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エッセイ 18 新品8万の折りたたみ自転車の中古を、3万ちょっとで手に入れたら、追加でたくさんお金がかかったという話

折りたたみ自転車を手に入れました。

性能と見た目と値段が気に入った、個人売買での一台です。

以前クロスバイクに乗り始めた頃、このようなエッセイを書いたことがあります。

このエッセイの最後の言葉には、クロスバイクからロードバイクという通常の進化ではなく、他のジャンルの自転車に手を出してしまうのでは?などと書いていました。
その通りになってしまったようです。

かかった金額が気になる方は、目次の「かかった金額は」へ飛んでご確認ください。


自転車が届いたよ

営業所止めにした宅配便の荷物が、届きました。ワクワクしながら受け取りに行きます。

ほどほどの大きさのダンボールに納められた荷物は、持ち上げてみると想像以上に軽く感じました。
さっそく車の後ろに載せ走り始めます。
行き先はいつも通っているサウナ施設です。

そこの駐車場から、付近をグルグル走ったあと、サウナにゴーッ!!と素敵な計画を立てたのです。

ギア変わんないっ!

サウナ施設の駐車場に着くと、周りにはなぜかほとんど車がありません。併設されているグラウンドゴルフの利用者さん達の姿が見える程度です。

サウナ。。。  定休日でした。
まぁよいよい 私の心は自転車にあります。

丁寧に梱包されたダンボールを、ていねいに開けていきます。

中から出てきた、鮮やかなピンク色に心躍ります。
箱から出した折りたたまれている状態から組み立てていきます。

購入を決めたときから、ユーチューブなどで自転車の折りたたみ方や、組み立て方の動画を見て予習しています。しかし、実際やってみるとやはり手間取るものです。
ゆっくりとやり直しながらもなんとか組み上がりました。

こんな自転車です。

まずは、出来上がった自転車を見て、「いいねぇ」やら「結構デカいな」など嬉しそうにひとりつぶやきます。

自転車にまたがり、サドルに腰掛けます。

初めて乗る自転車です。
座り心地も、ハンドルの握り心地も、ペダルの踏み心地も、全てが新鮮な感覚です。

ペダルを漕ぎ、前に進んでみます。
タイヤは20インチです。これまで乗っている自転車に比べると随分小さいため、多少の不安定感を覚えます。
ハンドルを曲げた際に、反応のクイックさを感じます。

ただ、初めての感覚は楽しいものです。

広い駐車場に他の車はほとんどありません。
スピードを出してみます。
ギアを変えるために、右のハンドルに付いているグリップシフトを回してみます。
明らかに固いです。スムーズに回りません。
足元のギアからもカリカリ、カチャカチャと物事が上手く運んでいないような音が聞こえます。

多少の冷や汗感を覚えます。

いやいや、それでも「大丈夫っしょ」と正常性バイアスを働かせます。

ギアに不都合さを感じつつも、サウナ施設から外へと走り出しました。
坂を下り、付近の田んぼ道を一周グルッと回ります。

天気の良い青空の下、おニュー(中古ですが)の自転車で走ることはとても気持ちが良いです。

グリップシフトの重さと、ギアの入りにくさに目をつむっている自分がいます。
まぁ、今は、楽しみましょう。

自転車屋さんへ

サウナ施設の周りを2キロ程度グルっと回ったあとに、車の元へ戻ってきました。
自転車から降り、落ち着いて今の状況を振り返ってみると。

さて。どうしたもんか

  • ギアが変わらないのはどこが悪いのか?

  • シフトが硬いのは壊れているのか?それとも設定がズレているのか?

  • そもそもギアの変わる仕組みはどうなっているのか?

  • これはやはりどこか壊れているのか?

  • 購入前の説明にギアの不都合の説明はあったっけ?

  • 返品は出来るのか?その時の費用は?方法は?

  • 自分で直せるものなのか?

  • 部品交換が必要なのか?

