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80歳爺がつぶやく、東洋医学の理解と誤解と?

漢方薬を東洋医学と思っていますか?
鍼灸治療を東洋医学と思っていますか?
注射を西洋医学と思っていますか?
化学薬品を西洋医学と思っていますか?
違います。
それらは、東洋医学や西洋医学で使われる素材なんです。
使われている道具を医学と思わないで下さい。
医学とは、人間をどう見るかの思想です。

漢方薬を西洋医学的に使うことができます。
高血圧には、この漢方薬、
糖尿病には、あの漢方薬、
病名に対して特定の漢方薬を使うのは、西洋医学の考え方です。
西洋医学が、重視しているのは、病名を特定して、それに対応する薬剤を使う、
現在、医師は、病院で病名に対応する漢方薬を出すことがあります。
医師は、漢方を勉強したことが無いのですが、漢方薬を出す権利があります。
これは、医学産業がやって、医師が従っている方法です。
そこには、東洋医学の思想はありません。

東洋医学は、人になぜ不調が起こったのかを、総合的に考え直す、これが東洋医学です。生活態度なのか、栄養なのか、精神的な状況なのか、寒いのか暑いのか、水分循環なのか、血液循環なのか、総合的に考え直すのです。医師と患者が一緒に考えることに、重要な意味があります。
ですから、話して、見て、触って考えます。診察に時間がかかります。
ですから、漢方医が、必要なタイミングで点滴や注射をしても良いのです。
どういう理解と方法で、どの素材を使うかが重要です。

例えば、癌を考えてみましょう。
病院に行くと、なんの癌か、癌細胞を研究します。
そして、その癌を攻撃する化学薬品を使います。
医師が言うことは、早いうちに癌を叩きましょうと言います。
そこに患者の生活習慣を考え直す話し合いはありません。

東洋医学の場合、なぜその人に癌が起こったかを、まず、考えます。
生活習慣なのか、食事なのか、精神なのか、どういう体質なのかを考えます。
まず、癌を作った生活態度や食習慣を修正して、休養させ、落ち着かせます。
みんな、癌と言われただけでパニックになっていますから、落ち着かせて、休養させて、食事内容を変えてから、治療法を考えます。
病院では、体力がある内に早く抗がん剤を使って、癌を叩きましょう、とか言います。戦争状態のようですね。

人には、本来、自然治癒の能力が、神様から与えられています。
それを、どこかで見失ったのでしょう。
見失ったものを再発見すれば、自然治癒できます。

もう30年以上前ですが、私がサンフランシスコにいた頃、
腎臓移植の3回目の移植手術を受けにきた女性の実業家がいました。
2回誰かの健康な腎臓を移植してもらい、そして3回目なのです。
質問しました。
2回も腎臓を壊したのは、忙しい生活を続けたのですか?
「私は、忙しいのよ。時間は金よ」
十分に睡眠時間がないのですか?
「当たり前じゃない。寝ていたら金儲けのチャンスを失うでしょう。」
でも、健康な人の腎臓を2回も無駄にしたのですよ。人の命をもらったのと同じですよ。
「私は、高い移植料を払っているのよ。何が問題ないのよ。」
当時、50歳前の私は、そこで、こりゃダメだ、と話すのをやめました。
でも、80歳になった今、考え直すと、もう少し辛抱強く話し相手になってあげるべきだったかなと反省しています。

もう一人、記憶に残っている患者は、スタンフォード大学医学部で肝臓癌末期だと言われて、数年後に自然治癒した人がいました。日系人の陸軍大佐でした。
その方は、肝臓癌末期と言われて、そこでジタバタしても無駄だと考えました。
サムライ魂ですね。
そして、何をやったかというと、毎日、楽しいことだけを考えて、楽しい事だけをやったそうです。そして、全ての癌治療を断ったのです。死ぬ時は死ぬと待っていたら、いつの間には癌が消えていたと言うのです。
私も本当に信じられない思いで、その退役陸軍大佐を見ていました。
生き生きとして元気でした。
しかし、一緒についてきた奥さんが、疲れ切っていました。
自分の楽しみしかやらないご主人の世話で疲れたのですか?
とそのご主人に聞こえるように聞きました。
その夫人は、ただうんと頷きました。
勝手気ままなご主人を治したのは、実は、この奥様でした。

漢方薬であれ、西洋薬であれ、薬が人の命を養っているわけではありません。
薬は、病気の特定の症状を押さえているだけです。
回復は、生命力によって起こります。
命を維持しているのは、食事の栄養と、心です。
東洋医学であれ、西洋医学であれ、命とは何かを自分で考え直してみましょう。
生命は、大自然から与えられ、
私たちは、その与えられた生命を使わせてもらっているのです。
どう生きるかは、私たち次第です。
金儲けに夢を描いていくるのも良いと思います。
そう言う世俗にまみれていきたい人生もあるでしょう。
一度経験すれば良いでしょう。
死んで、また、出直してくるだけですから。
そうやって、何回も生死を繰り返して経験をしているのだと思います。
じゃ、今生きている、この命をどう使わせてもらうか?

医者というのは、不思議な立場です。
色んな患者の生き様を見せてもらいながら、
自分が反省しているのです。

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