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思い出はいつもキレイだけど
・それだけじゃ腹が減るっつってんでい。
・大学生になりたてのころ、バイトあんまし続かなかった。
・基本的に対面で誰かしらと関わるのが嫌だったものの、応募するのは飲食店ばっかだった。
・なぜなら時給がよかったから。
・でも続かなかった。
・バイト先の環境に適するため事前に用意したペルソナが的外れだった、みたいなケースがほとんど。
・体育会系のノリは嫌いじゃないけど、根はゴリゴリの根暗なので事前にそれ用のペルソナ用意してないと対応ができないのである。
・かといってハツラツ系で行こうとしたらめっちゃ落ち着いた感じの雰囲気で「ほよよ❓」ってなったり。
・難しいね、人間。
・そんなこんなでたどり着いたのがお好み焼き屋。
・ここが最後にして1番長く働いてたところだった。
・メインは夜9時からラストの締め作業まで。大体3〜4人程度で回せるくらいの緩やか〜な時間帯。
・エビス様の擬人化(?)かってくらい温厚な大将をはじめ、同学年のゴリラみてーなダチ、フリーターの兄さん、副業としてシフト入ってるオジキ、ホントかどうかわからないとんでもない経歴の姐さんなどなど。
・バイト先って大抵キャラ濃ゆいヤツがわんかさいるもんだけど、ここも例に漏れず。
・仕事中は最低限の会話しかないけど、締め作業を終えたあと、このメンツでの事務室でのゆったりした雑談とその空気感が居心地よかった。
・あるとき、大将が「みんなお疲れ〜」とあるモンをオレたちに配ってくれた。
・これ。
・いわく、大将がそん時どハマりしてたらしい。
・で、買い過ぎて処理し切れず賞味期限間近になり、慰労も兼ねてオレたちへ配給がなされたという流れである。
・こんとき食ったこのプリンがさぁ。
・もう最ッ高に美味くてよ。
・別にその日になんかデカい失敗したとか、落ち込んでたとか、そういうのはな〜〜んもなかったんだよ。
・いつも通りシャカリキに働いて、キッチン締めて。
・みんなお疲れ様〜、みたいな。
・でもこんとき食ったこのプリンがいつまでもいい思い出として残ってる。
・なんでだろうな。
・プリン自体が超ウメーのは間違いない。
・大将がハマってたのもわかる。オレもこれ貰った次の日からスーパー行って探しまくったもん。
・他の味も出てて全部食ったことあるけど、このチョコプリンが1番だった。1番ウメェ。
・今日この極プリンを見つけて、そんな思い出に浸っちゃってた。
・箱で売ってないスか? って聞いたらバイトの子が困惑しながら裏に確認取りに行ってくれた。可愛いね。チューせえへん?
・まぁ店頭にあるもんでラストだったんだけどね。でもそれ全部買ってきた。全部オレが食う。
・この極チョコプリン、オレの思い出補正を差し引いてもウメェのでオススメです。
・でもオレんちの近隣では買うなよ。オレが買い占めるから。
そんだけ。