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有馬記念分析&全頭血統診断「高速馬場でも?」

割引あり

 こんばんは、ヒデです。今年もいよいよ有馬記念の日を迎えます。G1馬9頭そして全頭16頭が重賞の勝利経験がある好メンバーとなりました。人気投票の上位二頭はいなくとも豪華メンバー絢爛となった有馬記念。はたしてグランプリホースに輝くのは一体だれでしょうか。本日は章も多く拡大スペシャルバージョンでお伝えしていきます。
 そしてどのような馬が有利になっているのでしょうか。早速見ていきましょう。それでは本日もよろしくお願いします。

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1.馬場が綺麗だから内枠有利とはならない!?

 有馬記念の行われる中山芝2500mは3コーナーからスタートして、スタート後すぐにコーナーに差し掛かるコース。そのため、内枠が有利な傾向になると錯覚しがちなコースです。
 しかし、結果はそうなっていません。有馬記念では過去5年1枠の馬券内はなし。その中にはJCを勝ったスワーヴリチャードも含まれています。過去10年に範囲を拡大してもG1を7勝したキタサンブラックが2着と1着があるのみ。
 さらに2枠も不利が大きく、ボルトグフーシュが昨年2着に来たのが過去5年唯一の良績。それ以外は下位に沈んでいます。ただ、過去10年に広げてみればジェンティルドンナが勝利しているほか、クイーンズリングが2着に激走していることを考えればそこまで気にすることはないかもしれません。
 それよりも気にしたいのは8枠。これは十分話題になっていることですから、詳しい説明は省きますが、16番枠は86年以降27頭走って馬券内がゼロ。馬券になったのも18年3着のシュヴァルグランと89年のイナリワンの2頭だけ。かなり厳し戦いになることは間違いないでしょう。

 有利なのは3~5枠。5枠は過去3年連勝中。それ以前で見てもサートゥルナーリアの2着など、有利なことは説明不要となっています。それ以外で見ても3・4枠、7枠などが有利な傾向となっており、中枠中心に馬券を組み立てていくのがよさそうです。

2.今年は高速馬場!どうなる!?

 少し既出ではありますが、今年の中山は高速馬場で進行しているのが特徴です。土曜日のグレイトフルSでも例年の有馬記念並の時計が出たほど。どれだけ早いかを上り33秒台を出した頭数で簡単に比較してみましょう。(土曜日開催を含まず)
23年…18例 22年…5例 21年…3例 20年…0例 19年…3例 18年…0件
参考 過去10年で最多年…2014年6例

 このように比較してみると一目瞭然。開催3日間を残した段階で過去10年最多よりも3倍多いというのは異常なほどの数値と言えるでしょう。それだけ高速馬場の今年はどのような傾向となっているのか、特徴を一つずつ確かめていきましょう。

①内枠不利に

 最大のポイントはここかもしれません。内枠が圧倒的に不利になるということです。過去にも早い上りが出ていた年、14年なども同じような傾向となっています。これは1・2枠が不利が顕著となることを示しているのです。
 さらに外枠もそこまで有利とはいえず、中枠が有利になる傾向は一貫していますので、3~6枠が有利になっていると捉えましょう。

②上りの重要度が下がる

 一見矛盾したように感じますが、このような結果も残っています。馬場が綺麗だと高速馬場になりやすく、結果として前目が有利に。2列目や3列目に控えた馬が有利な傾向となっています。この場合は例年以上に瞬発力より持続力が求められる馬場になりそうということでです。

③末脚持続力の欧州系の出番に

 持続力が求められるということはそれに特化した血統が強く出てくるということにもなります。今年は上り33秒台が一例もなかった2020年と比較して末脚持続力を補完する系統の複勝率が高い傾向にあります。
 例えばkingmambo系。20年は複勝率20.8%だったものが今年は32.3%と12ポイント近く上昇。さらにアドマイヤムーン系も45.5%から50%へアップしていますので、この傾向が強いことが窺えます。
 中距離芝に強いハーツクライ産駒やステイゴールド系は苦戦傾向で同複勝率も10ポイント以上下落。kingmambo系を狙っていくのがマストになりそうです。

④前走東京好走組が走りやすい馬場

 よく言われることに「東京と中山は全く性質が異なる」という言葉。これは間違いないのですが、それでも今年の冬開催では使えない格言となります。前述した通り、末脚持続力の求められる馬場ですから、長い直線を徐々に伸びて好走した馬がそのまま好走しやすい馬場に。
 それを示すように前走東京で掲示板に入った馬の複勝率は18年29.7%から35.5%まで上昇。東京でも好走できるタイプを狙うのもアリに。

 ここまで見てみるとこのような馬場となっていることがわかりました。高速馬場の場合は東京好走組を狙うなど、細部に注意して例年とは違う狙い方をしなければならないようです。

3.持続力ならば非根幹距離実績を見るべし!

