ロアッソ熊本戦 試合前雑感(2022年 J2 第36節)
こんばんわ。ひだりです。
山口戦、みなさまお疲れ様でした。
やはり後半飲水タイム後、75分以降でしたね…。
厳しい一戦のあと、帰路につく頃、バクスタ3階のアプローチからは真正面にぽっかりと明るい月が浮かび、多くの人々がスマホを取り出し写真を撮っていたのは、なかなかに印象的でした。
つらくしんどいのですが、お月さまきれい!と娘がはしゃぎ、満月の下、妻ときゃっきゃとジャレている絵は、それはそれでスタジアム体験だなと思った。
厳しい状況ながら、次節は9/14(水)平日開催なので、試合がすぐにやってくる。それが悲劇なのか救いなのかはわからないですが……軽く雑感だけ書き留めておこうと思います。ロアッソ熊本戦、ライトプレビューです。
ロアッソ熊本に関する所感
(個人的に)今季のJ2で最も美しいフットボールをするチーム
お世辞でなく、今年のJ2で最もおもしろい、美しいフットボールをしているのはロアッソ熊本だと個人的に思っています。
中盤ダイヤモンド343の初期配置から、グリグリと縦横無尽に動き続けるトライアングル。長短・低速高速のパスでフィールド上に描かれる大中小の自在な三角形の美しさ。
守って狭く、攻めて広く、サイドの仕掛けでえぐりこみからのシュートも、パスと目の合うFWの飛び込みも、攻守のアクション全部が「ゴールを奪う」を目的としたアプローチで徹底されている。
ロアッソ熊本の大枠の戦術的な部分は前回ホーム対戦時のプレビューから大きく変化はない印象なので、詳細解説はそちらに任せようと思います。
大枠は下記をご参照ください。
ただし、変化はないのは「大枠」。そのディテールは明らかに鋭さを増していて、前回対戦時とは別レベルにあるように見えます。
今シーズン、小川航基、チアゴ・アウベス、中山仁斗に次ぐ12ゴールを奪っているJ2最強クラスFW高橋利樹。7月のJ2月間ベストゴールを受賞した杉山 直宏。
FC東京から今夏覚悟の移籍を決めた平川怜は入団時は久保建英と並んで評された逸材。
そして、なにより熊本のサッカーは「攻撃的」という点でフィールドプレイヤーの意識が完全に統一されており、どのポジションで選手が変わっても熊本のサッカーを継続できる点に凄みを感じる。
血気盛んな若手が全力で駆け回るフィールドの最後方でベテランGK佐藤優也がゴールにどっしりとカギをかけるバランスも絶妙。ペナルティエリア外に飛び出さない方の佐藤優也!
目下3連勝。特にホームでは5戦連勝を続ける熊本。そのホームに乗り込む今週の町田。
アグレッシブなプレスにダイナミックな展開と、繊細な軌道でゴール前を強襲するクロス、ゴールへの貪欲さを隠さない伝統のタフなプレイスタイル。
現在の町田の状態もふまえて考えると「非常に困難な相手だな」なんて気持ちしか沸かないのが正直なところですが、それ以上に心配なのは、やはり自チームの状態です。
FC町田ゼルビアに対する所感
今節、狙うであろう攻め手そのものはシンプルです。
熊本を攻撃に引き込んで裏を取る
ハイプレスでのボール奪取と、そこから先のオフェンス局面の数的有利を目指し、左右のSBが両上がりするくらい前のめりなサッカーをしてくる。
熊本川の攻撃局面の中盤でボールを強奪できれば、ゴールへのルートは自ずと見えます。
特に狙い目は2点
343の中盤ダイヤモンド ◇ の底を担う名手・河原を越えた両脇背後のゾーン。
1をケアしてくる守備ラインの裏
ロアッソは、このあたりを突いてくる相手の狙いを明確に理解した上で攻撃的なスタイルを掲げているチームであり、そもそもこの2点を突く事自体簡単ではないですが、ボール奪取後、相手を引きずってでもゴールに突入する勢いがなければ、熊本の狭く分厚い守備を貫くことは難しい。
新潟は熊本の中盤でのパス連携を前後の挟撃で挟み込みボール奪取。素早く前線の谷口海斗に預け爆走、サイドに走り込んだ小見洋太が決めて得点。この得点が決勝点となって新潟が勝利しました。
ロアッソのようなチームに対する中盤攻略としてまさにお手本。お見事。ボールを取りきれる状況を作るには、奪いどころを定めて、守備者と前線双方で人とボールに寄せ、圧をかけながらハメこむ必要がある。
守備のコンパクトさと強度は大前提に超重要。
ロングボールに競ってスピーディーにDF裏へ
サイドからのハイクロスにヘディング勝負ワンチャン
最近の熊本敗戦は上記の8/20新潟戦、その前は7/30のFC琉球戦にまで遡ります。
しかもFC琉球は2得点しているじゃないですか。
気になりますよね。ハイライト見てみました。
1点目 GKロングボール⇒サダムスレイ ヘディングでFW阿部⇒阿部冷静に浮かせてフィニッシュ
2点目 サイドから高いボールのクロス⇒サダムスレイ ヘディングでゴール
即効性のある方法としてはサダムスレイを連れてくるのが手っ取り早そうですがいろいろ無理があるのでその方法は取れません。
フィールド上でのせめぎ合いをハイボール中心で回避して、競り合い勝負して先にボールに触ったらスピーディーに敵陣ゴールを目指すプランです。僕これやってたチームすごい知ってます!
