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小松未歩のどこが好きなのかと訊かれたら

昨年はサブスク解禁があって
15年以上ぶりに小松未歩にトピックがあった一年でした。

それとは関係なく始まった「小松未歩の曲で一時間語ろう」ラジオも
来月で一周年を迎えるということで
まさに一番小松未歩の楽曲と向き合った一年となりました。

そんな折、
昨年末にこの小松未歩好きが集まったコミュニティで
改めて「小松未歩のどこで好きになりましたか?」と
若いメンバーから訊かれたので、改めてここに表明したいと思います。


やっぱり一番は歌詞

日本人は
実はあんまり歌詞まで噛み砕いて楽曲を聴いている人は少ないです。

私はこれを実感としてずっと抱いている感覚です。
純粋に楽曲、
つまりオケやメロディで音楽を好きになっている人がほとんどです。

それをタイアップや有線で聴き及んで好きになるひとが増え流行る、
という構図なのは、CDの時代もサブスクの時代でも変わらない価値観です。

なんなら、それすらどうでもよくて
"誰がそれを歌っているか"でしか聴いてない人も大勢いるはずです。
好きなアーティストの同好同士で集まっても
本人もしくはメンバーの話でしか会話が成立しないパターンも
数多く会ってきました。
まぁそれはまた別の話なので置いておきます。


実際こうして小松未歩ラジオを有志で開催しておりますが
ここまで歌詞を読んだことはなかった
という方がたくさんいらっしゃいました。

しかし、オケやメロディというのは音楽理論というものが存在し
ある程度決まった自由度の中で
聴き心地の良い範囲というのは決まっています。

本当に自由度が高いのは、歌詞。

人間である以上、特に日本では教育というものが行き届いているので
言葉というものは必ず習得している技術であるわけです。
いうなれば誰にでもできる作業。
そのメロディにどんな言葉を乗せるのか、
まさに個性の見せ所だと思いませんか?

もちろん汎用性の高い言葉というものは存在します。
「愛してる」「悲しい」「輝いて」「空」とか、
入ってない曲を探すほうが難しい。

また、邦楽にはラブソングが氾濫してるわけですから
そこにどれだけ自分を投影できるか。
そこが「歌詞を好きになる」という原動力になり
私は殊更それを重視する傾向にあるわけです。

メロディだけでは、「好き!」と思うことがあっても
「思い入れ」までには発展しないのです。

そして、もちろんその逆も然りで
例えば、男性器とか排泄物とかの名称が歌詞に含まれているだけで
どんな名曲でもクソ曲になると思いませんか?(←言葉が悪い)

なので、"歌詞を重視する"ことは、
私にとってもっとも着目する点なのです。


小松未歩の歌詞の特徴

では、小松未歩が描く歌詞世界というものはどういうものなのか。
それは、恋愛と夢を天秤にかけて、結局夢の方を選ぶ、ということ。

もちろん約150曲あるのですべてが全てそういうわけではないのですが
これが恋愛に興味の薄い私には刺さる刺さる。

普通、ラブソングでも失恋曲の内容は
成就しなくて悲しい、切ない、ワタシかわいそう、という
受動的な表現が多いのですが

彼女の描くストーリーは、割と別れてしまう前から
そうなることを予期して受け入れている場面が多いと感じるのです

もちろんこれは歌詞の解釈の仕方にもよるのですが
歌詞解釈にはその人の人生経験が色濃く反映されると思っているので
私の価値観に合うように都合よく解釈しているというのは否めません。

それを差し引いても、
つまりそう思わせてくれる表現が多い、ということに尽きます。

一人で街を歩き 一人で涙流した
繋ぎ止めておくほど 愛してなかったと

No time to fall

さよならと告げれば楽になれるの
なら私がふってあげる

Love gone

そもそも明るい曲を歌うアーティストよりは
悲しい曲を歌うアーティストのほうが少ないです。

まぁ古くからはヴィジュアル系、
そして昨今はボカロ系では
むしろそういう曲のほうが支持されている背景もあるのですが
いうなれば、それをJ-popでやっているのが面白いのです。

