4度目の再会。
彼女との初めての出会いは小さな橋の下。
橋の下に何人か集まって話をしている。
寝るところを探していたので、ここで寝ていいかーと聞いてみた。
オーストラリア原住民の一度見たら忘れない特徴的なアートの壁紙の前。1人の女ボスがおれに話しかけてくる。どこからきたんだ。おれは日本と答える。「いいとこのうまれだ」と女ボスがいう。
その時いたおれの連れがいたのだが、ほかの原住民人に壁紙のアートについて尋ねているようだ。
「いいとこのうまれだ」という言葉に無性に腹が立ってしまったおれは「どこがやねん」という姿勢になって、気付いてたら話のトーンはヒートアップし周りから止められるほどになってしまった。
連れがアートについて聞こうとしてるのだが、「教えるな」「大切な文化だから」「説明しなくていい」と一喝。
彼らの文化は原住民の文化としてひとくくりにはできない。
人から人へ伝わる文化なのである。
言葉、生活、アート隣の街で全く違う言葉が話されていることなどざらにある。
自分たちで伝承してきたものは信頼がないと伝えないというものである。
その街は日本人にゆかりがある、たまに聞こえてくる言葉は、「うまっ」などリアクションがたまに日本語に聞こえるのだ。
歴史的な背景では、その街は戦争から始まり、昔日本が真珠をとりにきていたり。今ではトヨタなどの大きな会社などがその街の日本人のイメージである。発展との引き換えに大きな会社にいいイメージを持ってない人もいるみたいだ。
話がヒートアップしても、なぜかその場をさらなかった。多分こんなにも初めて会ってヒートアップしながら話すことは初めてだったかもしれないから。
なんとかただの旅人ということが分かってもらえると、目をまっすぐ見てグータッチをしてくれた、自分はとんでもないものを得た感覚になった。
2度目はある探し物をしてた時だ。
人に聞き回っていると、たまたま彼女が出てきた、この前は悪かったな!「アートについて話さない」とかは違かったんだと、覚えてくれてることにびっくりした。
そん時彼女は「バックがなくなったー」などと叫びながら歩いていたので。取り乱していると思い、ちょっとおれも「出てこーい」なんて盛り上げながら。互いの探し物を探し、気付いたらバイバイしてた。
約1週間後
3度目の再会はまた激しいものであった。
色々あって、ぼくは大福と八ツ橋を歩き回って手売りしていた。
日が暮れた頃に歩き回っていると。何人かの人がたむろしている場所があったのでそこに近づいてくと、、横から「それよこせーー」と、大福を鷲掴みにして高く上げる。まいったなぁ、こんなこと本当にあるんだと思って。その取り上げたやつをよく見ると。そのおばちゃんだった。「腹が減ってるんだー」と興奮しているようだった。周りの原住民の集まりの人たちも来てくれてなだめた。興奮してる最中に暗かったがなんとかそのおばちゃんの肩を持って、「おれだよ!あの時の」というと一気におとなしくなり。「お前だったのかー」本当にごめんなーー!という感じで。普段のテンションに戻った。ちょっと揉めてるように見えたので、他の人が何やら見に来たけど、「こいつは大丈夫だ」といって、大福を売りつけてくれたりした。しばらく座ってると、一台のパトロールカーが来た。これはバス代わりなんだといい。ミラーを鷲掴みにして車を止め。そのまま帰ってしまった。
それからしばらく会うことは無かった。
ぼくは今回その街を訪れたのは1日だった。
日が暮れる頃、バスを一駅降り過ごしてしまい。明日からの旅の準備に向けてちかくにスーパーあるし買い物して早く寝ようと思っていた。日曜日の街はほとんど誰もいなかった。
すると1人の女とすれ違った。すれ違った瞬間に今回はお互いがお互いを認識した。
久しぶりだなぁ、彼女はまだ、最初の人出来事を申し訳ないと思っているようだ。
ちょっと立ち話をしていると、酒が飲みたいって言ってたので、この前一緒にだいふく売ってもらったし、おれが一本ワインを買うという話になった。酒ショップ始まってたので一緒に一服することにした。
彼女の弟の家に連れてってもらい、裏庭で一服をした。「彼女は悪いやつだ関わらない方がいい」と言われたがそんなことはもう知っているのでうまく流した。確かにおれも盗まれたな、、、。
盗んだ後に申し訳なさそうに戻ってきて、目を見て「あの時はすまなかった」「本当にありがとう」と普段ふざけてるがその時だけ本気の顔になるところが好きなとこだった。
子供も寝る時間だし、帰ることにした。
最後に名前を聞かれた。リク、原住民の人はよくりこ、リコっよぶが。慣れなさそうにリィコゥって呼ぶのが微笑ましかった。
名前は聞かなかったが、弟がパトリシアだと教えてくれた。明日この街を去ることを知っているパトリシアは。去り際まで声をかけ続けてくれた。ゴッドブレスユー。振り返るな。と強い声で叫んでくれた言葉は魂に響いた。