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読書レビュー;「科学的な適職」鈴木祐⭐️私たちがキャリア選びに失敗する理由⭐️

皆さん、こんにちはー!!

本日は、ひこまるが読んでいて心に残った「キャリア選択」に関する本を紹介します!!☺️
よろしくお願いします!!


突然ですが、皆さんは「科学的」という言葉を、
肯定的に捉えますか?それとも、否定的に捉えますか??

人それぞれと思いますが、多くの人は肯定的に捉えるのではないでしょか。

科学的に証明されていると言われれば、たしかに説得力があり、
何かを判断する際の大きな材料になりますよね。

ひこまるも科学者の卵として、
自分が意見を発信する際は、科学的に裏付けられていることを言うように心がけています。


しかし、就活になると途端に「科学的」を意識することは難しくなります。

自己分析で「自分探し」をして、
でも、それが科学的な自己分析かなんて、よくわかりません。

自身のキャリアプランについて考えるために、様々な就活サイトや本で情報を集めたりしましたが、本によって全然違うことが書いてあったり、混乱した時期があります。

就活、結局よくわからない、、、

そんな悩みを持っている時に出会ったのが、
本日紹介する鈴木祐さんの「科学的な適職」です!!!

この著者は10万本の論文を読み、600人を超える海外の学者や専門家へのインタービューをしてきたサイエンスライターです。

そして、この本は4021の研究データから導き出された「適職の探し方」を書いた本です!

もうなんか、数字からして信頼できる感じがすごいですよね(笑)


私はこの本を読み、自身の就活に関して少し見直すことができました。

ひこまるが感じた、本書の素晴らしさを少しでも表現するために頑張ります!

忙しくて、こんなコラム読めない!」と言う方向けに、
以下に本書の要点をまとめます。

・適職を探す際、多くの人が参考にしてしまう幻想がある。
「好きを仕事に」や「業界から選ぶ」ことに執着し過ぎてはいけない。

・真に意識するべき事柄は「自由、達成、焦点、明確、多様、仲間、貢献」の7つであり、それらがどの程度保たれる職場なのかということに注意が必要である。

こんな人にオススメ

・これから就活を行なっていく人
・自分の今の仕事が適職なのか悩んでいる人
・仕事選びの新しい常識を知りたい人

よろしくお願いします!

科学的な適職とは

この本は科学的根拠に基づき、
「キャリア選択」と言う
正解のない悩みに答えを出す方法
を具体的に解説する本です。

キャリア選びの悩みは、非常に深刻な問題です。
36万人以上を対象にした厚労省の調査では、入社から3年以内に仕事を辞めた人の割合は30%を超えるようです。

もちろん、離職自体は悪いことではなく、自身を成長させるための転職や起業は批判されるべきではありません。

しかし、同調査により新入社員の7割が、実際の仕事と入社前のイメージに大きなギャップを感じていることを考えると、
適職を探すことに成功しているとは言えない状況です。

では、そもそも「適職」とは何なのでしょうか?

本書で定義する「適職」とは

あなたの幸福度が最大化される仕事(p.31)

です。

一般には、「自分の才能が発揮される職場」や「自分の好きなことを仕事にしよう」と言う意見があり、実際にひこまるも就活の軸にしていました。

しかし、この著者によれば、それは「適切な仕事選びではない」のです。

いかに憧れの会社に入ろうが、
才能を生かせる仕事を選ぼうが、
その結果不幸になってしまったらどうしようもありません。(p.31)

そりゃそうだ、、、
でも、他に何を基準にしたら良いか、わからないんだもん!!!!(←本書を31ページまで読んだ時のひこまるの感想)


本書では、科学的な適職を探すために、
「7つの大罪」と「7つの徳目」を述べております。

7つの大罪とは、仕事選びにおける「幻想」であり、今でも就活の常識のように語られる事柄です。

7つの徳目は、著者が提案する「科学的な適職」を見つけるための新しい就活の軸です。

<ステップ1>
幻想から目覚める〜仕事選びの7つの大罪〜

科学的な適職を探す上での7つの大罪(幻想)は以下に記述したものです。

大罪1:好きを仕事にする
大罪2:給料の多さで選ぶ
大罪3:業界や業種で選ぶ
大罪4:仕事の楽さで選ぶ
大罪5:性格テストで選ぶ
大罪6:直感で選ぶ
大罪7:適正に合った仕事を求める

どれも、就活では常識のように語られる言葉ばかりですよね。

なぜ、これらの「一見すると適職を探すためのアプローチ」が幻想なのでしょうか?

