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凱旋門賞分析「良馬場がミソ!?」

割引あり

こんばんは、ヒデです。10月最初のスプリンターズSが終わり、夜はいよいよ世界的な大一番、凱旋門賞です。何だかんだと言いながら15頭出走は世界的な大一番をたる矜持でしょうか。

 快晴となったパリ・ロンシャン競馬場。現地は燃えているでしょうか。そしてその中心にいるのはどの馬なのか。早速分析していきたいと思います。

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◇コース紹介◇

パリ・ロンシャン競馬場 芝2400m

 ワンターンの芝2400mと、日本では類を見ない広さを誇る競馬場。最後の直線は533m。東京の529.3mに近いです。洋芝で施行されます。

 スタートしてからの直線は約400m平坦、内回り(便宜上そう例えます)コーストの合流点から最大勾配2.4%の上り坂が続きます。カーブで坂を下ると見えてくる直線は約250mのフォルスストレート(偽りの直線)のあと最後の直線に入ります。

 徐々に加速していき伸び切る力が求められるコース。日本のコースでは京都競馬場外回りが似ていると言えるでしょう。

 

1.5年ぶりの良馬場開催で注意すべきこととは?

 フランスでは雨の降りやすい時季と重なり、日本で言うところの重や不良での開催が多かった凱旋門賞。良馬場開催となれば18年以来5年ぶりのこととなります。過去10年間で見ると5度も良馬場開催があったと考えると近年は馬場緩みすぎです。

 この過去10年で5度もあった良馬場開催、牝馬の勝率が異様に高いのが面白いところ。13-14はトレヴ(父Motivator、タイトルホルダーの母父ですね)が連覇、17-18はイネイブル(父Nathaniel産駒、父父ガリレオ)が連覇。良馬場ならば牝馬を狙えが一つの合言葉になってきそうです。今年のスルーセルンシーズも牝馬、これは...!?

 次に、ゲートの有利不利を見てみましょう。ここで出てくる数字は全てゲート番号です。欧州競馬では馬番=ゲート番ではなく、馬番とゲート番が異なりますのでご注意ください。

例)スルーセブンシーズ馬番9、ゲート番5

 これを見ていくと内側のゲートが有利な傾向に。1番は勝利はないものの複勝率30%、そして過去10年のうち6勝が2〜6ゲートから飛び出しています。かなり強烈な傾向と言えるでしょう。

 特に3番は過去10年(2-2-0-5)と半分近くが連対しておりラッキーナンバーといえます。

 ただ、これは道悪の時に重視したい傾向。道悪ほどロスなく回ることが重要なことを示しているにほかなりません。良馬場ならばそれ以外のところを確認するのが良いでしょう。

2.良馬場ならばフランスイギリス強し!?

 良馬場になれば求められる適性はコース傾向に依存します。結果として母国フランスやフランスで結果を残しているイギリス馬が強い傾向に。過去10年良馬場で施行された5回はフランス4勝、イギリス1勝。ただ、馬券になった12頭の内訳を見てみるとフランス7頭イギリス3頭日本1頭(オルフェーヴル)とフランスが圧倒的に有利になっています。

 フランスが好走しやすい理由は血統の紹介に回しますので、ここでは「良馬場ならばフランス型が強い」という認識でOKです。

 さらに年齢別の傾向を見てみましょう。4歳が過去10年5勝と半数は4歳から。さらに3歳馬も3勝していることから若駒が圧倒的に有利であると考えられます。良馬場で確認すると3歳3勝、4歳2勝。4歳は連覇でしから、若ければ若いほど有利に。

 この傾向は斤量が影響しているでしょう。4歳以上の牡馬は59.5(牝58キロ)キロと大きな斤量を背負うのに対し、3歳牡馬は56.5(牝55キロ)キロとかなり斤量で優遇されます。良馬場でスピード勝負となればこの差が非常に大きなものとなっているのでしょう。今年も3歳馬が数頭エントリーしていますから、これらの馬を有利に取るのもアリです。

3.欧州系で一括りすると大損害!?

