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キャリアという魔法の言葉と、転職活動で体験するイマイチさ

気づいたらかれこれ12-3年はキャリアに関する仕事をしてきています。フリーター時代を経て「社員」というものになった最初は求人広告の営業から始まり、求人媒体の企画や新規事業の立ち上げ、事業責任者、人事などをやってきました。
今、取締役をしている株式会社キャスターもリモートワークが前面に出ますが、人材業界の会社です。

そのくらい長くキャリアに関わってきたのですが、個人的に「キャリア」という言葉がピンときません。


Wikipediaでキャリア(career)を調べてみると以下のように出ます。シンプル!

経歴、職歴


ちなみに厚生労働省が出している「キャリア形成を支援する労働市場政策研究会の報告書」によると以下のような記載があります。

「キャリア」とは、一般に「経歴」、「経験」、「発展」さらには、「関連した職務の連鎖」等と表現され、時間的持続性ないし継続性を持った概念として捉えられる。

なるほど...わかるようでわからないですねw

でも要約すると「その人が今までどういった仕事をしてきたか」のことをキャリアと呼ぶようです。


とすると、一般的に使われている「キャリア」に関する言葉やキャリア論は違和感があることがたくさんです。

例えば、キャリアアップ、キャリアダウン、、、のような言葉。これって何を刺すんでしょうね。会社の格が上がった下がったみたいな話でもあるかもしれないですし、役職が上がった下がったのようなことかもしれない。もしくは単純に年収が上がった下がったことかもしれません。

それ以外にもあります。
例えば、「キャリアの一貫性」。先日twitter(↓)でも呟いたんですが、転職活動をしているとやたらと聞く言葉です。


キャリアの一貫性ってなんでしょうね。
一回マーケティングの仕事をした人はその後もマーケティングの仕事を続けているべきだ!みたいな話なんでしょうか。それとも同じような業界にい続けることなのでしょうか。もしくはなんとなく関連ありそうな仕事を渡り歩いているかどうか。みたいな話なのでしょうか。
正直、いつもピンとこない言葉です。


今まで仕事を通じて、数千を超える会社の人事や経営者に「今回の採用ポジションではどんな人が欲しいですか?」と聞いてきました。
その時には「XXな経験をしている人が欲しい」「YYYな能力を持っている人が欲しい」「当社の理念に共感している人が欲しい」...そういった話が出てきます。
でもなぜか、なぜか、いざ面接評価や書類選考の段階になると不合格の理由に「キャリアの一貫性がない」は登場します。
一貫性のあるなしとそのポジション、その会社で活躍できることって本来なんの関係もないのでは?と思うんですけどね。


「キャリアの一貫性がない」という理由で不合格になった経験をした人も少なくないのではないでしょうか。
だからなのか、キャリア相談を受けていると「自分はキャリアに一貫性がないので...」とおっしゃる方にたくさん出会います。
また「何かすごいキャリアがあるわけでもないし」という言い方をされる方も。

本当はキャリアって「その人が今までどういった仕事をしてきたか」でしかないはずなのに。
いつの間にか、キャリアという言葉が「すごい経験やスキルを持っていないといけない」「一貫性がないといけない」のような意味を勝手に持って一人歩きしている気がします。


その原因を作ったのって、残念ながら人材業界や人事、採用に携わる人たちだったと思うんですよね。
どうしてもビジネスモデルとして採用したい企業からお金をもらって何かをすることが多くなるので、採用側の意見や都合に合わせる必要が少なからず出てきます。で、ないと満足してもらえないので。一定は仕方ないかなと思う部分もあります。

でも、僕が人材業界で人やキャリアに関わり始めた2005年から現在の2021年に至るまで根本的にずーっと同じこと言っているんですよ。ずーっとある意味変わっていません。
こんなに人手不足だ!DX人材が足らない!イノベーションを起こせる組織に!!と言われ続けているけど、根本的には変わってない。
IT業界中心にめちゃくちゃ売り手市場で、働く人が働く場を選べる立場であることは明らかなのに、実際の面接場面や、求人サイト、転職エージェントのオペレーションや運営はずーっと変わりません。

よく「変化しないものは生き残れない」などと言いますが、今の時代に合わせた選考活動をしていない企業も、平気で「採用市場」のなかで生き残れているのは、僕も含めて人材業界やHRに関わる人たちの責任だなと思っています。


一個人として考えてみるとおかしな話です。

何か新しいことに挑戦したい、給与あげたい、勢いのある会社で働きたい、スタートアップでゼロから会社を大きくする経験をしてみたい、優秀な人たちに囲まれて働きたい、、

そんな想いを持って転職活動をするわけですが、それすらなかなか実現するのが難しい。こんなに人手不足と言われているのに。。

実現しようとしたらしたで、やれ職務経歴書を用意したり、何回も転職エージェントと面談したり、キャリアの一貫性とやらを求められたり、スカウト受けたのに行ったら志望動機聞かれたり、、、
なんでこんな誰からみてもイマイチな体験が残り続けているんだろう、と。


経済の用語で「需要と供給」という言葉あります。
需要と供給によって価格が決まったり、どちらが有利か変わるというもので、市場の原理として言われています。でも、今の採用市場や転職市場では、この「市場の原理」があまり働いているとは思えません。
確かに、一部の職種は年収がグッと上がったかもしれませんが、転職したい人が次を見つけるときの大変さやめんどくささ、そして企業側の論理に寄った選考の進み方などは何も変わっていないと思います。


昨年の11月末に僕らは「bosyu Jobs」という採用のプラットフォームをリリースしました。
正直、まだまだどころか、、やりたい世界の1%もきていないと思いますが、仕事を探す人がイマイチな体験をしないように、そして「自分にとっていい会社を見つけたい」ということをシンプルに実現できるサービスにしたいと思っています。そしてその人のキャリア、つまり「今までやってきたこと」だけがシンプルに評価されるようにしたい。
究極的に言えば、その体験を崩してしまう企業様にはご利用いただかなくていいとすら考えています。


きっと花粉症が終わる頃には、今のbosyu Jobsより数段レベルアップしたものをお見せできる予定ですので、しばしお待ちください!

現時点でも数百社の企業様がご利用していただいてますし、選考に関するストレスなく転職活動にも使っていただけるサービスになっていると思いますので、興味ある方は是非ご利用ください!

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