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オタク生活55年が語る若きクリエイターを”AWAKING"=覚醒させるヒント㉖


昭和の角川映画よ、ありがとう。

昨日の告知で、今日の話題に気づいた人がいたらカンが良すぎるなぁ。
僕ですら、ブロマイドの写真立てを見て気づいたんで(笑)
今の彼、彼女しか知らない人には40年以上前のブロマイドを見て“誰?”となるかもなので、一応記載します。
左 草刈正雄さん 『復活の日』『汚れた英雄』主演
右 薬師丸ひろ子さん 『野生の証明』『ねらわれた学園』『セーラー服と機関銃』『探偵物語』『メインテーマ』『里見八犬伝』『Wの悲劇』主演

この時代、少年時代からの憧れの俳優・女優に、30年経過後も朝ドラで、お目にかかれるとは思っていなかったけど、それだけのキラ星だったんでしょうね。

ちなみに、上記の主演作はどれも、角川映画の主演作なんで、ちょっと“真田”補足。真田十勇士で知った武将・真田幸村を、史跡巡りをするぐらいに大好きになったのは、小説『真田太平記』の存在と、ドラマ化されたNHK大型時代劇『真田太平記』からです。
『真田太平記』で真田幸村を演じたのが草刈正雄さん。草刈さんの幸村は、少年時代から最期の時まで凄かったんですよ。僕の中では完璧。(『真田丸』放映時に、学生に『真田太平記』の幸村特攻シーンを見せたら、絶対こっち!と言ってました)
もちろん『真田丸』の真田昌幸も大好きですけど、それは別の話

今回は、草刈さんがジャニス・イアンやローズマリー・バトラーの歌をまとっていたり、薬師丸ひろ子さんの歌がエンディングを飾っていた頃の角川映画の話。画像中央のCDを聞きながら記事を書いています。

角川映画という言い方は今でも行いますが、ここでは角川春樹プロデュースの1976年~93年の作品群。特に1980年代中盤までの作品を語ろうと思います。(1986年公開『キャバレー』ぐらいまでのイメージかな)で、それぞれの作品論は今回はなし。(多分『Wの悲劇』の感想だけで1万字は完全に行くな)作品自体はレンタルなどで見ることが出来ますからね。気にして見てもらえればと思います。

さて角川映画第一作と言われる『犬神家の一族』は、市川崑監督の作品だったり石坂浩二さんの主演だったりして僕には大人の映画に思えた。大量のTVCMと言う意味では一緒だったんだろうけど、音楽も主題歌無しだったし。

それが翌年の『人間の証明』の宣伝でぶっ飛んだ。
松田優作の特徴ある声でセリフ
 「母さん、僕のあの帽子、どうしたでしょうね?」が流れる。
② 「ママ―、ドゥ・ユー・リメンバー~」とジョー山中の歌が流れて
③ 映画のシーン ジョージ・ケネディが映っている
  ニューヨークロケのシーンが映る
④ 森村誠一『人間の証明』のタイトルコール
『読んでから見るか、見てから読むか』のキャッチコピーが流れる。

今のTV局出資の映画CMを見慣れた若者には“え?普通じゃん”かもしれないが、そのスタンダードになる宣伝手法が一気に押し寄せてきたのだ。
このCMの作り方、今ふりかえってみると、恐ろしくあざとい!

翌年の『野生の証明』も同じなので解説しながら書くと
① これがデビューになる、可愛い子供 薬師丸ひろ子 のアップとセリフ
「お父さん、怖いよ。何か来るよ。大勢でお父さんを殺しに来るよ」
② 主題歌『戦士の休息』が流れて高倉健登場
③ 高倉健が薬師丸ひろ子を背負って戦車に向かっていく
④ 作品名タイトルコール キャッチコピー『ネバ―ギブアップ!』
『読んでから見るか、見てから読むか』ナレーション

もう、完璧、勝ちパターンである。(笑)(今の深夜アニメにも繋がるけど)映画の興行収入だけでなく、小説の売上や主題歌の売上げでも儲けていくメディアミックスの作品という考え方は、今でも通じる考え方だ。これだけでスゴイ。
かつ、その宣伝に見合うだけの作品としてのクオリティがあったのだから、記憶にも残るわけだ。今や巨匠と呼ばれる方々が若き頃に薬師丸ひろ子や、原田知世や宮沢りえをモチーフに傑作を送り出した

さらに、外国人と並んでも見劣りしない草刈さんの雰囲気は女性外国人のヴォーカル曲、海外俳優との共演でスケール感(『復活の日』)やアクティブ感(『汚れた英雄』)満載の作品で痛快さを出してくれた。(この分野では松田優作の『蘇る金狼』『野獣死すべし』といった傑作もあるなぁ)さらに、角川アニメのスタートは、今のMAPPA設立に繋がるわけで、現在への影響は強いと思います。
最近、映画も原作もオンデマンドでも楽しめるようになった角川映画。同年代の方には懐かしく感じてもらえばと思います。若い方には昭和の勢い(CGとか無いんだよね)を感じてもらえたら嬉しいな。
明日は、もっとぶっ飛んだ物を語ることにします。

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