 よく血統で語られる欧州血統。日本で言えばトニービンであろうがKingmambo系であろうが、ハービンジャー産駒であろうが大部分の血統区分では欧州系になりますよね。

 これは正解ではありますが、全馬欧州血統の凱旋賞などでこれを使ってしまったら判断不能になります。

 普段から私が言っている分け方、フランス型とイギリス型を中心に考えてみましょう(ここでは三系統を紹介します)。

・イギリス型

 起伏に富んだレイアウト、自然を利用してタフなコースを作り出しているイギリスやアイルランド。加減速の自在さや、直線でバテない持続力が求められます。一般的に欧州系と言えばこちらのタイプを想像するでしょう。

ガリレオ系(フランケルなど)やDanzigのグリーンデザート系、リファールのダンシングブレーヴ系など

・フランス型

 ロンシャンのフォルスストレートからの長い直線や直線のマイルG1ジャック・ル・マロワ賞を勝った馬や適性を見せる種牡馬が活躍する舞台。直線での末脚持続力が求められますから、日本との親和性も高いタイプです。日本ではKingmambo系のキングカメハメハの系統が主流血統の一角を担っていることからも窺えます。

Kingmambo系(キングカメハメハ系など)、Dubai Millennium系(マクフィなど)、Shamardal系、ディクタス系など。

・ドイツ型

 自然豊かな競馬場を作り出すドイツの競馬場。芝も自然に近く、イギリス以上にタフな決着に強くなります。道悪適性も高く、不良に近い馬場でも差して上がってくる形を作り出すことも可能。日本ではノヴェリスト産駒や母父としてMotivatorなどが知られます。

Adlerflug(トルカータータッソ)、Monsun(ノヴェリスト)など。

 今回の凱旋門賞は良馬場と推定して分析を書いていますので、フランス型とDanzig色の強い馬が有利になっています。イギリス系のロールモデルになるのが良馬場の2018年に2着に入ったSea of Class(シーオブグラス)。父はGreen Desert でDanzig系、さらにフランスの血統であるMiswakiのクロスが入っているという血統でフランスでも活躍する下地があったということでしょう。このように、フランス型に近いイギリス馬を狙っていくのが正解となりそうです。

 今年はサドラーズウェルズでもDanzigが入っていたり、フランス型血統のクロスが入っていることが条件になりそうです。基本はフランス型の血統を重視して狙っていくのがよいと考えられます。

スルーセブンシーズは走れるの!?

 ここで少し脱線。今年日本で唯一出走を果たしたスルーセブンシーズ。今年は年始に3勝クラスを突破すると、中山牝馬Sを連勝で重賞初制覇。その後宝塚記念では世界のイクイノックスにクビ差に迫る2着と好走を果たしています。
 それでは血統を見ていきましょう


                                   netkeibaより引用。

 2012-2013年に凱旋門賞2年連続2着のオルフェーヴルの全兄ドリームジャーニー産駒。ステイゴールド産駒が好走しやすかったのはステイゴールドの母父にディクタスが入っていたことが影響していると考えられます。
 そのため、血統的には妙味十分と思いがちですが、今一つ信頼しきれません。それは母父がクロフネであるという点。少し米国色が強いんですよ。ヨーロッパの芝が近いというよりも日本の芝によりアジャストしたタイプだと思うんですよね。
 ですから、阪神や中山のような坂のある米国的な適性が必要なコースで適性を見出しているのだと思います。馬券的には応援にとどめておくのが良いでしょう。

4.該当馬

 それでは凱旋門賞の該当馬を見ていきましょう。

12.フィードザフレーム (仏、ゲート番2)
内ゲート〇 3歳〇 地元馬〇 血統〇

 7月にロンシャンで行われたパリ大賞典を1着となると、前哨戦のニエル賞では2着。不安は多少残りますが、良馬場の2着は誇られるべき。日本でもおなじみのKingman産駒でDanzig色も強く、今の馬場とマッチングは高そう。3歳の内に狙っていくのがよさそうです。

6.ベイブリッジ(英、ゲート番5)
内ゲート〇 5歳△ 英国馬〇? 血統〇

 血統的な妙味からはこの馬を取り上げたいと思います。タフなコースに強く、昨年の英チャンピオンSで1着、プリンスオブウェールズS2着はシャフリヤールを破った経験があります。NewBay産駒はDubawiから続く欧州ミスプロ系で末脚の持続力は確か。血統的には好走してもなにもおかしくはありません。期待できることは間違いないので馬券には入れておきましょう。

13.エースインパクト(仏、ゲート番8)
中ゲート〇? 3歳〇 地元馬〇 血統〇

 堂々の主役候補。。ただ、ロンシャン競馬場では戦歴はなく、2400mも初経験。不安要素がないわけではありません。Cracksman産駒はサドラーズウェルズから続く系譜で、Danzigクロスも良さそうです。ですから、馬券になる可能性は高いと考えられます。それでも軸はやりすぎな印象。

業務連絡と独り言…

 かなり長くなってしまいました。申し訳ございません。結局上げる時間も遅くなってしまいました。
 下記に印と買い目を乗せておきますので、ご参考程度にどうぞ。リポストしていただくと無料でお楽しみいただけますので、ご覧ください。
 それでは! ヒデ


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