見出し画像

【プレビュー】vs川崎フロンターレ 上位戦線で試される「町田らしさ」との対峙【FC町田ゼルビア2024年J1第33節 Make a New History】

こんにちわこんばんは、ひだりです。写真は懐かしい2018年最終節です。

今回、なるべく早めに出すのが大事かなと思い、ちょっとざっとなのですが出します。(結局木曜ですが。。)
ホーム野津田の川崎フロンターレ戦プレビューです。

リーグ戦ハイライトなどもまとめて置いておきますので、試合前にでもご活用ください。
前回対戦時のプレビュー・レビューは下記。前回対戦思い出す一助にどうぞ。

どうぞよろしくお願いします。


川崎フロンターレ リーグ戦ハイライト

32節 新潟戦

31節  名古屋戦

30節 サガン鳥栖戦

29節 札幌戦

27節 横浜FM戦

26節 FC東京戦


※28節 浦和戦は雷雨による雨天中断・11/22金開催予定。

川崎フロンターレの特徴的なスタッツ

Football LABのチームスタイル指標のデータをもとに、川崎フロンターレについて目についたデータを町田と比較してまとめたものが以下の表です。

  • 敵陣ポゼッション指数 1位

  • ショートカウンター時シュート率&ゴール率1位

  • ハイブロック指数 3位

  • カウンタープレス(即時奪回)時守備成功率1位

激しいプレスからショートカウンターという狙いは町田にも似た部分ありつつも、奪ってから先はやはり川崎らしいシュート〜ゴールへ持ち込む精度の高さが光る。

カウンタープレス(ゲーゲンプレス)で成功すればシームレスに攻撃へ、即時奪回できなければ高い位置でブロック強いて相手の前進に対して前目から規制をかけながらボールの回収を狙う。

川崎フロンターレの戦術と課題

フォーメーション:4231-442

基本フォーメーションは4231〜442。攻撃時は自陣2CB2ボランチ中心にゲームメイク、高い位置を取るSBも絡んで前進。相手陣内に侵入すると相手守備者の間のスペースを使う積極的なランニングとパス連携で守備ブロックを崩していく。ネガティブトランジション時は前線31中心としたハイプレス→ボランチ含め前中6枚のハイブロックと推移し、自陣守備コンパクト442へと収斂していく。

ボールを収め、強引にゴールへ迫れるエリソン・山田新が前線の起点。
右SHは前線でタメを作りチャンスを創出する家長、左サイドは独特のリズムのドリブルで個人戦術になるマルシーニョが主戦。
優れたタレントが並ぶ隙間を脇坂、橘田、山本悠樹、遠野、  瀬古 などそれぞれ総合力・個性を備えた中盤勢が2列目からサイドから入り込み鮮やかな攻撃を繰り出す。

※24/10/13 11:53 更新:瀬古は8/31 付けで移籍しておりましたので打ち消しとしました。自分の確認不足による誤りなのであえて削除は致しません。失礼しました。

最終ラインはU23→A代表と成長最中の高井と3年目の佐々木旭が中央を支え、左右に三浦颯太、橘田、ファンウェルメスケルケン際など。ていうか佐々木旭、CB13・LSB10・RSB3でのスタメンを刻む守備のマルチロール。

https://www.football-lab.jp/player/1633162 より引用

橘田もだけどサッカーの理解度高い選手が揃う川崎だからできる凄み。

また、7/3 トレーニング中の負傷でブラジルへ帰国していたジェジエウが今週帰国していたようです。いまのところ回復状況が見えていない、トレーニング復帰などの話題もない中なので、さすがに今節は出場ないと思いますが、リードした状況での守備固め要員でベンチ入りなどすると、それはそれで厄介な存在です。

伝統のショートパス+前線一発の打開も描けるチーム

前節新潟戦ではエリソン・山田を活かして時に裏への一本も狙う速い攻めとショートパスでバイタルからゴール前をつなぐポゼッションの併用の強力さが光った。ボールサイドをコンパクトに保ったパスルート封鎖と素早い寄せで新潟のポゼッションをノッキングさせ、巧みな試合運びで5-1の快勝を決めた。

今夏ボランチ河原の加入でボール奪取・守備範囲・強度がアップ、かつ奪取からの攻撃がとてもソリッドになっていて、伝統のショートパスを刻むテンポだけではない、前線一発の打開も描けるチームになっている。

