「ラーメン」ミルクボーイの無い漫才
駒場「うちのおかんがな、好きな料理があるらしいねんけど、どうしてもその名前が思い出されへんらしいねん。」
内海「好きな料理の名前を忘れた?どういうことやねんそれ~。ほんなら俺がおかんの好きな料理一緒に考えたげるからどんな特徴言うてたか教えてみてよ。」
駒場「おかんが言うにはな中国発祥の料理で、どんぶりにスープと麺、チャーシュー、卵なんかを盛りつけた庶民派料理らしいねん。」
内海「おぉん……ラーメンやないかい。その特徴はラーメンよ。すぐわかったやんもう~!」
駒場「いやおれも最初はラーメンやと思ったんやけどな、おかんが言うには、初見では食べ方の見当がつかんらしいねん。」
内海「おぉん……ほなラーメンとちゃうか~。ラーメンほど食べ方のハードル低い料理ないもんね。ラーメンの食べ方はね、物心ついたと同時に理解できる仕組みになってんのよ。ラーメンとちゃうやないかい。なんか他に特徴言ってなかった?うーん?」
駒場「おかんが言うにはな、どの店も大体値段一緒やけどクオリティの差がえげつないらしいねん。」
内海「ラーメンやないかい!ラーメンはね、どんなに材料費高くても必ず1000円前後で抑えなきゃ生き残れない厳しい業界なのよ。逆にほとんどインスタントみたいなクオリティで1000円取るチェーンもあるからね。そういう店に限って何故か生き残ってるのよ。でもね、ユーザーの口コミが重視される時代になってきたおかげで、これからは本当においしいラーメン屋がどんどん台頭してくると俺は見てんのよ!ラーメンやないかいそんなもん!」
駒場「ただな、おかんが言うには、店員の8割がMen`s non-noに出てても違和感ないらしいねん。」
内海「ほなラーメンちゃうやないかい!Men`s non-noのアイテムに手ぬぐいは候補にあがらんのよ。絶対ラーメンとちゃうわそんなもん!ほかになんか特徴言ってなかった?うーん?」
駒場「おかんが言うにはな、どう考えても水に対して出て来る氷の量多すぎるらしいねん。」
内海「ラーメン屋のウォーターサーバーやないかい!唯一マックと氷の分量で競ってる代物やからね。あとなぜかどこいっても水と氷同時に出てくる設定になってんねん。お客さんみんな水だけ出たほうがいいと思ってんのに一向に改善されへんからね。ラーメン屋に決まりやそんなもん!」
駒場「ただな、おかんが言うには、女性は少し入りづらい店構えらしいねん。」
内海「ほなラーメンちゃうやないかい!ラーメン屋さんはね、あらゆる人が楽しめるように努力してんのよ。スープが跳ねても大丈夫なように紙エプロン用意したり、店内を清潔に保ったり、最近では女性が店長をやる店も少なくないねん。時代にあわせて業界全体が進化し続けてんねん。ラーメンちゃうやないかい!他になんか特徴言ってなかった?うーん?」
駒場「食券制の店で替え玉頼むときどうしたらいいかわからんらしいねん。」
内海「ラーメンやないかい!一回席立って食券買いに行くべきか店員さんに声かけるべきか未だによくわかってないねん。だから俺はね、それを踏まえて事前に替え玉を買っておいてストックしておく戦法に最近切り替えたんよ。あと、つけ麺のスープ割もあれ声かけづらいねん。ラーメン屋で声を発する行為そのものに謎の抵抗があるんやから。そういうもんやもん。ラーメンやないかい。」
駒場「ただな、おかんが言うにはダイエットのために真っ先に控える料理らしいねん。」
内海「ほなラーメンとちゃうやないかい!ラーメンの中毒性はどんな料理にも勝るからね。理性が働く昼はまだ我慢できんねん。夜中に奴らはやってくるのよ。夜中は誰もが欲望に忠実なんやから。何度カップ麺に卵落とした奴夜中に食うたか覚えてないもん。あとラーメンの代わりにスープ春雨で我慢しようとする奴おるけどそんなもんで欲望を断ち切れた人はいないからね。ラーメンとちゃうよ!もっと他に何か言うてなかった?うーん?」
駒場「おかんが言うには、味玉に関してはマジで違いがわからんらしいねん。」
内海「ラーメンやないかい!味玉って全部一緒のレシピやねん。あまりにあのレシピが完成しすぎてるせいで多少手を加えてもお客さんわからへんから店側が努力をあきらめた唯一のトッピングやねん。味玉で勝負してる店なんて一軒もないのよ。みんな伸びしろのある具材に力入れてんの。ラーメンやそんなもん!」
駒場「俺もラーメンや思ったんやけど、おかんが言うには、ラーメンではないらしいねん。」
内海「ほなラーメンちゃうやないかい!替え玉と味玉出てきてラーメンとちゃうの?俺がラーメン業界の展望について熱く語ってるときお前どう思ってたの?」
駒場「申し訳ないなと思ってた。」
内海「う~ん、ほなラーメンとちゃうか~。」
駒場「うちのオトンが言うにはな」
内海「オトン?」
駒場「コーンポタージュやないかっていうねんけど」
内海「いやコーンポタージュはとっくに進化止まっとるやろ。どうもありがとうございました~。」