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オタク生活55年が語る若きクリエイターを”AWAKING"=覚醒させるヒント㉛

“セブン”は特別な存在③

『ウルトラセブン』の魅力を語るシリーズ。
高校生になってから気づいた名脚本・名演出に関しては、明日の最終記事に書くことにして、今回は子供の頃から感じていた、冬木 透先生の手によるカッコイイ音楽について書いていきます。

まず、最初に断っておくと、現在の僕は『ウルトラQ』『ウルトラマン』の音楽は好きで、作曲家・宮内國郎さんを否定する気は全くないです。特に『ウルトラQ』のオープニングテーマはゾクゾクする格好良さだと思っています。『ウルトラマン』の各BGMも映像が浮かぶ名曲ぞろいだと思います。

なのに、子供の頃に『ウルトラセブン』の音楽の方が『ウルトラマン』よりも格好いいと感じたのは、これは『ウルトラマン』と『ウルトラセブン』のコンセプトの違い、若干のモチーフの違いからだと思います
つまり
『ウルトラマン』=基本的には、地球に眠っていた怪獣との闘い
『ウルトラセブン』=異星人の侵略との闘い

この違いは“重厚な怪獣との戦闘”=ミディアムテンポのBGM と “空中戦・ビーム戦も多用したスピーディーなアクション”=アップテンポなBGMと、必要に応じて違ったのだと思います。『ウルトラセブン』では怪獣との戦闘シーンのBGMとして主題歌のオーケストラ版が同じテンポで流れていて、これは子供の頃も良く覚えています。でも『ウルトラマン』では軽快な主題歌のアレンジは戦闘中には流れない。(確認していないので皆無ではないかもだが印象に残っていない。大概はマイナー旋律の戦闘時のBGMが印象に残っています)
そもそも『ウルトラセブン』の主題歌は、太鼓の響き、オーケストレーションの壮大な世界を示すイントロ(メインテーマの後半部のアレンジ)に
”セブーン セブーン セブーン セブーン"と言うスローな男性の声から
”セブン!セブン!セブン!”の合唱音声+ホルンの”ブォ~ン”で一小節 と
4倍のスピードにテンポアップして、そのリズムでメジャーコードの名曲が展開してゆき歌声をサポートするように低音管楽器が流れていく。
この主題歌が怪獣との戦闘でもオーケストラで流れるのだ。文句なしに、それだけでカッコイイ。 

『ウルトラマン』の音楽より『ウルトラセブン』の音楽がカッコよく感じた理由の一つとして、テンポの問題は大きかったと思います。
でも、それだけでないのは戦闘シーン以外に流れた数々の楽曲のお陰だと思います。なんといっても英語で歌われた「ULTRA SEVEN」はセブン以外のウルトラ警備隊の活躍時に流れて、子供には“大人な感じ”を感じさえてくれました。そして、もう一曲はマーチ風から、スローバージョンまで様々な形で流れた「ウルトラ警備隊」のメロディと歌。主題歌のアレンジを含む、この3曲を軸に、軍事作戦を思わせるマーチや交響曲がガッツリ。
ウルトラホークの発進シーンは「ウルトラ警備隊」のテーマを活かした高揚感あふれるシーンと、マイナーコードのオーケストレーションの使用で緊迫感あふれるシーンに、同じ映像なのに違う意味を持って提示されました。まさにBGMの力を感じることになりました。

その他、宇宙空間や水中を表す音楽等、様々な音楽が自然と耳に入ってきました。今、思うと「スター・ウォーズ」でオーケストラのシンフォニーがバリバリ流れるのに対し全く違和感を持たなかったのは冬木先生の「ウルトラ」サウンドの影響が大きいのかもしれないですね。

最終回の告白シーンで、シューマンを使用する事を監督に進言したともいわれる冬木透先生。悲しみのテーマも含めて苦い終わり方もある「ウルトラセブン」には無くてはならに音楽だったろうと思います。

様々な監督が、傑作の脚本を傑作映像に導く最後の行程に、このBGMは多大な影響を与えたと思っています。

さてと、明日は、このBGMを聞きながら、最後に傑作シナリオをサワリだけ語る「ウルトラセブン」の魅力④です!

PS 『ウルトラセブン』の魅力と言ったので、完全に蛇足なのだが、
  一番好きな冬木サウンド・特撮ソングは『ウルトラマンエースの』
  ”タックの歌”なんです。(3番の歌詞ダサいけど、1,2番は完璧)
  ネットにも転がっているので、是非、ご視聴を!

こんな話で良ければ、皆様シェアをお願いします!


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