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ミニカーの手入れや保管について。

ミニカーは、自動車の魅力をコンパクトなサイズで楽しめるコレクターアイテムとして、世界中で愛されています。特に1/43や1/18サイズは、そのディテールの細かさと存在感で、コレクターの間で高い人気を誇ります。しかし、美しいモデルカーを長く楽しむためには、適切な手入れと保管が不可欠です。

ホコリや汚れ、湿気や温度変化は、ミニカーの劣化を早める要因となります。車体の塗装がくすんだり、プラスチックやゴムのパーツが劣化したりすることも。コレクションをいつまでも美しく保つためには、定期的なメンテナンスと、環境に配慮した保管が重要です。

この記事では、1/43や1/18サイズのミニカーを長く楽しむための手入れ方法や、適切な保管方法について詳しく紹介します。愛車のミニカーを大切にし、長期間にわたってその魅力を維持するためのヒントをぜひ参考にしてください。

アマルガムのフェラーリモンツァSP1

ミニカーの手入れが必要な理由

ミニカーは、その繊細なディテールと美しいデザインによって多くのコレクターを魅了していますが、適切に手入れをしないと、外観や素材が劣化してしまうことがあります。定期的なメンテナンスを行うことで、ミニカーの美しさと価値を長期間維持することができるのです。では、手入れがなぜ重要なのかを詳しく見ていきましょう。

ホコリや汚れが与える影響

ミニカーのディスプレイや保管場所には、常にホコリがたまるリスクがあります。ホコリが車体や細部に積もると、次のような問題が発生する可能性があります。

  • 塗装へのダメージ: ホコリは時間が経つと塗装面に付着し、光沢を失わせる原因となります。特に金属製やプラスチック製のミニカーでは、塗装表面に摩擦が起き、傷がつくことも。のちにホコリを取ろうとしても、黒いくすみがボディに残ってしまうことは僕も経験済みです…

  • ディテールの損失: ミニカーは、リアルな再現性が命です。細部にホコリや汚れがたまることで、ディテールが見えにくくなり、ミニカーの魅力が半減してしまいます。

  • パーツの劣化: ホコリがシャーシやタイヤ、ウィンドウ部分などに入り込むと、素材の経年劣化を早める原因にもなります。例えば、ゴムやプラスチックは汚れや湿気に弱く、ヒビ割れや変色が起きやすくなります。

長期的な保存への影響

ミニカーを長期的に保管する際も、手入れは重要です。適切な手入れを怠ると、以下のような問題が発生することがあります。

  • 錆の発生: 特に金属製のミニカーは、湿気や手垢が残っていると錆が発生するリスクが高まります。長期保管する際には、表面をきれいにしてから保管することで、錆を防ぐことができます。

  • 塗装の退色: 直射日光や紫外線に長期間さらされると、塗装が色あせてしまうことがあります。汚れがついたままのミニカーを保管しておくと、塗装の退色がさらに早まることも。暗室に保管した場合でもやはり経年劣化を100%防ぐことは難しいですが、直射日光に当てるよりかは遥かに長持ちします。しかしながら、どんなに手入れしてもミニカーは物理的なものなので本物のクルマと同様に部品は劣化してしまいます。なんとも儚いですが、手入れや購入直後に写真データに残しておくなど、工夫次第で対策できます。 またデカールのひび割れも時間と共にその可能性は高まってしまいます。特に大判デカールが施されたレーシングカーや、複雑な造形の上に貼られたデカールなどはひび割れや剥がれなどが起きやすいので注意が必要です。

Minichamps BMW LMR 1999
デカールが複雑なウィング形状に追随できずに、時間と共に剥がれてきます。
僕はマークソフターとマークセッターを使ってみましたが、回復しませんでした。。
  • パーツの緩みや変形: 長期間手入れをしないまま保管しておくと、特に細かいパーツに緩みや変形が生じることがあります。これにより、ミニカーのディテールや動作が損なわれる可能性があります。昔のレジンモデルは、タイヤやウィンドウのクリアパーツなどが変形しやすいです。やはり直射日光を避けつつ高温にならない場所での保管がキーになります。少し前に確認した時は大丈夫だったのに、久しぶりに愛車を取り出して見てみると、パーツが変形している….なんてことはよく聞きます😢

D&G フェラーリエンツォGT コンセプト
経年劣化で窓浮きがあり接着剤で固定しています。
20年以上前のレジンモデルなので致し方ない部分も…




ミニカーの手入れ方法

モデルカーはそのサイズによってディテールや素材が異なり、手入れの方法にも工夫が必要です。それぞれのスケールに応じた手入れのポイントを押さえておくことで、コレクションを常に美しい状態に保つことができます。ここでは、1/43、1/18、1/64のモデルカーに適した手入れ方法を紹介します。

