『頑張りたくないときは 頑張らない』久保利英明×クリスティーナ アメージャン
久保利英明×クリスティーナ アメージャン
2021年3月対談 vol.3
久保利「アメージャン先生が、疲れたとか、困ったとか、悲しいとか、元気がないとかっていう場面は、お目にかかったことないんですよね。多分取締役会で、頑張んなきゃっていうんで」
アメージャン「あはは(笑)」
久保利「お考えになってるからなんだと思いますけど。たまにはちょっと困ったなぁとか弱ったなぁとかっていうことは、人生の中ではおありになると思うんですけど」
アメージャン「はい」
久保利「そんな時って どうするんですか」
アメージャン「(笑)」
久保利「(笑)素直に困っちゃうんですか」
アメージャン「どうするでしょう。元気じゃないとき結構ありますけど」
久保利「ありますか」
アメージャン「取締役会楽しいからいいから、教授会は元気じゃないけど」
アメージャン「元気じゃないときは寝ます」
久保利「いいですね。それ」
アメージャン「元気じゃないから寝たらいいんじゃない。ほんとに。わたしすぐ寝ることができます、それ自信があります」
久保利「すごい」
アメージャン「音楽聞くとか、次の日朝まで寝るとか、ゆっくりします。だから、頑張りたくないときは」
久保利「頑張らない」
アメージャン「頑張んなくていいと思います」
アメージャン「すぐ、寝ます。寝るの大好きです。(笑)」
久保利「やっぱりつまんないとき、こんな日は寝ちゃいましょうというのはいいかもしれない」
久保利「僕はおなかが空いてると眠れないし不機嫌なので、健康上問題かもしれないけども、夜、寝る前にがっつり食って、寝ちゃうとかですね」
アメージャン「あー。ほんと」
アメージャン「私は逆に、食べたらちょっと寝られない」
久保利「寝るのが一番大事なんですね」
アメージャン「寝るのは大事だし、もう一つは仲間、いろいろ文句言える、愚痴を、仲間と飲みに行って、色々愚痴を」
久保利「うんうん。大事ですよね、発散をするっていうか」
アメージャン「発散をする」
久保利「愚痴を言う、聞いてくれる人がいると」
アメージャン「大事ですね」
久保利「一人で抱え込まない」
アメージャン「そうですね。美味しいワインとか飲みながら」
久保利「うん」
アメージャン「今、ちょっとできないんですけど」
久保利「今はね」
アメージャン「すごく一番楽しいことの二つは、居酒屋」
久保利「居酒屋(笑)」
アメージャン「安いところに飲みに行く。と、旅行」
久保利「ですね」
久保利「去年一年間、海外どこも行けなかったですからね」
アメージャン「ねえ」
久保利「みんなもう、東京からは来るな、来るなと」
アメージャン「でしょう。行ったら」
久保利「行ったら、ちっちゃくなってないといけないしね。ハワイにも行けない、地中海にも行けない」
アメージャン「先生も全然。一年間」
久保利「土日も仕事しちゃうから。そうすると、土日も全部360日仕事しっぱなしでしょ。仕事っていうのはほとんど椅子に座って、何かを読んで書いてという恐ろしく健康に悪いことをやってますよね。だから旅行がないというのは、僕の場合は命にかかわるなあと思うんですね。だからコロナのやろうはね、そういう意地悪するのかと」
アメージャン「ねえ」
アメージャン「最近のhobbyは長い散歩をする」
久保利「ほぉ」
アメージャン「上野公園とか」
久保利「あら」
アメージャン「浅草まで歩くとか」
久保利「結構あるじゃないですか」
アメージャン「結構あると思うけど、そんな1時間半ぐらいとか」
久保利「速足なんだ」
アメージャン「いや、全然。ゆっくり歩く」
久保利「普通に?」
アメージャン「東京は歩く町ってイメージんじゃないんですけど、結構歩けるし楽しい」
久保利「ほぉ」
アメージャン「最近それしか残ってない、楽しいこと」
久保利「それはいい」
アメージャン「お寺とか神社もあるし、日本庭園、家の近くに結構すごい立派な日本庭園もあるし」
久保利「ほお」
アメージャン「面白い。美味しいパン屋さんとか」
久保利「(笑)ありますよね」
アメージャン「面白い」
久保利「確かに食は、日本って世界水準から言うと結構美味しいものあるよと思いますけど」
