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複数の得意分野を作ったほうが市場価値が上がる、は本当なのか

すっかり秋になりましたねー。そしてあと約2ヶ月で2019年が終わるとか...1年がほんとうにあっという間すぎてびっくりしています。


キャリアを考える際に、複数分野を掛け合わせていった方が市場価値が高い、稀少性が高くなるという話があります。一番有名なのは藤原和博さんの100万分の1の人になる方法、の話ですかね


1/100になれる分野を3つ持つと、1/100×1/100×1/100=1/1000000である、という理論です。
私も20代でこの考え方を知った時は「なるほどー、確かに!」と思いましたが、今考えてみると本当にそうなのかな?と思うことがいくつかあるので書いてみようかなと思います。


複数分野を持つ=希少性が高い、市場価値が高い?


例えば、
営業×経理×ライター、のような経歴の人がいるとします。それぞれがもし1/100の実力だとして、この人が転職活動でどこかの会社に入ろうとすると「営業兼経理兼ライター」という募集は皆無でしょう。
おそらくですが「営業」or「経理」or「ライター」のどれかで採用されたり選考が進んだりする場面が多くなるのではないでしょうか?

とすると、この人にとって1/100の実力の分野が3つ掛け算されていても1/1000000という評価にはならず「1/100の実力を持つ営業」みたいな評価になるわけですよね!?
営業として1/100の実力があればそれなりに活躍できるでしょうし、給与も上がっていくかもしれませんが「1/1000000の人材」という評価にはなりにくいのではないかな、と。市場価値が高くなったのか、希少性が高くなったのか、と言われると「うーん...」という感じ。


ただこれは会社員として転職する場合の話。
この人がフリーランスや起業する場合は「営業」の仕事も「経理」の仕事も「ライター」の仕事も受注できるようになるので、全く別の意味を持ちます。
なので、この藤原さんはじめ多くの方がおっしゃっている「1/100分野を複数持とう」は、個として稀少性が上がりそれを元に商売していく、独立するなどの場合を前提としているのかもしれませんね。


実際に私もキャリアとしては「営業×新規事業×人事」という3つがコアになってますが、それを活かした分野で起業、事業立ち上げも行っていて、会社員でいた頃よりも経営者になった時の方が複数の得意分野を持つことのメリットは大きいなと感じます。



会社員が複数分野の強みを持つことは意味はあるのか?



もちろん意味はあると思います。
複数の得意分野を持つ人が会社員として働く場合、以下の3つにおいて高い価値を発揮するのかな、と思います。


1つ目。
複数の得意領域があるからこそできる事業や仕事にアサインされている場合です。

例えば私の例です。
「営業×新規事業×人事」という3つがあったからこそ、人事/採用は「戦略も課題だけど、オペレーション/実行リソースがどこも足りていない」という課題も理解した上でCASTER BIZ recruitingというベンチャー/中小企業に特化した採用アウトソーシングサービスの立ち上げができました。
新規事業の立ち上げ経験もあったので、何からやるべきかのイメージもありましたし、営業経験もあったので顧客開拓も自分ででき、かつサービスを運営するのに必要なメンバーの採用も自らできたのは大きなアドバンテージだったと思います。

このように複数の得意分野があるからこそ、できる仕事や業務/役割というのは多くはありませんが存在します。こういった場合には複数分野が得意な人は活きることが多いでしょうね。


2つ目。
自分が管理職などになって複数のやっていることが異なるチームをマネジメントする場合です。
営業部門をマネジメントしながら、マーケティングもできる人であれば、自らリードを増やす施策を立案して動かしたりもできますし、なんならマーケティング部門も合わせてマネジメントすることで整合性の取れた体制構築や一貫した戦略を推進することも可能だったりします。


3つ目。
近しい分野で複数分野に強みを持つ場合です。

エンジニアなどはわかりやすいかと思いますが、サーバサイドもiOSもインフラもできるし、PdMもできるのような人材は非常に希少価値も高い、と判断されることが多いでしょう(もちろんそれぞれの分野のスキルがあることが前提です)。



では、本当に複数分野できないとダメなのか?



そんなことは全くないと思っています。
1つの分野で日本で有数の実力を持っている、営業だったらどこにいってもTOPの成績を取れる、そんなタイプの方が輝ける場面はたくさんあるし、そういう方の方が市場価値(ここでは転職市場で考えますが)が高い、つまり年収が高いという人はざらにいます。(外資系の保険や大手Slerのトップセールスとかはまさにその類ですよね)


もちろん自分は「複数分野の掛け合わせで勝負するんだ」というのも全然いいと思います。ただ、ここで気をつけないといけないのは、


1つ1つの分野でそれぞれTOPレベルの人、少なくとも専任でやっている人と戦えるレベルを複数持つ


ということかなーと思います。
複数の分野をちょっとずつかじってきました、というパターンだと「で、何ができる人なんだっけ?」となりがちかな、と。。
あくまで1つ1つ目の前の分野で一線で戦える力をつける、そしてそれを複数持つ、というのが本質的であってそれを見失ってはいけないなぁと。


今日は以上です。


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