全て説明すると膨大な量になりますので、ここでは、ひこまるが印象に残った2つの項目について詳しく紹介します。

大罪1:好きを仕事にする

ひこまる的には、これが一番衝撃でした。

キャリア選択の本では、
「好きなことを仕事にすれば、情熱を注ぎ続けられるから、すごく良い」といった言葉をたくさん見てきたからです。

スティーブ・ジョブズが2005年にスタンフォード大学で行なった有名なスピーチもあります。

「たまらなく好きなことを見つけてください。(中略)仕事は人生において大きな一部であり、そこから深い満足感を得るためには心から最高だと信じられる仕事に就くしかありません。そして偉大な仕事をする唯一の方法は、自分の仕事を愛することです。もし好きなことがないなら探し続けてください。」

ひこまる自身、このスピーチを見てから、絶対に好きなことを仕事にしよう!と考えた一人です。


しかし、この言葉を安直に受け取らないで欲しいといいます。

スティーブ・ジョブズは本当に「好きを仕事に」していたか?(p.38)

実はジョブズはが本当に好きだったのは、「スピリチュアル」の分野なのです。

会社を辞めてインドへ修行の旅にも行っていました。

ジョブズが本当に好きなことを仕事に始めていたら、「思想家」になっていたのです。

しかし、エレクトロニクスにビジネスの匂いを感じて、アップル社を作り、そこから革命的な商品を出し続けていくのです。

後年のジョブズが自身の仕事を愛していたのは事実でしょうが、いきなり大好きなことを仕事にしたわけではありません。

同様の事例は多く、経験の少ない時の「好き」に固執すれば「ゴッホは聖職者」、「ココ・シャネルは売れない歌手」、「ナポレオンは無名の小説家」だったかもしれません。

また、好きを仕事にした人ほど、実際に仕事を始めた時にイメージとのギャップに苦しみ、モチベーションが大きく下がることもわかっています。

むしろ、大切な考え方は「努力をものすごくしたからこそ、仕事に情熱を注ぐことができる」と考えることができるかどうかです。

「やっていたら、仕事がどんどん好きになっていった!」と聞くと、自分で適切な職探しを放棄した受け身のような態度に思えます。
しかし、実際には「自分が努力すれば、どんな仕事でも情熱を持てる」という考え方で仕事に取り組むことが非常に大切なようです。

大罪3:業界や職種で選ぶ

これも同じくひこまるを混乱させたタイトルです(笑)

就活のサイトや本を読めば、必ずその業界の「今後の見通し」が載っています。

なぜ、「業界や職種で選ぶこと」が幻想なのかについては、理由が2つ述べられています。

1. 専門家ですら、有望な業界など予測できない
2. 人間は自分の個人的な興味の変化も予測できない

まず1番から説明します。

ペンシルバニア大学では、1984年から2003年にかけて学者・評論家・ジャーナリストなど248人の専門家を集めて3〜5年後の経済や企業の状況などを予想させました。

専門家の予想が正しいのかどうかを調べた研究としては、現段階で最も精度が高い内容です。

最終的に集まった28000超の予測データをまとめてみると、「専門家の予想はほぼ50%の確率でしか当たらない」と結論付けられました。

確率が50%とは、結局何も未来はわからないと言うことです。


では、世の中に多くある「10年後の世界はこうなる!」と言った本はどの程度信用できるのでしょうか?

結論は、「3年後の未来を専門家が見抜けないのだから10年後にどうやっているのかは、誰にもわからない」と言うものです。

ここからは、私の意見ですが、

そのような本を読んで心が動かされたら、
「こんな未来が来た場合に備えてしっかり行動を続けていこう!そして、もし他の未来がやってきた場合は、固執するのではなく、柔軟に姿勢を変えて、何度でもまた学んでいこう。」

そんな姿勢がこれからは求められるのではないかと考えました。


2つ目の自分のことが予想できないと言うのは、皆さんも経験でわかるのではないでしょうか?