アメージャン「北の方に行くと何もない、ほんと何もないところ多いし、江戸時代のままの坂とか階段とか」
久保利「坂、階段、多いですよね」
アメージャン「面白い、結構、看板、江戸時代、こんな感じだったのかなとか、歴史の勉強もできるし」
久保利「ほぉ」
アメージャン「楽しい。一人で」
久保利「転んでもただでは起きないのね(笑)アメ―ジャン先生は。なんかそういうもの見つけるんだ」
アメージャン「そういうの大事ですね」
久保利「大事ですね」
アメージャン「コロナだから」
久保利「だからこそ」
アメージャン「できる」
久保利「逆にそういうのを」
アメージャン「最近、元気じゃないときは、リュックで、ブーツ、ハイキングの。で、マスクして」
久保利「そっか、マスクして」
アメージャン「だから楽しい。これがいまできるねって。楽しみ」
久保利「素晴らしいですね。そういうことなんだ。やっぱり、工夫をして」
アメージャン「工夫をして」
久保利「なんとか楽しいことを見つけていこうという努力ですね。それがうまく実を結んで元気になるし、大したもんですね。見習おう僕も。(笑)」
アメージャン「東京の散歩は楽しい。家から、六義園」
久保利「六義園ね」
アメージャン「こんなすごいのが、小石川とか」
久保利「小石川」
アメージャン「結構いろいろ」
久保利「坂もあるしね」
アメージャン「坂もあるしね」
久保利「運動になりますよね。そっか。へえ、素晴らしいなあ。勉強になります。(笑)」
アメージャン「(笑)」
久保利「僕も少し歩くようにします」
アメージャン「歩かないんでしょ普通、東京」
久保利「はい」
アメージャン「3時間、4時間かけてどこ行こうかなと。ほんとうに自由な。いい感じです」
久保利「今度、それ、僕もやろう」
アメージャン「ぜひ」
久保利「運動なんかもするんですか」
アメージャン「結構してます。私、昔からベリーダンス」
久保利「ベリーダンス!」
アメージャン「着物と全然違うんですけど(笑)」
久保利「アルメニアの文化とも違うでしょう。ベリーダンスって。あれ、エジプトとか」
アメージャン「ええ、エジプト」
アメージャン「アルメニアのベリーダンサーが、エジプトの一番有名なベリーダンサー。アルメニア系」
久保利「あっ、そうですか」
アメージャン「いい、アメリカ、アルメニア人のお嬢さんがする趣味じゃない」
久保利「(笑)」
アメージャン「(笑)けど、楽しい。それもすごいストレスの発散だし。今、Zoomでリモートでレッスンうけてますけど」
久保利「ああ。そうですか」
アメージャン「前は、年に2、3回、発表会があって」
久保利「発表会」
アメージャン「そのためにすごい衣装作って」
久保利「衣装がすごいんですか」
アメージャン「すごいです」
久保利「あんまり衣装にお金がかかんなそうなダンスだけど、違うんだ」
アメージャン「いや、着物ほどじゃないんですけど、わたしたち、エジプトで作ってもらいます。注文して」
久保利「ほぉ」
アメージャン「エジプトで作ったから、それでも安くない」
久保利「安くないでしょ」
アメージャン「手仕事で」
久保利「レースみたいな、綺麗な」
アメージャン「レースとか、綺麗」
久保利「大変なんだ」
アメージャン「楽しいです。すごい綺麗なの着て踊って、仲間と。それは本当に元気がもらえる」
久保利「ですよね。それもできない、今」
アメージャン「できないんですね、家でZoomでやって、でも、ちょっと違う(笑)」
久保利「ちょっと違う(笑)でも、運動としては激しい運動ですね、あれ」
アメージャン「激しい運動です」
久保利「じゃあ絶対強いね。寝ることができて、酒が飲めて、愚痴を言って、友達とベリーダンスやって」
アメージャン「最高です」
久保利「ねえ。すごい。そういう活力ですよね」
アメージャン「やっぱり、いつも、いろいろ」
久保利「関心が、次々、いろいろなものに移っていくんでしょう」
アメージャン「これも多様性ですね。自分の人生の中に」
久保利「自分のね、うん。そうですよね」
アメージャン「いろんなことするの」
久保利「それはね、やっぱりアクティブなんですよね」
