オタク生活55年が語る若きクリエイターを”AWAKING"=覚醒させるヒント㉕
週末版 歴史への興味のきっかけ『新八犬伝』と『真田十勇士』
昨日の記事で扱った『サンダーバード』は、幼少の記憶が定かでない時期に放送しても繰り返し再放送することで記憶に残り、そして現在は英語版でなら当時の雰囲気を感じることが出来るコンテンツだ。
それを考えると、辻村ジュサブロー(現・辻村寿三郎)さんの人形が演じる傑作『新八犬伝』と『真田十勇士』が数本の映像しか残っておらず、若い人に感動を伝える手段が乏しいことが悲しくもあります。
この2作、当時の子供たちに大人気で、時代物の活劇にも関わらず、女子にも各キャラクターの人形の雰囲気や出来栄えは相当な衝撃を与えました。
実は、今回の扉絵の写真は、妻の蔵書を撮影しました。
『新八犬伝』が放送されたのは、1973年の4月から75年の3月まで約2年。
私の学年で言えば、小学校4年になりたてから小学校5年が終わるまで となります。NHKで、放映時間帯は18時30分~45分。これまたビデオデッキがない状態だったので、テレビの前にかじりついていた記憶があります。
魅力は人形のデザイン(衣装も含め)と同時に、軽妙な“黒子”の“語り”でした。担当したのは坂本九さん。『上を向いて歩こう』の大ヒットで知られる超有名歌手がリズミカルな名調子で物語を進行する事は、初回視聴への大きな動機付けになりました。
又、その頃の時代活劇は大人向きの時代劇以外になく、再放送で見ることが出来たアニメ『どろろ』『カムイ外伝』『さすけ』は共に忍者が主役で、化け物・怨霊と戦う剣士たち(考えてみれば、現在のアニメやゲームの定番設定)の話は、十分に魅力的でした。(この頃、僕はまだ南総里見八犬伝は児童書でも読んでいない。)
1話は、NHKが保存しておいてくれたのでDVDで見ることが出来ます。それで未見の方も雰囲気を感じられるかなぁ。
辻村さんが生み出す人形の顔立ち・衣装・雰囲気、坂本九さんの語り、南総里見八犬伝を下敷きにした和風ファンタジー、そして長年の経験を持つ人形遣いの技術が全て上手く纏まり、子供だけでなく大人まで巻き込んでの大ブームになったのです。(月曜から金曜日放送の15分番組で丸2年。同時間帯に放送されていたコメディ調の人形劇が大失敗したのを受けて、1年の予定が大人気で延長となったらしい。)録画保存などない時間にも関わらず、鮮明に記憶に残ったのだから相当なインパクトを与えられたのだと思う。
『新八犬伝』が惜しまれながら終了したのち、これまた2年間のスパンで展開されたのが『真田十勇士』。人形のデザインは辻村ジュザブローさんだ。
『真田十勇士』の作家・シナリオは『眠り狂四郎』などの時代小説でならした大ベテラン・柴田 錬三郎。『新八犬伝』のドロドロした雰囲気とは違った活劇だったと記憶している。(とは言え、最初から武田家の滅亡が描かれ、勝頼の遺児が猿飛佐助になるという設定だった。)
こちらも2年間の放映であったが、僕にとっては2年目のスタート=中学1年生で、クラブ活動をしていた僕は、だんだんと見られない回が多くなってしまった。最後のクライマックスはさすがに見たが…今、再度見られないことを本当に悲しく思います。
ただ、この作品を通して真田幸村と言う武将に興味を持ったのは、この後の僕の人生を大きく変えることになりました。その頃の戦国武将に関する知識は1973年の大河ドラマ『国盗り物語』鑑賞程度の話で、斎藤道三から織田信長の本能寺までの知識がなかったわけです。中学になってす、真田一族に興味を持ち色々調べ、決定打として小説・ドラマで『真田太平記』に出会ったことで、真田幸村を一番好きな武将と言うようになりました。何度となく真田史跡鑑賞を行ってきた僕としては、この春に上田を訪れられないのは悲しいです。
今はもう、見ることが出来ない番組。その一端を記憶を頼りに伝えるのも、このnoteの役割かもしれませんね。今後も、この手の作品を取り上げていきたいと思います。
さて、明日から月曜ですが、祝日が続きますので3日~10日はコンテンツの想い出です。そのまま、明日は“里見八犬伝”と“真田幸村”つながりで、少年時から今まで好きなスターの話をしますね。
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