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オタク生活55年が語る若きクリエイターを”AWAKING"=覚醒させるヒント㊶

グラフィカルな企画書と、文字が少ない企画書は同義語ではない。

先週は、ほぼデザイナー志望者のための話を展開しました。今週はゲームプランナー、グラフィックデザイナー双方に関わる話をしていこうと思います。まずは就職活動中の学生が陥りやすい“就職活動用の企画書”の失敗例から始めます。

表題に書いた“グラフィカルな企画書と、文字が少ない企画書は同義語ではない。”に関しては、「そんなの当たり前じゃないか。」と、プロのゲームクリエイターでも、ゲーム会社を受験使用しているゲームプランナー志望者でも言うでしょうね。
でも「文字が多くて、見づらい企画書だね」という言い方をすると、なぜか“文字量を減らして説明不足”な企画書を持参する学生が多かった思い出があります。この現象を“う~ん、何をすべきかの理解力無いな~”と言うのは簡単なんですが、それでは教育者としては職務放棄したような気がしますので、学生の気持ちになって考えたいと思います。

はてさて、修正前の「文字が多くて、見づらい企画書」が、どんな状態かと言うと“必死に企画内容を説明しようとして、文章量、文字数が増えてしまった企画書”なのです。これは、企画書に必要な情報が全て掲載されている場合でも起き得ます
企画書として重要な、①ターゲットを明確にする ②そのターゲットに対するベネフィットを確定させる ③当該ベネフィットをもとにコンセプトを決定する ④コンセプトから、具体的に製品・商品の概要仕様・セールスポイントを決める を入れ込むとなると、考察した事、決めようとすることは膨大になっていきます。(プレゼン資料などを作成中に、原稿の量が膨大になっていく事は、私もしよっちゅうですね)

一方で、ゲームプランナー志望者が就職活動で企業に送る企画書は、大体、5枚程度での構成を要求されます。
この企画書をゲーム会社の担当者がチェックする際も(先週の記事に書いた、デザイナー志望者のポートフォリオに対する審査時間同様)職務の合間を縫って行うので、たっぷりと時間をかけるわけにいかないからですね。
かつ、デザイナーのポートフォリオやプログラマの作品に比べて、企画書だけで済むゲームプランナー職の応募数は多いのです。(大手企業の場合、エントリーだと1万人と聞いています。ほぼ、エントリーシートで選別されるので、企画書提出まで行くのは、それほどの数ではないでしょうが)選考する企業サイドは大量の企画書をチェックしなければいけないので、当然と言えば当然です。上記の理由から、学生が企業に提出する企画書は“提出する全ての企画書は、企画概要が解る5枚程度の見やすい物”となります。

このように、企画作成者は“膨大な情報を、解りやすく整理して企画書に記載する事”を求められます。この要求が「文字が多くて、見づらい企画書」を直せの真意です。

この修正意図に必要な意識は
① 5枚に書かなければいけない要素を明確にする
② 大量の文字を使わずに説明できる“図”(画像+説明文)を設定する 
ですね。以下、説明します。
まず、5枚での構成に関して説明しましょう。
学生の企画書は、なぜか1枚目を表紙だけに使って、残り4枚で勝負しようとする傾向が強いです。しかも、ゲーム内容をイメージしにくい画像を表紙に使って入り場合も多いです。
例えば、リアルタッチ3Dゲーム、ファンタジー世界観のアクションなのに、画像はファンタジー世界観を示す“アニメ”『転スラ』の剣士をイメージに持ってくる。読み手にしてみれば映画『ロード・オブ・ザ・リング』や『キング・アーサー』などの実写映画の方が伝わるのですが“企画書制作者の基礎知識に実写映画のデータベースが無いために、アニメ調を持ってきてしまうわけですね。(実写風のステルスゲームを考えているにも関わらず、ルパン三世と怪盗キッドを持ってきたケースも)
このイメージ画像のチョイスの幅が、2番目の重要修正行為“大量の文字を使わずに説明できる“図”(画像+説明文)を設定する“を困難にするケースも多いです。大概、”表紙を一瞥し”腑に落ちない企画書”は2枚目以降にも同じ問題を抱えていると思います。

では、どのように企画書などの説明資料への図を作成するべきか?
明日は、その手法について、僕のやり方を書きたいと思います

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