オタク生活55年が語る若きクリエイターを”AWAKING"＝覚醒させるヒント⑱
アニメ好きの子供を、劇映画好きの少年に導いた”声優”という職業
3回目の週末です。週末はオタク人生の切っ掛けに関して記載しています。
最初の2回は、漫画家・萩尾望都さん、映画監督・大林宣彦さん。先週はハリウッド映画の映画音楽作曲家 ジョン・ウィリアムズさん、ダニー・エルフマンさんに関して書いてきました。
かつ、残り10回＋が教育や指導法に関して書いてるんで、タイトルに”オタク生活55年”という割りには、あまりオタクじゃないんじゃないの？と思われてしまうかもです。大丈夫。思いっきりアニメを見続けています。1クールに10本は見ているはずですし、つい最近もコロナ自粛の時間を使って5歳児には理解不可能、20歳で見て以来の『太陽の王子 ホルスの大冒険』（高畑勲監督作品/1968年）を再見したりしています。
僕が子供番組であるアニメを捨てずに実写映画と付き合うようになったのは様々な”声優さん”のお陰だと思っています。
1975年。大概の子供が、小学生高学年になると、子供番組であるアニメを卒業していき、実写ドラマに移行する中（もちろん『太陽にほえろ』とか見てましたよ。）再放送でハイセンスなアニメを見る時間と、夜になると毎日のように放映されているＴＶの洋画劇場を親とみる時間が増えていきました。
すると…
『仮面ライダー』の首領の声、『ウルトラマンＡ』の声が『猿の惑星』の主演チャールトン・ヘストンの声だと気づいたんです。そして、ハリのあるハイバリトンの声が『キャシャーン』のナレーション、『ルパン三世』の銭形警部のコミカルな声と気づいて、二枚目の声で『宇宙戦艦ヤマト』の沖田館長を演じているのに聞き惚れました。
そう、きっかけは納谷悟朗さんの声だったのです。
その切っ掛けは『ルパン三世』『宇宙戦艦ヤマト』に出演している声優さんへの興味となっていき、中学生になった僕は『モンティ・パイソン』に出会います。ＢＢＣから輸入された『モンティ・パイソン』は山田康雄さん、納谷 悟朗さん、広川太一郎さん、古川登志夫さん、青野武さん、飯塚昭三さんをレギュラー吹替キャストとして放映されました。（東京12チャンネルだから東京ローカルですね）元々のハイセンスなギャグやパロディ満載な作品を、さらに日本の声優陣が爆笑演技で盛り上げたのです。
『宇宙戦艦ヤマト』はもちろん、緑ジャケットの旧『ルパン三世』は、かなりカッコイイ大人のドラマだったんですが、その『ヤマト』『旧ルパン』の出演陣が（今どきの言い方をすれば）ぶっ壊れた演技を見せてくれました。（70年代の赤ジャケット『ルパン三世』がギャクに走ったのは、この番組の吹替の影響が強いんだろうなと思います。また、古川登志夫さんが『モンティ・パイソン』でのギャグ演技が『うる星やつら』の諸星あたるに役立ったと発言したのを読んだ記憶もあります。）最初は、物凄い演技力を示す男性声優陣に惚れたのですね。
この時代は、まだアニメ好きや声優ファンを公言できる環境もなく、普通に映画ファンの中学生として過ごしたわけですが、声優とヒットマンがを通してアニメとの関係は続きます。で、女性声優にも興味がわきました。
例えば、池田昌子さんがオードリー・ヘップバーンの声と『エースをねらえ！』のお蝶婦人の声を演じなければ『銀河鉄道999』のメーテルと鉄郎に惚れる事は無かったと思います。
また、初見からいまだに惚れている『魔女っ子メグちゃん』の活発・お転婆なヒロイン”神崎めぐ”と『アルプスの少女ハイジ』の可憐なクララを、ともに吉田理保子さんが演じると知ったときの真逆な演技を同時期にしていたことへの驚きも覚えています。（さらに旧『ルパン』で大好きな11話『7番目の橋が落ちるとき』のヒロイン・リーゼであることも、再放送のエンディングを見て知って驚いたな。）
ちなみに、この時点では、後に彼女が『ターミネーター』のサラ・コナー（リンダ・ハミルトン）を演じるとは思っていなかったので、少女専門だと考えていました。（数年後、大きな勘違いであったことを『ベルサイユのバラ』のロザリーで思い知ることになるんですがね）
小学生から中学生に変化した時期に、洋画への興味の増加、アニメや漫画を捨てなかった日々、そして洋画やアニメの再放送（ＶＨＳにお世話になる日々は高校になってからである）に夢中になる日々を過ごす僕は、中学1年生の冬に海外ドラマ『地上最強の美女バイオニック・ジェミー』に、そして半年後の中２の10月に『地上最強の美女たち!チャーリーズ・エンジェル』に出会うことになります。
この出会いは、映画、アニメ、少女マンガを深く考えるきっかけを与えてくれるようになるのです。が、長くなったので明日にまわします。二つの海外ドラマの主演声優（エンジェルは全作品に出たケリー・ギャレットですね）を考えたらネタはわかりますよ～。
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