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小松未歩旋風 ~swaying rather than blowing~
もともと事あるごとに小松未歩の名前を出してきたのですが
なにやらnoteの中だけでにわかに小松未歩旋風が巻き起こってる?
らしいので、私も便乗してみようと思います。
どうしようかな。
出会いは誰もと同じくコナンで謎からなんで特に語るべくもないし。
単純に好きな曲を3曲ほど挙げてみましょうか。
▶小松未歩の魅力
その前に、彼女の魅力を語ってみましょう。
声。
殆どの曲でオーバーダビングしてるので地声が見えなくミステリアス。
それがある意味他のアーティストにはない個性。
そこに感情移入の余地を多く残してると言えるのかもしれません。
歌詞。
基本49%後ろ向きで51%前向き。
なんだか地球とか巻き込んで壮大にしがち。
かと思えばそこから焦点の絞り具合が極端。ギャップで風邪ひきそう。
曲。
それまでしたことがないとか嘘やろと思うくらい。
でも時々早口になるのがその名残なのかな?
後期のほうが無理やりな譜割りが少ないので落ち着いた雰囲気ととれるかも。
……うーん月並みですね。うまく文字では語れません。
もう聴いて感じてとしか言えない。
そもそも音楽を文字で語るなんて無粋ですよね(←今更?)
総じて彼女の歌は、私は低温火傷と称しています。
じわっと、熱を感じない、むしろ少し暗く冷たく感じる曲調なのに
気がつくと深く爪痕が残っている、そんな感じ。
そうして今でも
こうして消えない彼女の魅力に取り憑かれているのでしょうね。
では
▶好きな曲
これも好きなアーティストほど難しいですよね。
その時の気分で変わってきます。
……この記事書こうと思って5日くらい経ってるんですが
ここで絞れきれず今日になりました。苦笑
『Love gone』
その中でもこの曲だけはずっと不動の一位。
単純に、"楽曲"として一番好きな曲です。
実はそれまではあくまで"好きなアーティストの一人"だったんですが
この曲を聴いて以降、彼女が特別な位置に付きました。
歌詞的には明らかな情景が歌われているので、
小松楽曲に発生しがちな"考察"は生まれにくいですかね。
世にも珍しい"ふる側"の曲となっています。
無情なコール? どこの女よ。
さよならと告げれば楽になれるの よね、わたしという枷がなくなるから
取り繕うだけじゃ(お互い)傷を増やすわ これ以上つきあうのは無駄!
さよならと告げれば(その)別の誰かと(愛せるわよね)
ならわたしがふってあげる
(わたし好きじゃないし。平気だもん、なんて)
誤解させたまま そのままでいいの。
かわいいなぁ。笑
わたしのあなたへの愛はどっか言っちゃったわ、
なんて強がる小松さん(の妄想)が見えます。
ただ、このショートVerのPVの印象と
2番の歌詞がバッサリと端折られていることにより
死別の曲のように聴こえるわけです。
こっちをフルバージョンで聞く前に最初に見たので
私的にはその解釈のほうが美しくて好きだなと。
それをふまえれば、強引にそっちへ持っていくことも可能。
無情なコール (訃報)
さよならと告げれば楽になれるの(はわたしの心)
(哀しみを)取り繕うだけじゃ(自分の)傷を増やすわ。
さよならと告げれば 別の誰かと(きっと愛せるはず)
ならわたしがふってあげる
(わたしが立ち直れたと)誤解させたまま そのままでいいの
こうすると遅すぎた告白というのがかなり切なくなります。
愛するひとはどこかへ逝ってしまった。
ハラハラ舞う雪はあなたの欠片。
初めてのキスさえも白く染めて忘却へと導いてくれようとする。
まぁきっとこのまま出口見えなくなるくらい深く愛していたのだろうけど。
その事は実は自覚しているけど、強がってる。
結局かわいいなぁ。(私の妄想上の)小松さん。
あとはもう単純に冬の曲が好き。
雪を題材にすると名曲しかない説。
雪月花、最強でしょ。
また小松の声と冬の憂いが似合うのよ。
このコンボは反則です。2回目だから死にました。(?)
