【創作】ドット絵:ゲームから小説への継承【ピクセルアート】
今回は、水面下でちまちま進めていたドット絵(ピクセルアート)について。
もともと「作りたかったもの」に必要な素材が揃ったので、ご紹介します。
ドット絵とは?
ドット絵というのは、どんな世代の人にも一番伝わりやすいのは「ファミコンのゲームみたいな絵」のことです。
英語由来でピクセルアートとも呼ばれますが、私は「ドット絵」や「ドットを打つ」という表現が馴染み深いので、こちらを使うことが多いですね。
ゲーム作りをしていたころは、毎日やっていました。
作品の表現の場を小説に変えてからは、当然ながらやる機会が減ってしまいましたが、やっぱり好きなんですよね。
ただ、時間を食う作業でもあるので、優先順位は下げています。
過去の制作物
過去に描いたものをいくつかご紹介。
※キャラクターを描くのが好きなので、背景は基本的に画像を加工してそこから手を加えています。
変わり種としてはこちら。
GACKTさんがこれまでにステージや音楽などで表現されてきた、物語の登場人物などを中心に描いたものです。
映画『MOON CHILD』や、大河ドラマ『風林火山』で演じられた上杉謙信、ゲーム『武刃街』の主人公や『クライシス コア -ファイナルファンタジーVII-』に登場したジェネシスもいます。
余談ですが、クライシスコアは2022年12月13日にリマスター版が発売されましたね。
こちらはドラゴンクエストの30周年に合わせて用意したもの。
キャラクター自体は、昔作ったものでした。
『METAL GEAR SOLID』を題材に作ってみたものですね。
こちらは小島秀夫監督の『DEATH STRANDING』(デス・ストランディング)。
最新のゲームをあえてドット絵で描くというのも面白かったみたいで、Twitterで小島監督にお送りしたところ、リツイートして頂けました。
こちらも『DEATH STRANDING』より。
こちらは『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』のファンアートみたいなものです。ゲーム内では登場しないシーンを描いていたりします。
オリジナルのゲーム作品より。
並べると、粒が揃っていてよりイイですよね。
新規に制作スタート
長い間、ドット絵からは離れていました。
2022年8月末。
思うところがあり、ちまちまやろうかな~とはじめました。
ファミコン~スーパーファミコン初期のような、少ないドット数を意識してスタート。
自分のキャラクターを仮組みしてみたのですが、これでもまだ大きいかな~と感じました。
で、こんな感じに落ち着きました。
チープさがカワイイかなと思います。
かつて行っていたゲーム制作の後期では、解像度があがっていくにつれて、ひとつひとつのキャラクターや小物に、より多くの時間をかけなければならなくなっていました。
ドットが小さく細かいほうが仕上がりは綺麗なんですが、労力がかかりすぎる。
ましてや私は、ほかにもいろいろとやっているので、たくさん作れない。
なので、あえてチープな外見で、ちょっとした時間に小物がひとつできるくらいがいいんですよね。
草原と水場もできました。
やっぱり好きなので、少しずつ追加していけたらいいな~と思ってました。
このときは。
半年ほど経過して
2022年9月くらいにはじめたものの、その後完全にストップしていました。
NFT活動やLINEスタンプを作ったり、ほかのことを進めていましたので、なかなか手をつけられなかったということに加え「必須ではない」ものだったので、いつもあとまわしになっていました。
あとまわしが重なって完全にストップ。
で、最近になって私には「やっぱり必要」だ~と奮起して、一気に進めました。
こういう作業は1点に注ぐ集中力が大切ですね。ドット絵なだけに。
画像にあるものが全部ではありませんが、こんなふうに街を作るための素材が揃いました。
一部ですが、改変可能なフリー素材なども使用させて頂きました。
ゲーム制作用のツール『RPGツクールVX Ace』で使用できるように規格を揃えたので、これで私が作りたいマップが組めるようになったわけです。
試しに組んでみたのがこんな感じです。
当初の予定通り、ファミコン~スーパーファミコンあたりの、チープさが漂う雰囲気が再現できたと思います。
美麗なドット絵も好きですけど、想像の余地がたくさんあるスーパーファミコン版の『ドラゴンクエストV』くらいの雰囲気が特に好きなので、そのあたりを意識しています。
マップチップの用途
「必須ではない」から「やっぱり必要」だと変化したのは、もともと用途として考えがあったからです。
ゲーム制作の再開?