などなどいろいろな思いを持ちながらも、今自分ができることで一番楽しそうなものを選んでいきます。

せっかくワクワクの内に手に入れた自転車に不都合が出てしまっている状況が、悲しいものであるのは間違いないのですが、なんとか前向きにとらえる方法を探していきます。

自転車整備の知識のない自分が考えついたものは、「ギア調整で直るのなら直したい」でした。

しかし、自分の知識ではギア調整は出来ません。
これまでも、ある程度は自分でメンテナンスをしてはいますが、パンク修理、タイヤ交換、ハンドル交換、ブレーキパッド交換、ブレーキワイヤー交換程度です。
ギア調整は難しそうで手を付けたことがありませんでした。

スマホを手に取り、自転車屋さんを探します。さいわい全国展開の大きな自転車屋さんが近くに見つかりました。電話で聞いてみると、ギア調整は1000円もしないようです。

慣れない手付きで自転車を折りたたみ、車の中に収め、自転車屋さんへ向かいます。

お店に着き、店員さんへギアの調整をお願いしたいと伝え、状況を説明します。

しっかりと自転車の状態を見てみないとはっきりとは言えないのですが、シフターと呼ばれるハンドルについているギアを変える装置がそのまま利用できれば、2、3000円程度
シフターを交換するのであれば5、6000円程度とのこと。

シフターは今ついているハンドルのグリップをグルグル回すタイプではなく、親指と人差し指でレバーを押して変えるタイプのほうが私の好みでもあります。この機会に変更できるのであれば、交換することに抵抗はありませんでした。

簡単な調整で直るのであれば、夕方頃に完成し、他の整備も必要であれば、また相談してから。という説明を受けました。
本日中にまた連絡を入れます。とのことで、自転車を預けました。

自転車屋さんからの電話

夕方に自転車屋さんからの電話が鳴りました。作業した内容と状況の説明です。
とても丁寧に説明をしていただけました。

内容は、

  • シフターは利用できそうであったので交換はしていない

  • シフトワイヤーを交換したので、今回の代金は3000円

  • 調整を行ったがフロントギアからチェーンが外れる

  • 外側のギアは使用せず中間あたりのギアで走るのならこのままでも乗れる

  • この状況から判断すると、修理するなら大掛かりな部品交換が必要であり、費用は5、6万円(変える必要のある部品名を提示していただいたのですが、私に部品名の知識がないため覚えていません。なんとなく前と後ろのギアだったかと思います)

話の途中に、調子の悪くなったのはいつからでしょうか?
などの質問に対し、個人売買で今日手元に来たので、その辺りはわかりませんと伝えました。

もちろん機械に不都合があった場合、その故障の時期や原因を特定するのは問題解決に繋がる重要な情報です。質問された内容に問題はありません。

しかし、個人売買で手に入れたと伝えたその辺りから、話す雰囲気に変化がみられました。もちろん説明は丁寧にして頂けているのですが、時折でてくる半笑いは気になるものでした。

もちろん店員さんには、私を嘲(あざけ)るつもりなどはなく、せっかく手に入れた自転車に不都合があった私の気持ちや状況を思って、不憫がるものであったり、気持ちを楽に深刻にならないための「笑い」であったのかもしれません。

不都合のある品物というのは、自転車の個人売買でのトラブルとしては、よくあることなのかもしれません。

ただ、この辺は、相手の声のトーン、話しの言い回しなど、さまざまな要素を総合的に判断して、感じたものが自分にとっての受け止めとなっていました。

説明を聞いてテンションの下がっている私には、相手に合わせるように「ははは。そんな状態の自転車なのですね。困ったなぁ」などと振る舞う余裕などはありませんでした。

自分で直すぞ

翌日の夕方に自転車を引き取りに自転車屋さんへ行きました。

電話での説明を受けたあと、えらい品物を掴んでしまった。という気持ちも湧いてきました。
しっかりと直すのであれば、5万以上かかるとのこと。車体の購入費と合わせたら余裕で新品も買えてしまう値段となります。

しかし、気に入った形と色と、すでに一度乗っているので、その乗り心地の楽しさも加わっています。
情が生まれたともいうのでしょうか。
購入したこと、手に入れたことを後悔する気持ちはありませんでした。
それより、自分で直してみたいとワクワクしはじめている自分を感じていました。

この機会に、変速機とギア周りの仕組みと整備方法を知りたい。

早速ネット検索やユーチューブで自転車整備を調べ始めます。
明日、自転車屋さんへ受け取りに行く時に、ある程度の知識を持ったうえで、説明を聞きたい。そして自分で治すための疑問点を質問して聞いてみたい。と。

今回はシフトワイヤーを交換してもらっているので、代金は3000円なのですが、その3000円をお店の整備士さんに質問できる代金と捉えていました。そう考えるととてもお安く感じます。