1/43ミニカーの手入れのポイント

1/43サイズのモデルカーは、適度な大きさでディテールもしっかりと再現されていますが、細かな部分が多いため、慎重な手入れが必要です。

  • ソフトブラシを使用する: 細部に付いたホコリを取り除くためには、柔らかいソフトブラシが最適です。特に、窓枠やホイール、エンブレム部分にはホコリがたまりやすいため、軽くブラッシングして清掃しましょう。

  • エアダスターやブロワーを活用: 細かい隙間やパーツの周辺に入り込んだホコリや小さな汚れには、エアダスターやブロワーが役立ちます。風圧を使って繊細なパーツに負担をかけずにホコリを飛ばせます。

  • マイクロファイバークロスで拭く: 塗装表面を傷つけないために、マイクロファイバークロスを使って優しく拭きます。特に、指紋や油汚れは放置すると塗装に悪影響を及ぼすので、こまめに拭き取るのが良いでしょう。

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1/18ミニカーの手入れのポイント

1/18スケールはサイズが大きく、ディテールもより細かいため、手入れにはさらに注意が必要です。また、ボンネットやドアが開閉できるモデルも多いため、内部の清掃もポイントです。

  • 細部のブラッシング: 1/43と同様にソフトブラシを使用して、ホイール、グリル、エンジンルームなどの細部を清掃します。1/18モデルは細かなパーツが動くことが多いので、壊さないように軽い力でブラッシングします。アンテナ部分も注意ポイントですね。

  • 内部の清掃: ドアやボンネットが開くモデルでは、内装部分にもホコリがたまりやすいため、定期的に内部を掃除しましょう。綿棒や小さなブラシを使って、シートやダッシュボードの細かい部分も清掃します。

  • プラスチックやメタルの保護: 大きめのサイズは素材の傷や汚れが目立ちやすいため、プラスチック用クリーナーやメタル専用のワックスを使用して、表面を保護するのが効果的です。

ミニカーもワックスがけ(ぷくすけさんのブログより)

1/64ミニカーの手入れのポイント

1/64スケールは非常に小さいため、手入れの際にはより精密さが求められます。ディテールが簡略化されていることも多いですが、ホコリがたまると目立ちやすいため、注意が必要です。

  • 小型ブラシやエアダスターの使用: 1/64モデルはサイズが小さいため、ブラシも小型のものを使用すると良いです。柔らかい毛先の細いブラシでホイールやグリル周辺を軽く掃除し、隙間にはエアダスターを使ってホコリを吹き飛ばします。

  • 洗浄には注意: 1/64モデルは塗装がデリケートなことが多く、水拭きや強い洗剤の使用は避けた方が良いです。軽い汚れは乾いたマイクロファイバークロスで拭き取り、手に触れる部分に注意を払いましょう。

  • 収納時の保護: 小さいサイズなので、複数をまとめて保管することが多いかもしれませんが、互いにぶつからないように個別にケースに入れるか、柔らかい布で包むことをおすすめします。

エアダスターは精密機械のメンテナンスにも使われています




ミニカーの保管方法

ここでは、モデルカーの保管における重要なポイントについて解説します。

直射日光を避けた場所の選び方

モデルカーを長期的に保管する際、最も避けるべきは直射日光です。太陽光に含まれる紫外線は、モデルカーの塗装や素材に大きなダメージを与え、色褪せや劣化の原因となります。

  • 保管場所の選び方: 窓際や屋外に近い場所は避け、直射日光が入らない部屋の中央や、カーテンやブラインドで遮光されたスペースが理想です。特に明るい窓からの日差しが強い部屋では、UVカットフィルムを窓に貼るか、遮光カーテンを使うのも効果的です。

  • ディスプレイケースの活用: 紫外線カットのガラスやアクリル製のディスプレイケースを使用することで、日光からモデルカーを守りつつ、美しく展示することができます。購入時についているケースのまま飾るのもいいですね。

湿度管理の重要性

湿気は、モデルカーの金属部分の錆や、プラスチックパーツの劣化を招く大きな要因です。湿度が高すぎる環境では、特に金属製モデルカーに錆が発生しやすくなりますし、湿度が低すぎると、プラスチックやゴム部品がひび割れを起こすことがあります。

