新年の挨拶と絵物語「代役」
新年が空けてしばらく経ちますが
今年は、創作に精を出していきたいと思いますので
よろしくお願い致します。
年賀はがきも、書かなくなりましたが
毎年、新年のテーマにしたイラストは描いています。
例によって今年も干支をテーマに描きました。
イラストだけのつもりでしたが
話が膨らんだの小さな物語にしました。
イラストと合わせて読んでいただけたらと思います。
「代役」
各地を巡回するサーカスの一団は
年明け初めての都心での公演行っていた。
当日は雪が降り足場がわるかったが
客席は景気付けにやってきた大勢のお客でいっぱいだった。
そんな中、開演間近になっても
火の輪潜り担当のホワイトタイガーが
姿を見せず、一団を取り仕切る団長は焦っていた。
この時期動物たちは冬眠の習性で遅刻することが多い。
状況をみかねたピエロのマックは
元同僚のシロクマに連絡した。
シロクマは以前サーカスでステージに立っていたが
引退し都心の動物園にいた。
あいにくの天気で動物園は閑散とし
暇を持て余していたようだ。
数十分後、シロクマが楽屋に飛び込んできた。
楽屋で休憩をしていたマックは
久しぶりの再会もつかの間
真っ白なシロクマの体を見て
雑多な楽屋の物置の中から
大道具の修繕用の筆と絵の具を持ってきた。
寅の干支の年に虎が見れないのは
お客さんに申し訳ないと思ったからだ。
マックは、筆を使いい白いシロクマの身体に
縞模様を施し、最後に鼻を赤く染めた。
これって、お客さんを騙しているのではないかと
シロクマはいぶかしく思いマックに問うと。
マックは、筆を走らせながら言った。
「これは、どちらかと言えば優しさだ。
シロクマだと分かったとしても
日輪くぐりをするシロクマを見れるのは
これとないよ。」
無事に、火の輪くぐりの演目が披露され
年初めのサーカスは無事終了した。
外は、まだ雪が降り続いていた。
テントを後にする観客の足取りは来る時よりも
洋々としているように見えた。
講演後の楽屋、マックとシロクマは
遅れてきたホワイトタイガーと一緒に
久しぶりの再会とサーカスの成功をお祝いした。
おわり
※あとがき
久しぶりに話を作ってみて
文章も面白いなと改めて感じました。
10年前の年賀状で何を描いていたか
引っ張入り出してきましたが、こちらで。
この時も、「踏切があがったら」というテーマで
踏切の縞模様の安全棒をトラの尻尾に見立てて
この時も、絵に合わせた短い話を作っていました。
年賀状だからと、干支をそのまま出すものか!
という、ひねくれた拘りがあるようです。
絵と文章、今年の創作のテーマかなと考えています。
ひっそりと、創作を進めて行きますが
よかったら、今年もよろしくお願いします。
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