【読書の付箋】FAVI ブルーカラーがティールの方を向く理由(『ティール組織――マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現』フレデリック・ラルー著、英治出版)
不定期かつ習慣的に読書するごく平凡な日常。
スローリーディングが好きなので、遅読ですが、その日に読んだ本の、その日に読んだ部分だけ、自分なりの湯上がり感を、綴ります。
今日の書籍は、
『ティール組織――マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現』(フレデリック・ラルー著、英治出版)
【今日の付箋】
オレンジ型組織からフィール組織へのパラダイムシフト【FAVI ブルーカラーがティールの方を向く理由】
欧州の自動車部品メーカーFAVIは、景気変動の波を受けながらも、従業員給与は業界平均以上。高い利益率を維持し、離職率は実質ゼロ。
元々は垂直統合型のピラミッド組織であったが、経営者の交代をきっかけに組織構造を変える。ミニファクトリーという小組織によるセルフマネジメント組織へ転換。ミドルマネジメントとスタッフ管理機能は廃止。人事、企画、スケジュール管理、購買、そして営業も小組織に内包された。
これにより、かつては受注後に複数部門を経て現場には指示だけが降りて作業の目的や背景が見えない状況であったが、それが一変する。
週次のショートミーティングで全メンバーに受注情報はシェアされ、メンバーの作業日程・工程が合意される。また営業は、価格引き下げの圧力にあっても、現場作業員へ相談して作業プロセスの見直しなどが可能かを話し合うことができる。
小組織には営業目標はなく、営業担当のモチベーションは、“自分のチームに仕事を与えること”となる。
【ひとこと】
FAVIの事例は、その組織の本籍がどこなのかを、組織が意識するところから変革は始まるという学びだった。
自動車部品メーカーの本籍は、作業現場であり、そこに意思決定機能を集約するのは、理に叶う。組織を作ることが手順の初めに来るのではなく、その組織が何を大切にするかから発想するプロセス。そのきっかけが、一人の経営者であった点も学びとなる。
次回は、「FAVI経営陣はなく、ミーティングもほとんどない」です。