山口戦でも気になったけど、福井はリスタートで無理につなごうとするのではなく、基本的には思い切って前にボールを蹴っぱるのがいいと思います。
蹴ったボールはテセで解決しよう。。
ボールを奪っていかにスピーディーにフィニッシュできるか
1つ目の狙いとも共通するのですが、今節重要なのは、ボールを奪ってからフィニッシュに持ち込むまでのスピードです。
熊本の攻守トランジションで守備が戻る前に前進〜シュートまでを、10秒するかしないかの範囲で電撃的に持っていきたい。
雰囲気的にドゥドゥはまだ難しそう…なら、中島は本来まさにこの手の戦術に使える選手なのだが…ヘディング飛び込みもできれば、サイドに回ってエンジェルクロスも出せる。
ただ、残念ながら、いまの町田はあまり手を出さないタイプのプランっぽい…本当はやれる手があるとは思うんだが…。
選手が「闘える」戦い方を
ロアッソが攻撃志向の極めて強いチームな分、できること、撃破のためにやらないといけないことは明確です。
ただ、戦術的な意味でも、それ以外の意味でも、今節望みたいのは、「選手が90分闘える戦い方をしてほしい」ということです。
山口戦前半は、ポジショニングやゴール前でのバトルも含め高度な両チームの駆け引きは感じたものの、全体としては動きが乏しく、熱量の低い試合に終始して見えた。
もちろん、山口を引きつけてカウンター狙いは理解できるものの、時計を進めて賢い試合運びを図ろうとしても、交代要員含めて終盤に圧をかけてくる相手にこちらが走りきれず陥落する試合を毎回見せられるのは厳しい。どM向けすぎる。
わかりきっている失点の形で、思わず座席の横の壁を叩いてしまいました。本当にいったい何を見せられているんだ、と。
選手は全力の全力を尽くしていることも理解している。
謹製疲労が山積みで選手と試合 の状況を守るゲームプランを遂行できないのは意図してやらないのか、状況的にハナからできないのか…。
少数精鋭のネガ影響が出てきている状況とはいえ、揃っているのは本当に精鋭。だからこそ、このメンバーでJ1に行きたいわけで、本来の彼らは全くこんなものではない。
ゼルビア戦士たちが闘志を持って走り、跳び、ぶつかって、戦い、全力でやりきれる試合を見たい。切実に、そこを考えてほしいなと思う。
感情が表に出やすいタイプなんだろうな、太田。君のこういう最高の笑顔こそ見たい。
だいたい、まさにできてるじゃんロングボール競ってつないでスピーディーなゴール。
強い心で、この3年間、町田がやってきたことに自信持って、打ち出してほしい。この1戦の勝利を手繰り寄せるための、戦術以前に超重要な最低条件。
まとめ
本当は明日公開予定でしたが、寝際に郡司さんのレポ記事を読んでしまったがために「あ、今日書かなきゃ」モードになってしまった。
本当は、ネガな話はあまりこのレビューで書きたくないんですけどね…もう寝ます。
熊本の状態の上がり方、連勝を続けるホームの雰囲気も含め、野津田での試合の時のような、互いに均衡した空気のソリッドな試合にならないの気がします。
苦しい状況。
町田は、全力で守り、執念でゴールをこじ開けなければならない。
それ以外の手はないことは明らか、なのだからこそ、堂々とチャレンジャーらしい全力の戦いを見たい。
連戦下では回復もできることもごく限られる状況ですが、アウェイに赴くチームの武運を心から祈っています。
会社帰りの小田急線、DAZNから爆念送る予定です。諦めない!共闘!
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