ジェフユナイテッド千葉戦 対戦前雑感(2022年J2第31節)
こんにちわ。ひだりです。
大分戦は太田・山口・アーリアを欠く厳しい状況の中、善戦を続けたものの、最後の最後でゴラッソいかれてしまいましたね。
耐えきってほしかったし、あのフィニッシュは戻りオフサイドなんじゃないか?という気はしますが、VARもないJ2基準で、あの中距離のスピードパスからあの強力なシュートでは、審判に取ってもらうのもなかなか難しいのも理解できる。逆の立場なら当然のゴールです。
なにより審判にクリアにオフサイド判断させるくらいにラインを上げるだけのメンタルもフィジカルも、町田の選手のスタミナは底をついて残っていなかったとは思います。
後半60分過ぎ以降は顕著に持たれすぎていましたし、交代策でもう少しなにかやり方がなかったかとも思いますが、怪我やコロナの影響も大きい中、ベンチとしては手がない、サポ以上にクレバーな状態にあったのは事実なのかなとも思っています。
総じて大分の戦術・個人スキルはともに非常にハイレベルで(これでJ2いるの?って印象すらある)力負け、ではないけれど、大分の力に屈した引き分けだったと思います。
ともあれ、選手入場のLOVE ME TENDERを現地で聴いてちょっと泣きそうになり、大分サポのチャントも力強くリズミカル、パワフルでした。
青城祭の出し物や花火、竹灯籠などイベント演出も素晴らしい雰囲気を作っていたし、ゲームとしては非常に面白い試合で、イベントとしてはとても満足感の高い1日でした。
改めて、ゲームの運営に関わるチーム・スタッフのみなさま、本当におつかれさまでした。
さて、勝ち切りたかった大分戦を引き分けにしての千葉戦。
上位陣の苦戦も手伝い、まだ7位ながら勝ち点差もやや開いてきているので、もうあとは勝つだけ。引き分けでもプレーオフ圏は遠のくし、うしろには町田より試合数の少ないチームが1ゲーム差内で並んでいます。
昇格を考えるとなかなか後がない、という状況での千葉戦です。千葉戦かぁ・・・。
千葉ハイライト見て雑感
ユン・ジョンファン監督のサッカーが、浸透したなぁという印象。
最大の武器は3421でコンパクトな距離感での自陣守備で奪い取ってのパワフルなカウンター。
中盤密度の高さを保ち、激しくボールを奪いに来るし、なんならCKなど自陣ゴール前ですら奪ったところからのロングカウンターでゴールを取り切る。攻守の上下動への約束事がしっかり徹底されてる印象です。
ブワニカ啓太・櫻川ソロモン・チアゴ デ レオンソの3名をローテーションした組み合わせで2トップを形成。
前線のボールの収まり・フィニッシュに持ち込む強度を交代策ふくめ90分通じてパワフルに維持できます。劣勢時のパワープレイ前線放り込みすら非常に怖さがある。
ホーム千葉戦でも、町田が先制した直後にセットプレイでDF鈴木大輔に決められてましたね。
中盤の危機管理・前線への高精度なボール供給でチーム全体に大きな影響力を持つのが名手・田口泰士。今年、本当にキレキレですね。相手がボールを受けたいスペースを的確に埋め、攻撃の初手を激しい当たりでつぶし、前線への鋭いパスを差し込みながら、警戒して引いてくればパンチのあるミドルシュートもいける。
交代策を含めて90分+ロスタイム、試合を締め続けるデザインできるのがユン・ジョンファン監督の巧みさ。というか・高木俊幸・見木・熊谷アンドリュー・福満・新井一耀・米倉恒貴…そもそも陣容がめちゃくちゃ揃ってるからなぁ…。
そして最後方に新井章太。新井章太、絶対町田のことお得意さんと思ってるよね。非常に豊富な経験をしっかり武器にしていて優秀なGK。町田からは止められまくる印象しかない。
少数精鋭陣容のカウンター食らってる町田。後半疲労で落ちるスカウティングふまえ、後半、圧を高める采配をしてくるでしょうね。後半から櫻川ソロモンきっついなー。
町田の戦い方
相手敵陣でのパス交換から一気にフィニッシュへ
攻撃の起点として守備の意識が強い分、ボール・人の動きに応じて強く行く傾向が見られる。相手陣内でのパス交換でいなして、守備者を食いつかせ、ベクトルを前に持っていかせたい。
守備者を前掛かりにさせたところへ、裏のスペース〜ヘディングフィニッシュ狙いのラストパスまたはクロス。
ジェフの守備の強固さから単騎で決めきるのは簡単ではないので、フィニッシュも人をかけたい。オフサイド取られてもいいくらいのタイミングで1名裏抜け、そのフォローに1名、こぼれの逆サイドに1名くらいゴールへと雪崩込みたい。