その日の夜にユーチューブから手に入れた知識は

  • 変速はディレイラーという機械で行なっている

  • 変速が調子悪くなるのは、転倒などによりディレイラーを固定しているディレイラーハンガーが曲がっていることによるものが多い

  • ディレイラーの調整はいくつかのネジで行なっていて、多少難しそう

この程度ですが、充分です。

翌日に自転車屋さんへ向かいます。

説明を受けたよ

夕方に自転車屋さんへ行き、昨日ぶりの自転車に再会しました。
やはり可愛らしい(かっこいい)

昨日電話で話した店員さんは居らず他の方に対応していただきました。
自分で整備したわけではないので、整備記録書を見て分かる範囲で、ということで説明をしていただけました。

聞いた限りの状態はとても悪いようです。
後輪をメンテナンススタンドに載せ、手でペダルを回しながらシフトを変えると、8枚あるギアの半分ほどしか移動しません。
何度かギアを変える際に、フロントギアからチェーンが外れます

状況を理解しつつ、私の頭の中では、どうすれば直せるのか?を考えています。

まずは交換が必要なもの、そのまま使えるものを選別していきます。この判断は自転車整備素人の私にはわかりません。

昨日の電話で聞いていた話の通り、しっかり直すのであれば、大掛かりな交換が必要とのこと。
後ろの8枚のギアと前の大きなギアと、その周辺を総取っ替え。それでも直るのかは不明であるとのこと。

再度、多少の冷や汗感を感じつつも、私の見た目にはギアが悪いようには見えていませんでした。もちろん素人ですので、眼の前の整備士さんの言う事のほうが正しいのはわかっています。

しつこく質問をしてみます。
「回している時、ギアにブレやガタがあったりするのでしょうか?」
と聞きながら、ふたりで回っているギアの正面や側面から確認してみます。
ブレてるようには見えないのですが」
私が言うと
「そうなんですよね。前のギアからチェーンが外れるというのは、チェーンは後ろのギアから流れてくるので、ディレイラーなどは関係なく、ギア同士のネジレがあるのかと」

「フレームに歪みがあるのですか?」
再度聞いてみます。
「見た目は、そんなこともないのですが、よくわかりません。もともとトップやローのギアの場合、多少斜めになるものではありますが、ただ、前のギアが外れるのは良いことではないです」

私が納得するまで話に付き合っていただける様子でしたが、3000円程度であまり長く質問するのも申し訳なく、会計をお願いしました。

レジ横に簡易的な整備場所があり、壁際に工具がたくさん置いてありました。会計を待つ間、その工具の中にディレイラーハンガーの修正工具が無いかを探してみました。
今回していただいた整備の中で、ディレイラーハンガーが曲がっていたのか?修正したのかが少し気になったのです。
探したかぎり見当たりませんでした。

会計はなぜか4000円でした。質問代も加算されたのでしょうか。しかし全く問題はありません。素人の質問にお付き合いありがとうございました。

かかった金額は

ここから整備の話が長くなりますので、先に今回かかった金額を書いておきます。

DAHONのホライズという中古自転車
33,500円(新品だと8万くらいかと)
自転車屋さんでのシフトワイヤー交換
4,000円
メンテナンススタンド
1,339円
ディレイラーハンガー修正工具
3,390円
シフティングレバー
2,529円
リアディレイラー
2,654円
チェーン
1,299円
チェーン工具
1,537円

合計 50,248円

修理を始めるよ

自転車屋さんで聞いた情報と、ユーチューブでの知識から、何から手を付けていこうか決めていきます。

ディレイラー自体は使えるのでは?という期待を持って、ディレイラーハンガーが曲がっているだけでは?という予想(希望)をたてました。
ディレイラーハンガーというのは、次の画像のシルバーの部品です。この下のネジ穴にディレイラーを固定しています。

ディレイラーハンガーを直すのであれば、自転車屋さんの工具置き場でも探していた、ディレイラーハンガーの修正工具が必要となります。

3,390円

そして、ギアを変えるためのシフターを、グリップシフトから、指で押して変えるタイプのシフティングレバーに変更します。
自転車屋さんは、シフターは使えるとの話ではありましたが、なんとなく怪しい感じはしています。私の好みの指で押すタイプに変わるので問題ありません。

2,529円

自転車の整備をするのであれば、自転車屋さんでも見た、メンテナンススタンドは必要となります。これで自転車を真っ直ぐ立たせてペダルを回すことが出来ます。

1,339円

これらの道具をAmazonで見て回ります。

注文を済ませ、到着を待ちます。

メンテナンススタンドとシフティングレバーが届きました。
早速今ついているグリップシフトと取り替えます。
メンテナンススタンドを初めて使用しましたが、うまく乗るものですね。なんとなく見た目もかっこよくなり、整備してるぞ!な気分になります。