『No time to fall』
正直それまでポップな曲を歌う人、というイメージだったので
3rdアルバムで感じた違和はなかなか強烈でした。
確かに2ndでも『静けさの後』で「首をへし折ってやる 覚えとけ」と
耳あたりの強い言葉が出てくるけど、
曲は底抜けに明るかったりしますし。
(軟派野郎に振り回されまいと口答えする屈指のツンデレソング)
『涙』という曲ではなんもそんな卑屈にならんでも、
と思ったりしたのですが曲はまだポップさを保ってます。
『Deep Emotion』は悲しい曲かもしれませんが
どちらかといえば死して尚あなたを見守っていますという
暖かさを感じる曲です。
ところがこの曲はただひたすら暗い。
まずどこがサビなのか。ポップさの欠片もありません。
「いっそ殺して」と聴こえて耳も疑います。
そこで気になって歌詞を読み解こうとします。
するとこれまでの曲も
ちょいちょい引っかかる表現があったことに気が付きました。
つまり小松未歩の歌詞をちゃんと読もう、と意識づいた曲ですね。
そして当初は、まぁアルバムの中にこういう曲があってもいいか、
程度に思っていたのですが
4thに収録される3枚のシングルがどれも暗い。
あ、小松未歩の本質ってこっちなんだ!
と(実際はどうとかは置いといて)一気に興味を惹かれるわけです。
もうね、そんなわけでV系大好きな私は3rdと4thが特別好きなのですよ。
スピッツで歌詞考察を楽しんでる人は是非小松未歩もお試しあれ。
ちなみに「追い」ってなんやねんって思うかもですが
ただの誤植で「追う」って歌ってます。
『雨が降る度に』
というわけでちょっと選曲してる時期が偏ってますが
迷った末に選んだのはこちら。
一応この曲が3rdアルバムのリード曲という位置づけなのかしら。
あったかい小松未歩。
実際一番多い方向性がこういう曲調かな?
こんなだから低温火傷を引き起こすんです。ぷんすこ
当然シンガーソングライターなので
これまで様々なシチュエーションを歌ってきてますが
どのプレイリストで色んな主人公を流した後でも
この曲を最後に置くことできれいに収まる
最高の幕引きソングだと思ってます。
4/4の季節はゆっくり過ぎてく
スクリーンに映る影は ときに私だったり
もうこんなことで幸せ なんとなく幸せ
10年先も変わらず 君とね いたいな
流れ落ちる水のように 愛を交わせるように
どうぞ側で
小松未歩の押し付けがましくない歌詞が好き。
タイトルに冠してるけど実際雨は降ってない解釈で
世界は美しくなんかない。そしてそれ故に、美しいとでも言いたそうです。(※これはとある小説のキャッチコピー)
この曲は歌詞もなんですがサウンドが心地よくてですね。
なんだかちょっとだけケルトの匂いも感じる編曲がおもしろくて
詳しくその辺りを紐解いてみたい楽曲です。
全部が全部そうじゃないんですが、ビーイングの楽曲って
こういう異国情緒が薄ーく馴染ませてあるのが好きなんですよねぇ。
(GARNET CROW、rumania montevideo、the★tambourinesあたりが顕著。
織田哲郎もそういうの好きですよね。彼はもっとガッツリ色出しますが)
▶Afterword -小さな松は歩かない-
この記事は品川みくさんに影響されて執筆されております。
花の砂時計さんも新鋭の小松遣い
南葦ミトさんが一番古株?でしょうか。
というわけで中期小松未歩を紹介してみました。
ベスト以降音沙汰が無いのが寂しいですが
8枚もアルバムを残してることを考えれば十分過ぎるのかなとも思います。
いやもっと語りたいことはありますよ。笑
初期でいえば、例えば『謎』の解釈。
"君"は蘭姉ちゃんに向けて、小松さんが彼女に感情移入してて
"あなた"は視聴者からみた【名探偵コナン】かな、とか。
(根拠は『渇いた叫び』の歌詞が裏遊戯に準じまくってること)
中期でいえば、例えば『さいごの砦』。
結婚式場を最後の砦(マリオ的な意味で)って称するの面白すぎ、とか。
この曲って『この街で君と暮らしたい』のアンサーソングぽくない?とか。
後期で言えば(中期も含めてだけど)
なんか恋心に見せかけた長戸大幸さんへのメッセージ多くない?とか。
(もしくはそういう感情を抱いていたという邪推な憶測。華原朋美的な)
普遍的な如何様にも解釈できそうな歌詞も
考察厨の琴線を撫でてくれます。
なによりも、容姿も声も活動全てがミステリアス。
ジャケ写が本人かどうかも正直わからないわけです。
その偶像的魅力が、
こうして長年愛する方が存在する要因なのかなと思います。
最後に。
小松未歩を特別好きになったのは上記のとおりですが
彼女の曲に惹かれたきっかけは紛れもなくDEENとFIELD OF VIEWです。
好きになる曲がピンポイントで彼女作曲でした。
つまりここでも「邦楽は作曲家で聴け!」と提唱したくなるわけですね。笑
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