 ここまでコース傾向や馬場傾向を見てみると中枠&末脚持続力が必要なレースであるということがわかりました。そうなるとそれに向いている馬を捜す必要が出てきます。まずは近走や過去の経験からどのようなレースを好走した馬が良いか見ていきましょう。

 末脚持続力が十分に活かされるのは非根幹距離です。非根幹距離というのは4で割れない距離の事を指します。近走で多いのは菊花賞(芝3000m)、エリザベス女王杯(芝2200m)、宝塚記念(芝2200m)などが該当します。
 これらのレースにて好走した馬はこの競走でも好走しやすく、近年ではクロノジェネシス(宝塚記念勝利他)や20年に11人気で2着になったサラキア(エリザベス女王杯2着)もこの条件に合致していました。
 そのほかであれば中山競馬場の内回りコースのG1、皐月賞で好走した馬。過去にもヴィクトワールピサを筆頭に好走馬が多く、単複の回収率も100%を超えているような好走レースです。
 これらの条件に合致した馬の馬券内は過去5年このようになっています。

22年
1着 イクイノックス→皐月賞2着
2着 ボルトグフーシュ→菊花賞2着
3着 ジェラルディーナ→エリ女杯制覇
21年
1着エフフォーリア→皐月賞制覇
2着ディープボンド→阪神大賞典1着
3着クロノジェネシス→宝塚記念1着
20年
1着クロノジェネシス→宝塚記念1着
2着サラキア→エリザベス女王杯2着
3着フィエールマン→菊花賞1着
19年
1着リスグラシュー→宝塚記念1着
2着サートゥルナーリア→皐月賞1着
3着ワールドプレミア→菊花賞1着
18年
2着レイデオロ→ホープフルS1着
3着シュヴァルグラン→前年同競走3着

 近4年はこの傾向に合致している馬のみが好走しているということになりますから、いかにこの傾向が強いのか窺い知ることができます。これに今年は東京競馬場の実績を付け加えればだいたい好走馬を絞れるようになるのではないでしょうか。

 ちなみに海外帰りの馬に関してはそこまで割り引く必要はありません。実力通りに評価をしてあげるのがよさそうです。

4.血統も末脚持続力や欧州系重視でOK?

 過去5年強さを発揮した馬には必ずと言っていいほど欧州系の血が含まれています。持続力勝負になることは毎年の常であることがわかるでしょう。
 昨年勝利したイクイノックスの母父はキングヘイローで凱旋門馬ダンシングブレーヴにたどりつきますし、有馬記念で勝利経験のあるグラスワンダーの血を継いでいるモーリス産駒のジェラルディーナも3着など実績を残しています。
 また、kingmambo系の血を含んだ馬が毎年好走しているところからも、去年と同様に「末脚持続力」に長けている馬が好走しやすい傾向にあるということになりそうです。

 そのほかの傾向として、芝の中距離で好走しやすい傾向を狙っていくのがベター。昨年も似たようなことを書きましたが、ハーツクライ産駒やkingmambo系、それにロベルト系はもちろん、ディープインパクトの血も重要になってきます。
 母父ならばマンハッタンカフェなどの血が入っていても良いでしょう。このような日本の中距離適性が高く、なおかつ末脚持続力に長けた馬を狙っていくのが、このレースの基本線に。
 そのため、米国系の強い産駒はマイナスが必要。それまでの実績と照らし合わせて臨機応変に狙っていきたいところではありますが、基本的に評価を下げるのが良いでしょう。

4.該当馬

 それでは有馬記念の該当馬を見ていきましょう。

6.ディープボンド
3枠〇 差し〇 前走? タイプ〇 血統〇

 一昨年の2着馬。前走はJCで凡走も、基本的には末脚持続力で力を活かして前に出てくるような馬。母父キングヘイローですから、このレースが非常に向いている可能性があります。阪神の天皇賞春で好走できるようなタイプですから、ここでは狙いたい一頭。期待をかけたい馬です。

8.ライラック
4枠〇 差し〇 前走〇 タイプ◎ 血統〇

 非根幹距離距離の鬼で、エリザベス女王杯は2年戦って②④着。2着は阪神で適性は合いそうですし、今年は4着と予想外の好走でした。では根幹距離は全くダメというわけではないですし、事実フェアリーSを好走した経験もあります。今回もいい枠に入りましたし、母父キングカメハメハで好走できる血統ですから期待大。

10.ジャスティンパレス
5枠◎ 差し〇 前走〇 タイプ◎ 血統〇

 正直一番人気はしかたないところです。天皇賞秋で見せたパフォーマンスは該当馬にしていましたので意外とはなりませんでしたが、一般の人気を見れば意外だったかも知れません。
 今回も引き続き好走できそうな血統構成ですし、イクイノックスとも似ている感じ。今回も全く向かないということはありません。期待大というところ。ディープインパクト産駒最後のG1勝利を有馬記念で飾るというのもいいでしょう。

こちらではG1に出走する馬の血統適性と短評を掲載しています。
・血統適性はS〜Dの5段階。
・短評は300文字程度
・距離のほか、ローテや枠なども考慮して評価しています。
・特定の馬を批判をする意図はありません。今回のレースペース、展開、距離、脚質においてどうかをジャッジしています。少し辛口ではありますが、ご了承ください。

オークスはドゥーラを高評価!
・ダービーではソールオリエンスの敗戦を予言!
・安田記念ではソングラインの好走を予言!
・スプリンターズSでは評価SとAで決着!

サンプル(スプリンターズS)

6.ママコチャ
評価:S
 京都の芝1400mオープンの安土城Sを勝利で飾るとスプリントの北九州記念で2着。スプリントの前傾ラップにも対応できるところを証明しました。そして今回はクロフネ産駒などの米国ノーザンダンサー系が有利な中山芝1200mでの一戦に替わるため、さらにパフォーマンスを上げる可能性が大。

スプリンターズS分析より。

 ぜひご利用ください!

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