20代は飛躍のための土台づくり
40歳の今にして思うことは、20代の時はとにかく慢性的な金欠病で、「あれもほしい、これもほしい」と、物欲に旺盛だったことを思い出します。当時はSNSも普及しておらず、副業や投資をするプラットフォームも定まっていない、収入源は勤務する会社からの月給に頼る状態が一般的でした。
現在は云わずもがな、収入源の複数化が簡単にできる世の中となり、YouTuberやインフルエンサーなど、年齢性別を問わず誰でも稼げる時代ですよね。
お金を稼ぐための障壁が取り払われた分、普通の勤め人が何十年と掛けて得る収入額を一瞬で稼ぎだす学生や、米国で話題のロビンフッターのように、株価暴騰の恩恵にあやかり一夜のうちに大金を得た失業者など、こつこつ働いて地道に資産を積み上げるプロセスをすっ飛ばした事例があちこちで見られます。
一見すると夢がある話のように聞こえますが、この潮流の怖いところは「こつこつ働くなんてバカバカしい」「楽して稼ぎたい」というマインドを持った若者が増殖することです。
まずは稼ぐ力を養おう
学生や社会人デビュー間もない若者が、これまでの常識を打ち破って自力で大金を稼ぎだせる現代は、とても素晴らしいことだと思います。問題は、その事象に再現性があるのか、一過性のものではなく本当の意味で稼ぐ力が身に付いているのか、これに尽きると思います。
40歳の僕たちは「こつこつ働いて地道に収入を増やす」ことが美徳とされた最後の世代?なので、現在はそれなりの収入と資産を持ち合わせています。その労働で得た対価を自己投資に回し、数々の手痛い失敗を重ねて学習し、現在の生活基盤を保っています。
若い人たちに忘れてほしくないのは、ラッキーパンチで得た収入、増減の激しい広告収入、投機案件に乗っかる便乗収入など、これらを「収入のベース」と位置づけないことです。
若いうちはがむしゃらに働き、雇われる身であれば経営者や年長者からたくさん学び、必要であれば資格を取り、有益な文献に触れる機会をつくる。その努力の差は30代になる頃、著しい収入格差として顕在化します。
ライフワークバランスという甘い果実
昨今は働き方改革の大号令の下、ライフワークバランスの最適化が進んでいます。日本の場合、従来がメンバーシップ採用であるため、欧米のように契約に基づく雇用(ジョブディスクリプション)と異なり、非常に相性が悪い改革となります。
若い人の中には、ライフワークバランスを「仕事と遊びの充実」と捉え、どちらかといえば遊びの部分に比重を置いてしまい、労働対価に見合わない低パフォーマンスに終始するタイプがいます。
今回のコロナ禍により、一気に欧米型雇用(ジョブ型)が加速すると思われますが、ライフワークバランスという文言を額面通りに受け止め、自己研鑽を疎かにしていると、30代を迎える頃には厳しい現実に直面することになります。
滅私奉公体験は20代まで
滅私奉公なんて江戸時代か!と突っ込まれるかもしれませんが、20代であればこそ、己を滅して身を粉にして組織や尊敬する人のために働いてみるのも、悪い経験ではありません。
そこで勝ちとった信頼や経験値、がむしゃらに働いて得た成功体験は何事にも代えがたいものです。
纏めると、20代はとにかく自己研鑽を積み、30代で飛躍するための土台づくりに励むこと。これに尽きると思います。マスメディアの囃し立てる働き方改革の曲解に惑わされることなく、自分の頭で考えて充実した20代を突き進んで頂ければと思います。
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