  • 最適な湿度: モデルカーに適した保管環境は、湿度40%~60%程度が理想です。湿気が多い季節や場所では、除湿器や湿気取りシートを使って湿度を調整しましょう。一方で、乾燥しすぎている場合は、加湿器を使って適度な湿度を保つことが必要です。

  • 保管場所の選び方: 地下や湿気の多い部屋、風通しの悪い場所は避け、湿度が安定した環境に保管しましょう。クローゼットや引き出しなどに保管する際は、定期的に空気を入れ替えることも重要です。

ディスプレイケースや棚の選び方

ディスプレイケースや棚は、モデルカーを美しく見せるだけでなく、保管中のホコリや汚れから守るための大切なアイテムです。

  • ディスプレイケースの種類: 密閉できるケースが理想的です。ガラスケースやアクリルケースは、外から眺めることができ、ホコリの侵入を防ぎながらもモデルカーの美しさを引き立てます。また、棚に直接置く場合は、カバーや扉付きの棚を使用すると良いでしょう。

  • 配置の工夫: 棚やケースを配置する際は、モデルカー同士がぶつからないようにスペースを確保することが大切です。高さを調整できる棚やケースを使うと、さまざまなサイズのモデルカーを効果的に展示できます。

  • 振動や衝撃に配慮: 棚やケースを置く場所は、地震や振動の影響を受けにくい場所が理想です。特に細かいパーツが付いているモデルカーは、転倒や振動で破損しやすいため、ケース内に固定具やクッション材を使うのも有効です。

長期保管時の注意点(ホコリ防止、温度管理)

長期的にモデルカーを保管する際には、温度管理やホコリの対策が非常に重要です。温度や湿度の変動が大きい環境では、モデルカーのパーツが劣化する可能性が高くなります。

  • ホコリ防止: 密閉性の高いケースに保管することで、ホコリの付着を防げますが、もしケースがない場合は、柔らかい布やカバーを使って覆うと良いでしょう。また、定期的にケース内の空気を入れ替えたり、掃除を行うことで、ホコリの蓄積を防ぎます。

  • 温度管理: 極端な高温や低温は、モデルカーに悪影響を与えます。特に高温は塗装の剥離やプラスチックパーツの変形を引き起こすことがあり、低温ではゴム製タイヤが硬化してひび割れることがあります。室温を20~25度に保ち、急激な温度変化がない環境に保管することが大切です。

  • タイヤ溶けの防止: ミニカーのタイヤ部分が溶けて台座とくっついてしまう現象は、主に温度管理と素材の化学反応に起因しています。長期間高温にさらされると、特にゴム製のタイヤは柔らかくなり、台座や保管ケースの素材と化学的に反応してくっつくことがあります。また、ミニカーの台座がプラスチックで作られている場合、タイヤと台座の素材同士が化学反応を起こし、粘着性が出てしまうことがあります。特に、PVC(ポリ塩化ビニル)やその他のプラスチックが使われている場合、この現象が起こりやすくなります。特に昔のモデルになる程、気づいたらタイヤが溶けて台座とくっついてしまった… などが良くあります。防ぐためにはタイヤと材だを密着させず、ワッシャーなどを間に噛ませて少し浮いた状態で台座に固定すると良いです。

大好きな一台だったのですが久しぶりに見ると溶けていました😂
こうして見るとデカールも少し黄ばんでいますね😂

暗室に置くだけでもまだ天敵が残っており、それは上記に記述した「温度と湿度」ですね。僕もかつては、暗室に置けばデカールの劣化や黄ばみが抑えられると思い、暗所に保管していましたが、それでも上記のように黄ばみやタイヤが溶けてしまいました。最近思うところはやはり、人間が普段快適に暮らしている環境下に近い場所、冷房や暖房を使っている部屋の押し入れの中や収納棚などが理想です。暗室だからといって屋根裏や車庫などに保管していると温度や湿気で簡単に劣化してしまうので注意が必要です。


まとめ

きちんとした手入れと保管の重要性

ミニカーをコレクションする上で、きちんとした手入れと適切な保管は非常に重要です。細部のパーツや美しい塗装を守るためには、日常的な取り扱いの丁寧さや、直射日光や湿度、温度の管理が欠かせません。これらの対策をしっかり行うことで、ミニカーの劣化を防ぎ、長期間にわたってその美しさと価値を保ちましょう。

長く美しく保つためのメンテナンスの習慣

また、ミニカーを長く美しく保つためには、定期的なメンテナンスが大切です。こまめに掃除を行い、状態を確認しながら手入れをする習慣を身につけることで、大切なコレクションをいつまでも楽しむことができるでしょう。


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