シフトワイヤーを緩め、ハンドルからグリップシフトを取り外します。
なんとか外すことができ、ワイヤーの付いていないフリーの状態で、シフトをグリグリ回してみます。
2〜4速の間しか回りません。多少力任せに回してみると1と5、6辺りまでは動くような感じです。(ギアは8速まであります)

「シフトは使えるようですので」と自転車屋さんは言っていたような。
このシフトは、素人の私でも「使えないもの」と判断するような状態です。
なぜこれを使えると判断し、新品のワイヤーを組み込んだのか、理由を知りたいです。(理由はおそらくあるはずです)

しかし、これは逆に、新しいシフトに取り替えればしっかり動くのでは?という期待が膨らんできました。

新しいシフティングレバーには、ワイヤーも付属していました。これまでのグリップシフトについているワイヤーは、自転車屋さんで取り替えてもらった新品なので、丁寧に外し、いつか使うときのために綺麗に丸めて保管しておきます。

自転車のシフトの仕組みを頭の中で確認しながらハンドルに取り付け、ワイヤーも通します。動作しているイメージをしながら組み立てるのは、ミスを少なくする方法としていつも意識している作業方法です。

うまく組み立てたあと、ここからが大変です。ディレイラー調整です。ユーチューブで確認した手順を思い出しながら試してみます。

後ろからディレイラーのガイドプーリーを見てみると、歯車に対して少し斜めに傾いているように感じます。
これは、ディレイラーハンガーが曲がっているのか、ディレイラー自体が変形しているのか、今の段階では判断できません。ディレイラーハンガー修正工具が届いてから確認します。

ペダルを回してみると、それでもチェーンはスムーズに動いてくれているため、そのまま作業は続けます。

とりあえず、1速から8速までの可動域と、1速ごとの動きをスムーズにするストローク調整を行いました。
ペダルを回してギアを変えてみると、とりあえず8速全て動きます。それだけでもとてもうれしいです。

しかし、何度かギアを変えていると、フロントのギアからチェーンが外れてしまいます。
微妙な調整を繰り返しながら、できる限り外れにくい場所を見つけ、これで一旦終了です。

ディレイラーハンガーの修正工具が届いてから、このディレイラーが使えるものかどうかを判断しようと思います。
ディレイラーハンガーのみを直して、ガイドプーリーが歯車に対して真っ直ぐになれば、このディレイラーは使えるということになるかと思います。

走ってみたよ

まだ完全には直っていない状態ではあるのですが、前のギアからチェーンが外れる原因を見つけるきっかけになるのではと、翌日の仕事終わりに堤防沿いの道へ自転車を持ち込み走りに行きました

少し先の橋まで行き、戻ってくる行程、距離は5キロちょいです。
8速全ての変速は結構スムーズに動き、快適に走ることができました。折りたたみ自転車でもなかなかのスピードが出るようです。気持ちよく走っている中、ギアチェンジをした瞬間にペダルを回す足が軽くなりました。チェーンが外れたようです

外れた瞬間に何をしていたのか。など、チェーンが外れる原因を探っていきます。
シフトを連続してカチャカチャと2段変えた場合にチェーンが外れたみたい、という確認で、その日は終えました。

そこから2日、ディレイラーハンガー修正工具が届かなかったため、作業は進まなかったのですが、シフトレバーからディレイラーに繋がるワイヤーを外したり繋げたりしながら、調整整備の理解を深めていました。

こういった動力を使わない機械の仕組みを知ることは、とても楽しいものです。

整備が楽しくなってきたよ

ディレイラーハンガー修正工具が届きました。

今回この修理をしはじめ、いろいろ調べるまではディレイラーハンガーというもの自体を知らないものでした。この部品は自身が曲がることでディレイラー本体を守る部品のようです。

自転車本体のフレームとディレイラーをつなぐステーのようなものです。素材はアルミで曲がりやすく作られており、転倒などでディレイラーに衝撃が加わった際に、フレームとディレイラー自体を損傷させないために、自らが曲がって衝撃吸収をするということです。

