競馬場名物・淀の坂越えが要因です。淀の坂越えで一気に下ると加速力が付き前の馬が厳しい展開に。さらに瞬発力を持っている馬が有利ということになります。これが「菊花賞なんて所詮は瞬発力ゲー」と言われる所以。土曜日も大外を選択した馬がぐんぐん伸びて差し切ったことを考えるとこの傾向が持続することはほぼ間違いありません。
 なお、よく言われるセントライト記念は軽視ですが、上りを出せていれば遜色ありません。あまり意識しなくともよいでしょう。

 そして条件戦からくる馬にも条件が。それは「夏競馬の2勝クラス」という条件です。夏の上り馬という言葉をよく聞きますが、この菊花賞で条件戦から来たのは、新潟の阿賀野川特別を勝利したポポカテペトル(17年13人気3着)とユーキャンスマイル(18年10人気3着)、中京の小牧特別を勝利したアリストテレス(20年4人気2着)の3頭のみ。いずれも「非根幹距離の2勝クラスを上り最速で差し切り勝ち」という共通点がありましたので、この条件をクリアしていない場合は軽視するのでよさそうです。

3.瞬発力・・・ならサンデー系でしょう!

 瞬発力によって日本の競馬界を席巻したサンデーサイレンス。その血を強く受け継いだディープインパクト産駒がこの競走で圧倒的な成功を収めてきました。直近の3回の京都開催では、18年にフィエールマン、19年にワールドプレミア、20年にコントレイルと、いずれもディープインパクト産駒が優勝しました。

 ただ、今年はディープインパクト産駒は出走してません。新たな種牡馬を探す必要があります。その筆頭に挙げられるのは、血統構成が類似している馬たちです。

 一つは、ディープインパクトの孫産駒であるサトノダイヤモンド産駒など、欧州系の血を引く馬たちです。この系統は欧州系血統と組み合わせることで、瞬発力を補完する傾向があります。逆に米国系の血統が加わると、瞬発力の向上が難しい場合もあります。そのため、欧州色の強いディープインパクトの孫産駒を狙うのが良いでしょう。母父なども確認しながら検討していくべきです。

 もう一つは、キタサンブラック産駒です。ディープインパクトの全兄であるブラックタイド産駒のキタサンブラックは、欧州系のサクラバクシンオーを母父に持つことで、瞬発力型の産駒を輩出しています。イクイノックスを例に挙げると、距離適性と瞬発力を兼ね備えており、理想的な形です。

 これらの系統は、菊花賞でディープインパクトのような活躍を期待できる血統であると考えられます。

 一時期席巻していたダンスインザダーク、トニービン、ロベルト系などは近年、その存在感を示せていません。唯一期待できるのはエピファネイア産駒くらいでしょう。瞬発力不足がその原因と考えられます。上記の種牡馬に加えて、キングマンボ系などは相手程度にとどめておくべきでしょう。 

4.該当馬

 それでは菊花賞の該当馬を見ていきましょう。

9.ノッキングポイント
5枠〇 差し〇 前走重賞×上り2位〇 血統〇?

 祖母には京都牝馬Sを制したハッピーパス、母はフローラSを制したチェッキーノと名血。モーリスとの初仔ではありますが、中長距離で実績を残しています。ダービーも0.2秒差の5着と好走しているので世代間で実力が劣っているわけではありません。サンデーサイレンスの3×4も長距離をこなせそうな血統。明らかな過小評価で明日は一撃に期待です。

11.サトノグランツ
6枠〇 差し〇 前走重賞上り3位〇 血統◎

 前走神戸新聞杯では最後の100mですべてを差し切り勝利。他の馬がばてたところを好走差し切るその姿はまさに”ステイヤー”といったところを見せてくれました。親仔3代での制覇がかかる一戦ということで人気になるとは思いますが、実力が上位なのも疑いようがありません。ダービーの雪辱を晴らすためにも期待したいところです。ダービーの敗戦などは血統診断で詳しく話しましょう。

14.ソールオリエンス
7枠◎ 差し〇 前走重賞×上り2位以内〇 血統〇

 キタサンブラック産駒で血統的には全く問題ないでしょう。前走セントライト記念では明らかに本番を意識した差し競馬に徹し最後は0.3秒差の2着。これは始動戦としては十分でしょう。過去に両クラシック馬が激突した際には大抵皐月賞馬が勝利しており、適性がにているのも確か。特殊な馬場になった皐月賞を大外から差し切りましたからスタミナも見込めるため、今回も十分に中心といえるでしょう。

業務連絡と独り言…

 血統診断を含めると1万文字を超えてしまいました。長くなって申し訳ございません。これだけ書かなければいけないことが多かったとお察しください。来週もおそらく長くなります。重ねてお詫び申し上げます。
 さて、血統診断はリポストで無料です。ぜひお楽しみください!
それでは!
ヒデ

血統診断

こちらではG1に出走する馬の血統適性と短評を掲載しています。
・血統適性はS〜Dの5段階。
・短評は100文字程度
・距離のほか、ローテや枠なども考慮して評価しています。
・特定の馬を批判をする意図はありません。今回のレースペース、展開、距離、脚質においてどうかをジャッジしています。少し辛口ではありますが、ご了承ください。

オークスはドゥーラを高評価!
・ダービーではソールオリエンスの敗戦を予言!
・安田記念ではソングラインの好走を予言!

→昨年もじわじわっと伸びて勝利したように、非根幹距離的なレースになるとかなり来やすい馬です。それはキズナ産駒らしいといってもよいでしょう。
(中略)
 そう考えると安田記念はピッタリなレースなのです。

安田記念分析より。

 ぜひご利用ください!

ここから先は

6,411字

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?