課題:戻りながらの守備とハイボール対応

一方で、前から行く守備の性質上、裏を突くボールの配給でディフェンスの戻りがバタつくシーンが散見される。

クロスやセットプレーでのハイボール対応、スローインでのボール後逸、サイドからの仕掛けでファーが空きがちなど、守備対応がアグレッシブゆえの問題から失点やピンチにもつながっており、ここ数試合も主にそうしたエラーが出た試合で星を落としている。

昨年のJ2時代から町田相手の対策としては

  • 引いてカウンターの構え

  • がっぷり四つで前向きに闘って勝ち切る

が鉄板だったが、フロンターレが選択するとしたら、どちらかというと、いなすパス技術も活かして後者を選択する可能性は高いように思う。

積極性に定評がある川崎だからこそ、裏を取ることのできるタイミングはおそらくどこかでは巡ってくるはずで、町田は鮮やかなパス展開で揺さぶられようがスペースを突くランニングに引っ張られようが、骨太にゴールを塞ぐ姿勢をブラさずに耐え、1瞬訪れたチャンスを全力で掴み、モノにしていく必要がある。

ゼルビアの戦い方

ファーストプレイから最初3分の覚悟

ファーストプレイから最初3分で、観客に伝わるプレイを表現できるか。選手もスタッフも関係者もファン・サポーターも、クラブに関わるすべての人にとって今節の入りは非常に重要に思います。

町田ボールなら、ハッキリしたロングフィードに対して、落下地点の選手がしっかりと走り、競り合えるか。こぼれたボールをフォローの選手が全力で回収し、前進とゴールに対する意欲を表現できるか。
川崎ボールなら、ボールの出どころにしっかりと規制をかけ、フィードが飛んでくればエリソン・山田新に収めさせず、ハッキリと跳ね返せるか。

広島戦の序盤で起きた厳しさを考慮すると、今節の序盤はリスクは最小化し、チャンスには粘り強い取り組みを見せ、なんとかコントローラブルな形でゲームに入りたい。パス出しであれ走りであれクリアであれ、曖昧な対応をせず、ハッキリとした形でゲームに入りたい。

ファーへのハイボール

前向きにボールホルダーに向かっていく守備の兼ね合いか、頭を越えるハイボールの処理がやや不得手。
クロスはクリアしづらい高めのボールでファーを狙いたい。

そのままヘディング決めれれば理想だが、重要なのはむしろその後。ピンポイントで合わせなくても良く中への折り返しや落下したボールを詰めるアクションまで集中してやり切りたい。

ボール奪取後、一気のカウンター

奪取後、最終ライン裏に素早く通して一気のカウンター。
川崎は攻撃時、中盤前線のスペースへの走り込みで可変的なポジション取りを繰り返すため、ポジティブトランジション発動のタイミングでは陣形が崩れるケースがある。

ミドルゾーンでボールを奪えれば、おおよそ後衛にはサイドに開き気味の2CB+1.5列目でフォローするボランチの3枚程度が残る。
エリキ・藤本クラスのスピード活かした動き出しをできれば、ボールを奪ってすぐの配球で、両ポケットあるいは大外にボールを通せる可能性は高い。

特に札幌戦での鈴木武蔵ゴールのように、片側サイドを強襲してからのファー詰めは有効。
槍隊全員ゴールに突撃する勢いで走ってほしい。

ゴールを塞ぐ視線の確保とスペース管理

過去のnote見返してみて、前回のアウェイ川崎での対戦も広島との対戦後だったことに気づいた。

前回対戦時、鳥栖→広島が町田攻略に活用したCB-SB間のギャップを突く攻撃に対して、

  • イボ・昌子が前後に出入りしつつも、ボールと相手選手両方を視野に入れる位置、身体の向きを徹底する

  • ボランチが全力で守備戻りしてペナ角埋める

ことで、ゴールを塞ぐ守備が改善したことが、勝利のポイントだった。

町田の前節・広島戦の2失点ともに、サイドと中央、ポケット管理の部分を突いたものだった。

同じ課題のところは当然川崎も狙ってくる。スペースがあればどのようにも自在に侵入してくる川崎だからこそ、相手の出方と危険なスペースを見定める視野の確保は超重要。
ここは正しく前節の反省点であると同時にまっとうな川崎対策とも言える。

