『休肝日をやめました』久保利英明×堀威夫
久保利英明×堀威夫(ホリプロファウンダー)
2021年2月対談 vol.3
久保利「酒は止めないと」
堀「止めないっていうより、止められなかったっていうか (笑)」
久保利「 (笑) 面白いなあ。それで、だけど、90にもうなるっていうのに、毎日酒飲んでるわけでしょう」
堀「あの、40代ぐらいの時に、十二指腸潰瘍をやりましてね」
久保利「ええ」
堀「医者に、休肝日を作れって言われて。なんか週にいっぺんね、飲まない日を。そうしたらね、寝返りを何回もうって、悶々として寝られないわけですね」
久保利「(笑)」
堀「血液にアルコールが入んないと駄目なんですね」
久保利「ほお」
堀「で、医者に言って、しょうがないから睡眠誘導剤飲んでたら、「そんなら、あんたは酒のんだほうがいいよ。睡眠誘導剤ずっと飲むよりは、酒の方がいい」って言うんで、それ以来もう休肝日もやめました」
久保利「すごいですね。酒の血が流れてるわけですね (笑) 」
堀「 (笑) ようするに、血液にアルコールが入らないと安心してできないんですね」
久保利「なるほど」
堀「だから、軽度のアルコール依存症なんじゃないかと思いますね」
久保利「軽度か重度かよくわかんないですけどね」
堀「あはは (笑)」
『ふだん、何を食べてますか』
久保利「普段、何を食べてますか?」
堀「普段」
久保利「酒はよくわかりましたけど、飲んでるのは」
堀「いや、それは食事に合わせて」
久保利「なんでも飲む。たとえば、ワイン」
堀「西洋風ならウイスキーとか、日本食なら、日本酒とかっていう。ただ、いま、日本酒はね、ちょっと医者がね、なんだかしらないけど、日本酒を止めろと。日本酒の協会に反発してる医者かどうか知らないけど(笑)」
久保利「そのとき、普段食べる物っていうのは、何か決まってるんですか」
堀「夜は外食するんですよ」
久保利「でも、外食はすぐ終わっちゃうじゃないですか」
堀「外食をする範囲がせばまった」
久保利「そうですね」
堀「非常につらい。例えば、あそこはいいけど、地下だから密だしなあと。だから行かないとかね。非常に、そういう難しさはあります」
久保利「食うとこがなくなってきちゃったよね」
堀「そう。生活のレベルがすごい悪くなりますね」
久保利「でも、やっぱりあれでしょう。7時までお酒で8時に開けてっていう感じになっちゃうと」
堀「そう。僕は5時半ぐらいで、それで大体食事おわって、うちを7時前後ですよ。それで、あと夫婦でテレビでも見て10時になって寝ちゃいますから。いま」
久保利「幸せなんですよ」
堀「10時に寝て、朝5時半ぐらいに起きると。何時に寝ても5時半ぐらいで起きちゃうんですよ。だから夜遊びなんてのができない。もちろん、状況的にも夜遊びはできないようになってますけど」
久保利「もう、人生分はやったからね(笑) 夜遊びっていったって」
堀「今、おつりみたいなもんですから」
久保利「どんどんね」
堀「飲み屋がね」
久保利「お店が閉店してくんですよね。一方で、いいよねというところが、なんかお金がもらえるから当分閉めてますと。だけど、それって2月の7日までって限ったわけじゃないよね。っていったら、ずっと閉店してる最中は6万円ずつもらえるんでしょっていうから、バカなこと言うな」
堀「(笑)」
久保利「みんな何を考えてんのかなあと、僕は思いますよね。こういうときこそ、常連さんしっかり集めて、もう一人とにかく会員制で、あの6万円ずつ取ることにして、それはそれとして別途この人には8時過ぎてもちゃんと酒も提供するというサービスを決めて、肝っ玉つかまないと。未来永劫の客になるのに、そういうビジネスはしないのかな」
堀「昨日は、なんか6万円もらうと利益が出ちゃう店もあるんですってね」
久保利「一人でやってたらそうでしょうね。一人、二人だったら」
久保利「すごいアンバランスですよね」
堀「一律っていうのは、まずい」
久保利「そうですよ」
堀「税務署に行けばわかる。だって、売り上げなんか」
久保利「わかっちゃうわけでしょ」
堀「できるはずなんですよね」
久保利「そのとおり、やればいいんだからね」
堀「彼らが手を抜いているわけですよね」
久保利「みんな働いてないの。働き方改革って称して、まじめにやるべきことやってないんですよ。ほんと困ったもんですよね。そういう意味でいうと、なかなかね場所も、確かにね問題だし、やってないし、っていうのがあります。で、みんな6万円ほしいから、7時から酒売らないって、僕は、今、もう不動産賃貸業になれと。酒も飯も出さない。自分勝手に好きなものを持ってきて、椅子一つね三万円でね」
堀「貸してやると(笑)」
久保利「それで、貸席業になれと。そのかわり一切、うちはレストランじゃありませんと。こういう風にやれと」
堀「(笑)」
久保利「いろいろ知恵付けてるんだけどね」
堀「(笑)」
久保利「みんな、あたまかたいんだよね。そんなことしたら、にらまれるとか、にらまれたっていいじゃないの。世の中なんか変わるからって、言ったんだけどね。なかなかそうはいかないですね、不思議でこういう厳しい時代みたいだってみんな言うんだけど、厳しい時代に生き延びる知恵はないのかと。もっといろんなふうなこと考えろよと」
堀「うん」
久保利「思うんですけどね。そういう風になんかお客の立場ですけども、店を変えていこうと思って、いろいろ仕掛けてんですけどね、本当に大変だよ。ホリプロも料亭持ってますから。伊真沁 っていうね」
堀「今休んでます。2月いっぱい」
久保利「大変ですよね」
【堀威夫 PROFILE】株式会社ホリプロファウンダー
1932年 生まれ(申年)
学生時代から、ワゴン・マスターズ、スウィング・ウエストなどでバンドマンとして活躍
1960年 有限会社堀プロダクション設立
1963年 株式会社ホリプロダクション(現 株式会社ホリプロ)設立
1997年 ホリプロ、 東京証券取引所市場第二部に上場
(2002年 東京証券取引所市場第一部に指定替、2012年 MBOにより上場廃止)
2020年 ホリプロ ファウンダー最高顧問を退任
舟木一夫、山口百恵、和田アキ子等多くのアーティストを育てる