いえいえ、そうではありません。
それは『自作小説の舞台の見取り図作成』です。
たとえば推理小説などでホテルを舞台とする場合など、本文を書きはじめる前に、方眼紙などにホテルの部屋割りや間取りなんかを描いたりすると思います。
小説を書かない人でも、そういった見取り図が必要そうだということは、なんとなく想像できますよね。
推理小説でなくても、建物の位置関係の確認のためだとか、小説を書いていると「どうだったかな」というときに視覚的に確認ができるので、用意している作家は少なくないと思います。
作品が戦記ものであれば、視点をもっと広域にして、地形や敵陣営との位置関係、砦や兵の位置など紙や地図などに書きこんで用意するものだと思います。
完全に頭のなかの想像だけで書き進めると、矛盾が生じやすくなるからですよね。
私も、長篇小説を書きはじめる前に、まず物語の世界の「世界地図」を作りました。
ネタバレになるのでネット上に全面を公開はしていませんが、部屋の壁に大きく印刷したもの(120cm✕84cm)を貼っています。
上の写真の壁に見えるのが、創作物語『夜明けの続唱歌』の世界地図。
地図が完成してから、最初の小説を書きました。
当初は私も、紙に簡単な見取り図を描いたり、コンセプトアートのようにざっくりと風景を描いたりしていましたが、それがあまり楽しい作業じゃなかったんですね。
理由は単純に「見栄えが好みじゃない」から。
小説のための見取り図なんて普通は公開するものでもないし、基本的には作者の頭のなかにあるものなので、簡単な走り書きだっていいし、もっと言えばなくてもいいもの。
でも、舞台となる街の見取り図を、ゲーム制作のときのように「マップ組み」できたらもっと楽しいだろうに、と思ってしまったわけです。
それは、そもそも私が小説の前に、RPG(ロールプレイングゲーム)で物語を表現しようとしていたから、自然な流れだったのかもしれません。
コピー用紙にボールペンで描き殴ったマップは見返す気になりませんが、ゲームのマップは眺めているだけでワクワクするものです。
持ってもいないゲームの攻略本を買って、掲載されているマップを眺めているだけで楽しいという、私みたいな人もいると思います。
だからそこに時間を割いてしまう。
自分がより楽しくモノ創りするために、できることを思いついたらやってしまう。
我ながら、なかなか困った性分ですね。
『夜明けの続唱歌』2巻を書く前には、実際に『RPGツクール』を使用して、物語の舞台となる簪呂国(カザクロフト)という街を作りました。
思った通り、街の隅々の路地までマップ上にあるので、細かなところまで位置関係が明瞭です。
『夜明けの続唱歌』3巻も、2巻と同様に物語の舞台を作成。
無事に物語も書き終えました。
また、短篇小説『Maria』では、過去にRPGとして完成していた物語を小説化したため、マップはあらかじめゲーム内で確認ができました。
ゲーム的に組んだマップを見取り図として小説を書くことには大成功。
ところが。
ここまでの段階では「借りものの素材」を使用してマップを組んでいたので、素材の過不足も多々あり『自分で用意・調整した素材でマップを作りたい』欲が、ふつふつと燃えていたわけです。
実はそれこそが、2022年のドット絵制作開始の、本当の発端でした。
「必須ではない」と見送ったものの「やっぱり必要」だったんです。私には。
夜明けの続唱歌 4巻 の舞台
晴れて「自分で用意・調整した素材」が揃ったことで、次回の4巻の舞台である街を組むことができました。
A4用紙や方眼紙に描いたモノクロの見取り図よりも、圧倒的にワクワクします。
『夜明けの続唱歌』はシリアスなファンタジー作品なので、この見取り図はあくまで執筆時用のみの役割にすぎません。
ですが私には、地面の凹凸や、老朽化で一部がちょっと崩れた城壁、ここに並ぶ建物の、壁の溝に詰まった雪の、さらにはその結晶まで見えます。
もちろん、ここで生活する人々の表情も。
つまり「自分の想像力を刺激するものを自分で作った」というお話でした。
4巻を書きはじめるのが、ますます楽しみです!
作品紹介
<夜明けの続唱歌>
オリジナルの世界観による重厚な長篇ファンタジー。
本文に加え登場人物も描いています。
▼作品紹介ページ
▼小説(note)
章ごとに1記事として公開しています。
マガジンでご購入頂くと記事単品よりお得です。
▼マップ作りで火が着いてキャラクターも作りはじめました。
それでは今回はこのへんで!
最後まで読んでくださってありがとうございます(´ω`)
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