このディレイラーハンガーが曲がっているかどうかを判断し、その曲がりを修正する道具がディレイラーハンガー修正工具です。

早速調べてみました。
ディレイラーを取り外し、ディレイラーハンガーに工具を取り付けます。

変形をチェックしています

この工具はよくできていて、使い方も面白いものがありました。

ディレイラーハンガーを調べてみると、ずいぶん変形していました。
この工具をそのまま使い、曲がったハンガーを力まかせに元の形へ戻すのですが、こんなに曲げて(戻して)大丈夫なのか?と思うほどです。

しかし、アルミは柔らかい金属です。力を入れながら、じわじわとやさしく曲げていきます。
何度か測定をしながら、ほぼ元の形に戻すことができました

修正されたディレイラーハンガーに、もう一度ディレイラーを取り付けます。
シフトワイヤーをつなぎ、調整を再度行います。
見た目はあまり変わっていないような気もしますが、動きはスムーズになったような気もします。

真後ろからギアを見て、ガイドプーリーとの位置を確認します。
やはり斜めに見えます。

ハンガーを修正したのでディレイラー自体は正しい位置にあるはずです。ディレイラーを取り付けたあとに、ギアとプーリーが真っ直ぐになれば、このディレイラーは変形していないということになるのですが、残念ながら真っ直ぐにはなりませんでした。ディレイラー自体も変形していると考えられます。

また、Amazonの出番です。
ディレイラーを取り替えるためには、チェーンを外す必要があります。
この際にチェーンも新品に取り替えようと思います。

必要なものは、ディレイラー、チェーン、チェーン用工具です。

2,654円
1,299円
チェーン用工具 1,537円

すぐに注文し、到着を待ちます。

直ってきたよ

2日後にディレイラーとチェーンと工具が届きました。

チェーン工具の中に、チェーンの伸びを測る工具もありました。
測ってみると、全く伸びはなく、まだまだ使えるもののようでした。しかし所々にサビが見え、せっかく新品のチェーンも用意したので交換することにしました。
外したチェーンは予備としてとっておきます。

ディレイラーを外してみて、新品のものと見比べてみます
プーリーの取り付いている角度に違いがあるようでしたが、一番わかり易い部分を画像の矢印で載せておきます。隙間がだいぶ違います。

取り外したものです
新品です

新しいディレイラーと、新しいチェーンに取り替えます。
これで変速関係では、前と後ろのギアとディレイラーハンガー以外は、新品になったということです。

ギアは見た目での変形や歪みはなく、ハンガーも先日修正をしているので、これでディレイラー調整を正しく行えばうまく動くはずです。
うまくいかないのであれば、フレームに歪みがあるのか?といったところです。

何度もディレイラー調整の練習をしていたので、作業はスムーズに進みます。
斜めに見えていたギアとプーリーの角度も、真っ直ぐになりました

チェーンが外れるのはこれが原因だ

スムーズに変速ができるようになりました。
連続してシフトを何段か変えても問題なく動いてくれます。

1速から8速まで素早く変えてみたり、その逆をしてみたり、動きのチェックをしていると、ガチャッと、前のギアからチェーンが外れました

えぇっ〜!
と思いながらもチェーンをはめ直し、原因を探ります。

ゆっくりとペダルを回しながら、ディレイラーの動きやチェーンの動き、ギアの変わる仕組みを注意深く観察します。

特に気になったのは、ディレイラーのガイドプーリーによってチェーンの導線をズラされただけで、隣のギアに移る仕組みと、ディレイラーに付いているテンションプーリーの働きには感心するばかりでした。

それらの仕組みを理解したうえで、なぜ前のギアからチェーンが外れるのか?
注意深く探っていきます。

変速をした際、ギアを大きな歯車から小さな歯車へ移動する場合と、その逆の場合、どちらのほうが外れやすいのかに注目して試してみました。

観察した結果、大きな歯車から小さな歯車に移動するタイミングにチェーンが外れているようでした。
なぜそうなるのかを、さらに観察します。

なんとなく、理由が見えてきました。
後ろの歯車から前の歯車へ向かう間のチェーンの暴れ方が大きくなっているようです。

まず、チェーンが外れる理由は、チェーンの暴れであると。(8枚ある歯車の幅による軸のズレが原因ではないようです そりゃそうですよね それが原因であるなら元々の自転車の設計ミスです)

ディレイラーに付いているテンションプーリーは、後ろのギアが大きくても小さくても、チェーンに一定の張りをもたせるため、チェーンのたるみを無いようにするためのものです。