具体的なイメージとしてはドゥドゥ(またはヴィニシウス・アラウージョ)&太田が近距離でゴール強襲+平戸・アーリア・安井がラストパス&フォローの動き。
最後は必ずシュートで終えたい。
楽にボールを取らせない
ボールを取られれば、間髪入れずにジェフ最強の武器であるカウンター発動が待っている。
攻守の積極性がユン・ジョンファン監督のサッカーのキモなので、その積極性を活用して、相手が前に出た裏をかきたいゼルビアにとって、敵陣でのリスクを取ってのパス連携は不可欠。(なんせ3点取らないと勝ちきれないのだから。。。)
パスミスは絶対にまずいし、こぼれ球等でイーブン〜体制不利な勝負になった場合は、ボールを上空へ蹴り上げて時間を作り、速攻を発動させないようにしたい。
千葉は前衛がパワフルなので、多少アバウトでも前にボールを入れる攻め方が有効でもあるので、楽にボールを取らせないことが重要。
海舟が元気なら田口に張り付かせたいところなんだがなー。
自陣守備では手はうしろに
千葉戦が来るたびに思い出す3-0からの3連続PKでの3-3ドロー。あれ2018年だったんですね。。
町田DF陣の自陣守備時のハンド対応は、あの試合を経て確実に改善しました。僕も現地で見ていて「はぁ?」「はぁっ!?」「はぁああああっ!!!!???」ってなった、まじでトラウマです。
正しくトラウマって、千葉戦が来るたびに思い出そうと思います。
あの虚しさを二度と繰り返さぬように、チームのレガシーとして残してほしい教訓です。
攻撃的な交代策
さすがにそろそろ「守り切る」発想は捨ててよい気がします。
先制しても、後半落ちたら攻め達磨にできると思って相手が試合に望んでくるので、先制点を防衛しようという発想が逆に足枷になる効果が大きそうです。
相馬時代からの経緯から町田はウノゼロの美学への憧れが強い土壌
あると思いますが、今年については「攻め倒す」姿勢を90分間貫く方が、結果相手が嫌がる試合運びになる気がします。
リスクがあるのはよく理解できるのだけれど、テセと太田宏介セットで25分出してみてほしいな…。
新井章太を無効化する
新井章太、ポポゼルビアの戦術・攻撃手法との相性があまり良くないタイプのGKというか、ある種、裏・町田キラーと言ってよい選手かも。シュートストップと判断がピカイチなんですよね本当に。
正面から挑んでもなかなか突破できるイメージがわかないので、守備範囲を突破できる速いグランダーや敵陣での逆サイド振りで、GKの守備を無効化するアプローチで決めきりたい。
そういうゴールを決めるには、敵陣ゴール前で適正な距離感と数のアタッカーがしっかり仕事できるスペース取りが重要。
アタッカーがアタッカーの仕事しやすいようにするには、ボランチラインは少し高めに設定するのがベター。千葉の大好物ですが、成果を得るためにはリスクを取るべき。
今治から復帰の岬が出てゴール決めてくれたりすると、チーム全体盛り上がるんだけどなー。雰囲気あるからボランチ補充で終えるには本当に惜しいよ。
今治でもなかなか出場機会を作れなかったものの、本来アンダー世代日本代表にも選ばれる高校サッカーのスター。復帰させるからには、町田にも、力を引き出してあげる一定の責任はあると思う。
まとめ
結局、補強は太田宏介と岬の復帰の2件まででしたね。
登録選手の移籍期間は終了しましたが、フリー移籍など含め今後の増員も引き続き検討はしてほしいところ。ともあれ、ひとまず今年は、このメンバー・このやり方で戦い抜くことになるのでしょう。
twitterのTLもやや荒れ気味ではありますが、これはこれで、良いんじゃないかという思いもあります。なんというか、苦しみ方が実に町田らしいというか……。
シーズン終了後には、勝利を逆算したチームビルディングを実行できる体制強化が必要だと思います。
でも、別に今シーズンはまだなにも終わっていません。
あと11試合あり、プレーオフ進出の可能性は十二分にあります。
上位陣がクラッシュしまくる僥倖レベルのラッキーも必要ですが、自動昇格の可能性も決して0ではないです。
結局のところ、最重要なのは目の前の試合を勝ち切ること。それだけです。太田宏介・晴山岬も、全力でピッチの上で価値を証明してほしい。
今夏の補強で追加された最上のものは、2人の持って帰ってきたその「気持ち」。心に秘めた2人の熱量をトリガーに、チームに火をつけてほしいです。
今節も、全力で応援します。共闘!