ひこまるは、昔は漫画がすごく好きでしたが、今はほぼ読むことがなくなりました。
漫画家になっていたら、壮絶な人生だったと思います(笑)

「大好きなこと」というポイントのみで仕事を決定してしまうと、自分の興味が変わった時に、仕事に情熱を注げなくなってしまうのです。
固執し過ぎることなく、真に必要な軸で適職を探すことが重要なのです。

<ステップ2>
未来を広げる〜仕事の幸福度を決める7つの徳目〜

では、ここからは、仕事を決める際に基準とするべき軸について説明いたします。

本書では、「キャリア選択は視野を広げることから始まる」とあり、そのために基準とするべき7つの項目が以下です。

徳目1:自由
徳目2:達成
徳目3:焦点
徳目4:明確
徳目5:多様
徳目6:仲間
徳目7:貢献度

ここでも、私が特に心に残った2項目についてご説明します。

徳目1:自由

不自由な職場はタバコよりも体に悪い(p.104)

本書によれば、「自由」ほど仕事の幸せを左右する要素はありません。

自分の仕事について、
最初から最後まで、ず〜〜〜〜〜〜〜〜〜と細かく指示され続けたら確かに疲れちゃいますよね。

自分である程度決められる自由があることが幸福を感じるためには大切なのです。

ちなみに、男女で幸福になりやすい自由の種類に差が出ていることも研究でわかっています。

女性:仕事に取り組む場所とタイミングの自由が効く
男性:仕事の進め方と作業ベースの自由が効く

仕事を始める前に例えば女性であれば「フレックスタイムは導入されているのか?」や「在宅ワークのしやすさ」などを意識して就活することが必須となってきます。

もちろん、これには個人差があるので、どの自由が自分にとって一番大切かを考えていくことが必要になります。

「自由」とは「あったらいいな」レベルの問題ではなく、仕事の幸福度を決める根本的な要素です。適職を探す際は、「どこまで自分がボスでいられるか?」といった観点から仕事を選んでみてください。(p.108)

徳目7:貢献

2007年にシカゴ大学が約5万人の男女を集めて高い満足度を得やすい職業を調べました。

その結果、トップ5は「聖職者、理学療法士、消防士、教育関係、画家」でした。

職業はバラバラで、日々の作業も全く違う5つの仕事の共通点は、「人に貢献する仕事」であることです。

満足度の高い仕事は、「他人を気遣い、他人に新たな知見を与え、他人の人生を守る要素を持っているもの」である。(p.136)

もちろん、この世には人の役に全く立たない仕事などありませんが、貢献度の実感のしやすさは職種によります。
クライアントと直接関われる仕事や、ユーザーとの触れ合いの多い仕事は貢献度が高い傾向にあります。

ジョブクラフティング

長くなりましたので、最後に「ジョブクラフティング」について説明します。

ジョブクラフティングとは、「自分の仕事の価値観を見つめ直すこと」です。

本書に例が上がっていたので、以下に記述しました。

ある日、クリストファーは自身が設計を手掛けたセントポール大聖堂の建設現場を視察に訪れ、そこで働く作業員たちに「あなたはどんな仕事をしているのですか?」と尋ねて回った。
この問いに対して、ある男は「石を細かく切ってるのです。」と答え、二人目は「5シリングと2ペンス稼いでいるのです。」と言った。
しかし、三人目の男は全く違う答えを返してきた。「私は美しい大聖堂を作っているのです。」

先ほどの、「貢献」を考えると、どの男性が一番幸せに仕事をしているかは簡単にわかりますね。

このように同じ作業を行なっていても、考え方一つで、幸福度は変わってきます。
今、仕事をしている方は、自身の仕事の意義を考えてみるとモチベーションアップに繋がるかもしれません。

まとめ

いかがでしたか?

好きなことや業界の先行きを考えて仕事を選ぶことは、絶対悪ではありません。

しかし、それだけを基準にしてしまうと、自身の幸福度が下がってしまうのです。


この本には、実際に7つの徳目を知ってから、それを具体的に活用する方法等も書かれています。

全ては紹介し切れませんでしたので、ぜひ興味のある方は、実際に読んでみてください。

きっと、私と一緒で新しい発見をたくさんできると思います。

では、また明日、
次の記事で会いましょう☺️

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