変速する際に、小さな歯車から大きな歯車に移る際は、チェーンにテンションがかかり続けるため、チェーンが暴れることは少ないのですが、大きな歯車から小さな歯車へ移動するときには、一瞬テンションが抜けるタイミングが生じます。テンションプーリーによって張りが得られるまでのほんの少しの間、それによりチェーンが暴れてしまいます。

一度暴れたチェーンの波は、そのまま前の歯車まで届いてしまいます。そのためチェーンが外れてしまっているようです。

チェーンの暴れはこんなもの

変速時のチェーンの暴れが原因であるとわかれば、その暴れをなんとか抑えれば良いだろうと、再びディレイラー調整を試してみました。

これは難しいぞ

何度試してもチェーンの暴れはおさまりません。

これを解決するには、チェーンのテンションを保つ必要があります。
方法として思いつくのはこの2つです。

  • チェーンの長さが長いのでは?

  • テンションプーリーのバネが弱いのでは?

取り替えたチェーンの長さを再度確認しましたが適切な長さのようでした。
テンションプーリーは新品ですので、疑うことはとりあえず止めておきます。

解決に行き詰まりました。

少し視点を変えてみます。
そういえば、ちゃんと動いている他の自転車のチェーンの暴れはどのくらいなんだろう?ユーチューブで動画をさがしはじめました。
できるだけ高級な自転車で、変速時のチェーンの動きがよく見える動画を。

ゆっくりと動画を再生して、変速時でのチェーンの動きを観察します。

暴れとるやないかい!

意外にもチェーンは暴れています。
高級自転車のチェーンも暴れています
驚きとともに安心感を感じました。

では、なぜチェーンは外れていないのか?
この答えはすぐに分かりました。

暴れるなら抑えろ

高級な自転車の場合、フロントにも何枚かギアが付いています。
変速をするためにフロントディレイラーが付いています。このディレイラーがチェーンの暴れを抑えてギアへと導いているようです。

変速時にチェーンが暴れるのはしょうがないこと。であれば、それを抑えれば良い。
そういう視点で改めて自転車を見てみると、

折りたたみ自転車は、前のギアは1枚のためフロントディレイラーは無いのですが、他のものが付いていました。

暴れおさえ

前のギアのチェーンが入る部分に、何やらチェーンをの動きを抑えて誘導する部品が付いています。
奥と手前の2つ。

なんという部品なのかはわかりませんが、フレームに固定された黒い樹脂の部品と、ギアの外側に貼られた丸い金属の部品、これはチェーンガードというらしいです。

この2つでチェーンをギアへと誘導しています。暴れているチェーンを抑え、うまくギアに乗るように導いています

今の状態を見てみると、部品とチェーンの隙間が大きく開いていました。

早速黒い樹脂の部品をチェーンに近づけてみます。
ペダルをまわし、ギアを変えてみます。
外れにくくはなったようですが、まだ外れます。

次はチェーンガードを見てみます。やはりチェーンとチェーンガードの間の隙間が広いです。これまでも外れたチェーンはこの間に挟まっていました。

隙間を調整しようとおもったのですが、これはどうすればよいのか?
とりあえず外してみます。

金属の円盤です。

これは調整できるものなのか?チェーンとの隙間を狭くしてしまえば良いので、力任せにグイグイと曲げていきます。

元のように取り付け、隙間を確認します。
まだ隙間はありますが、曲げすぎてチェーンに触れてしまってはいけません。今後走りながら様子を見て微調整をしていきます。


完成したよ

これで、私に出来る範囲の修理が完成しました。

完成した日から数日は雨降りで、外で乗る機会はなかったのですが、週末の土曜日に車の後ろに載せ、ちょっとした峠越えのコースを走ってきました。

登りキツかったよ

平坦な道は快適に走れて、登りはゆっくりですがなんとか降りずに登れて、安定した走りを楽しめました。

ギアチェンジもスムーズでした。

下り坂で急いで変速した際に、チェーンが外れることもありましたが、そこは今後も乗りながら調整をしていきます。

今回は、結果として、とても素敵な自転車を手に入れ、自分で整備をすることで愛着も増したのではないかと感じています。

これまでやってみたいと思っていた、自転車整備をすることもでき、工具類も揃えることが出来ました。

外したシフトワイヤーとチェーンは、これまで乗っていたクロスバイクに取り付けて、クロスバイクもリフレッシュ出来ました。

今回は、意図しない問題に出会ったのは残念なのですが、結果的に楽しむ事ができ良かったです。
この自転車はもちろん大切に乗っていきたいと思います。

ここまでの長い文章にお付き合いいただきありがとうございます。

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