アンダーグラウンドにいけばそれはもう大量にいますよ。
でも彼女が身をおいていたのは明らかに大メジャーフィールド。

なんとなく待遇や境遇に対する不満もありそうだな……
というのが滲み出ている言葉選びも秀逸ですね。
想像の余地がある、というのは人の興味を惹きつけてやみません。

もちろん他にもいますよ。
相川七瀬は流行りのアーティストのアンチテーゼとして
作り込まれたシンガーですし
the brilliant green等バンドとなるとそういう表現は普通でしたし
昨今でも家入レオなんかが相当します。


もれなく好きなアーティストで、やはり楽曲もさることながら
歌詞で"好き"から"特別好き"になっている感覚があります。

よって、そのときも答えましたが
「歌詞が好き」、これが小松未歩を特別好きな理由です。


その中でも、一番好きな歌詞は『I~誰か…』です。


歌声、そして付随するダブルトラック

小松未歩の唯一無二の特徴として
ほぼすべての歌唱がダブルトラック
二つ以上の歌声を重ねているというのがあります。

コーラスを重ねるのは当たり前ですがそうではなく
まったく同じ音階を重ねているのです。

これが歌声のアタック……インパクトとでもいいましょうか
それを下げることによって抑揚を抑えたように聴こえるわけです。

B'zとかMr.Childrenと真逆の方向といえば伝わりやすいでしょうか。
エモーショナル、とはまったく逆の印象で
それがミステリアスさを醸して歌い手のパーソナルを感じさせず
歌詞へ介入させてくれる余白を残してくれているのです。

これが歌詞重視の私としては没頭できる要因!
自分の色をそこに滲ませてくれる効果がここにはあるのです。

また、明るい曲を歌唱しても、断熱されてしまい
むしろちょっと切なく聴こえるという
不思議な聴き心地を実現させています。

突けきらない明るさ。
それがそんなにポジティブではない思考回路に
優しくフィットしてくれる
のです。

これが該当するアーティストはさすがに多くないです。
パッと思いつくのはMy Little Loverとか。

二人以上のデュオとかなると思いつくんですけどね。
ClariSとか似たような聴き心地ではないでしょうか。

普通はJAM PROJECTとかジャニーズみたく
迫力を増幅するために重ねますからね。


もちろん楽曲自体

こちらは特別様々なジャンルを網羅してるとかはなく
すべてJ-popの範疇で収まる音楽性をしていると思います。
歌詞は個性的ですが楽曲に関しては大衆向け。
そんなに「小松未歩にしか書けない!」と思うようなことはないです。
(↑ファンの人ごめん)

強いて言うなら、
鼻歌で作曲するとかフレーズから組み立てるとかではなく
完全に鍵盤から作曲してるだろうなと感じる譜割りで、
ちょっと歌いにくいフレーズもそのまま採用してるなという印象。

ボーカロイドっぽいといえば伝わる人が多いでしょうか。
BPMはそんなに高くないですけどね。

曲として一番好きなのは『Love gone』です。


ビジュアルもなんだかんだで

今となってはジャケットも本当に本人なのかという疑問さえ出てきますが
(実際そういう噂もありますが)
まぁカメラ目線はぜんぜんないことから、
逆に本人じゃないかなと思ってる派です。

ジャケットの小松未歩さん、かわいいですよね。
いじらしいというか控えめというか、
シリアスなミステリアスさだけを表現した表情とか最高です。

一番好きなジャケットは『愛してる…』ですかね。

PVとか服装で好きなのは『I~誰か…』や『恋になれ』なんですが。


Afterword

というわけで年末のオンライン忘年会@小松未歩同好会で出た話題から
詳細を綴ってみました。
やっぱり口頭だとあまり真意までは伝えられた自信がなかったので
改めて文章にしてみた次第です。

私以外が「小松未歩が一番好きなアーティスト」だと思ってるので
ちょっとこの場にいるのは忍びないんですけどね。
私の一番は今でもJanneDaArcです。苦笑

過去にも何度かこの辺りは語っているので
よかったらそちらも併せてお読みくださいませ。

ではまた明日更新します。よしなに。


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えいちびぃ
最後まで長文お読みいただき誠にありがとうございました。 つっこみどころを残してあるはずなので 些細なことでもコメント残してくれると嬉しいです!