アメージャン「やっぱり、いろんな全然違う仲間いるから、楽しい」
久保利「ほお」
アメージャン「ダンスの仲間、取締役会の仲間、大学の仲間とか」
久保利「違う人と」
アメージャン「話も違うし、私も違う。かもしれないから、それは、いいと思う」
久保利「いいですね」
アメージャン「それも多様性」
久保利「それって、大事ですね」
アメージャン「大事と思います」
久保利「ということは結局は、元気がないとか困ったとか苦しいとかってことは、超えていけるんですね」
アメージャン「そうですね、ないこと、結構あるんですけど」
久保利「うんうん」
アメージャン「もうダメだと思う時結構あるんですけど、だけどやっぱり」
久保利「人間、気の持ちようっていうのもあるし、自分が求めてるものを自由に動けばいいんですよね」
アメージャン「そうですね」
久保利「いろんなことにチャレンジをしていくっていう」
アメージャン「それ、大事ですね」
アメージャン「でも、ダンスは簡単じゃない」
久保利「でしょう」
アメージャン「ベリーダンスは楽しいですけど、難しいんですね、動きも難しいし覚えるのも難しいし、私、ダンス全然向いてないから」
久保利「(笑)」
アメージャン「ダンス全然できない人間で、一番できないこと」
久保利「それをやってる」
アメージャン「やってると、脳と身体にほんとにいいと思います」
久保利「うんうん」
アメージャン「いつもダンスのレッスン行くと、すごい集中もするし、仲間、一緒に踊ったりする人は30前後とか、エイジギャップもあるし(笑) これありえないと」
久保利「エイジギャップがね(笑)」
アメージャン「でも楽しい(笑)」
アメージャン「それは、やっぱり大事」
久保利「大事ですね。好奇心っていうのも凄い大事だと思っていて、やっぱり年を取っていっても、元気のいい人っていうのは好奇心が旺盛ですよね」
アメージャン「ええ」
久保利「自分で体を動かして、なんだなんだそれはと言って、身を乗り出して俺もやってみようっていう人は、いつまでも若々しいですよね」
アメージャン「そうですよね」
久保利「それってでも突然、あの、80になりました、90になりましたで、それやれるわけじゃないから、やっぱり、50、60のときからそれやっていくんですよね。それは大事だと思いますよ」
アメージャン「ね」
久保利「なるほど。音楽はどういう音楽を、ダンス音楽を別にすると」
アメージャン「音楽、、は、あの、昔、学生の時、ピアノ弾いてた。この話はあんまりしてないんですけど、高校の時にミュージックスクールに行くか」
久保利「へえ」
アメージャン「芸大みたいなところ」
久保利「はい」
アメージャン「ピアノを勉強するかハーバード行くか、ハーバードで音楽専攻しようかなと、結構真面目に、ピアノを」
久保利「考えたんだ」
アメージャン「考えたんです」
アメージャン「チェンバロミュージックとか、カンパニー、バイオリンとか、シンガーと一緒に、結構、リサイタルとか、発表会も出ました」
久保利「おやりになったんだ」
アメージャン「歌も大好き。コーラスとか、オペラの歌も大好き。今は、クラシックが好きだし」
久保利「クラシックね」
アメージャン「最近はコロナで行ってないんですけど、カラオケ」
久保利「カラオケも好きなの(笑)」
アメージャン「昭和の演歌」
久保利「昭和の歌、歌う」
アメージャン「はい。いまも(笑)」
久保利「(笑)すごいね」
アメージャン「結構」
久保利「コロナ、いなくなったら、行きましょうね」
アメージャン「エーザイのとき、結構行きました」
久保利「内藤さん、好きだもんね」
アメージャン「内藤さん、大好き」
久保利「いま、なんにもそれができないから鬱屈しますよね」
【Christina L. Ahmadjian(クリスティーナ・アメ―ジャン)PROFILE】
一橋大学大学院経営管理研究科経営管理専攻教授
アルメニア系アメリカ人の父と、スウェーデン系アメリカ人の母を持つ。
ハーバード大学卒業。日本企業での勤務経験を経て、
スタンフォード大学ビジネス・スクール経営学修士課程修了。
カリフォルニア大学バークレー校ハース・スクール・オブ・ビジネス博士課程修了。