守備をどう締めるかは現状というより現体制での第一に来る最重要課題。谷の言でもミーティングで修正はしたとのことなので、今節でしっかりとした改善を見たい。

クイックプレーへの警戒

川崎フロンターレのセットプレーは基本再開が速く、スローインも含めクイックリスタートもよく使う。
広島戦2点目がまさにクイックリスタートで揺さぶられての失点だったので、スローインやファウルでプレーが切れても、集中をキープすることは再徹底する必要がある。

全力で駆け回りながら人間の集中は90分フルはおろか45分+αでも保たない。どこかで息を抜く必要もある。
むやみな時間稼ぎにしない範囲で、自分たちボールでの再開時や審判がゲームを止めたタイミングでうまく呼吸してほしい。

スローインとセットプレーでにじり寄る

いつもの町田のやり方を考えれば、川崎も後ろのスペースをなるべく消すやり方は取ってくるものと思うが、あくまでボールを握り倒す哲学を持つチームなので、引いて耐えてワンチャンスを狙うやり方はいまいち想像しづらい。

もしそうしてきた場合は、むしろ無理に繋ぐよりも、持久戦の揺さぶりとしてロングスローやCKでじわじわとダメージ積み上げていくやり方の方が、被カウンターのリスクを避けて川崎のストロングは消しつつ、町田のセットプレーの強みを打ち出し、野津田特有のホームの雰囲気も出していけると思う。

コンパクトなブロックでマンツーマンの圧をかけ続ける

今週1日(火)に行われたACLE 光州戦(川崎0-1光州)を見ていて感じたのは、川崎ほどの優れた技術力・判断力を持つチームでも、相手との1on1の圧力に晒されながらプレーを続けるのは、非常に苦しむという点だ。

4231-442型だと町田とはフォーメーション的にもある程度噛み合うことが予想される。
撤退守備ではコンパクトなブロック守備を組み、川崎のパスの出し手、受け手に対して常に圧をかけられる距離感で守備対応したい。

もちろん川崎の攻撃時は非常に流動的にゴールへ迫ることから、対面選手にやみくもについていく対応ではゴール前のゲートを自ら開いて開け渡す結果になりかねない。同時に、スペースを開けるとわかっていても前に出ないとならない場面も出るだろう。

だからこそ、守備時はコンパクトを保つ必要がある。もしひとりがボールホルダーに寄せたら、その空いたスペースをどうカバーするか、選手間で声かけ・連携しつつ粘り強くやらせない守備対応が見たい。

まとめ

結局「いつも通りをどれだけいつも通りできるか」みたいな話ばかりなんですが、実際、今週はまさにそういうタイミングかなと思います。

強い相手だからこそ問われる「町田らしさ」との対峙

対戦相手ごとの傾向と対策としてのマイナーチェンジはありえたとして、この時期まで来て自分たちのやり方そのものを大きくガラッと変えることも、変えられることもあまりないと思います。
止める蹴るの技術、ポゼッションの精度・練度・判断力で日本最強のチームのひとつである川崎が相手である以上、小手先の変化で対処できるとも思えません。

そうなると、最も大事なのは、ホームの観客の前で、町田が町田らしいサッカーを見せられるか。選手たちが持つ技術・フィジカル・メンタルをピッチ上で120%出し切れるか。全チームの実力が拮抗するJ1リーグの中で、結局のところ、勝敗はそこにかかってくるのかなと思います。

今節、非常に強力な対戦相手だからこそ、あらためて「町田らしさ」とはなにかと真正面から対峙するチャンスな気もします。

もともとJ3で「勝つ、ではなく、負けない」姿に惹かれてゼルビアの試合を観るようになった自分にとって、はじめから流麗につなぐサッカーを指向していたのなら、ここまで観続けてきたか怪しい気がします。だいたい、そうしたものを見るなら横浜や川崎、東京都心に向かう方が華やかで楽しかろうというのは、町田民の土地のノリとしても、東京人的な感覚としても理解できます。

その上で、野津田に通っているのは、献身的なハードワークを90分+αやり切り、選手たちがピッチにバタバタぶっ倒れる試合が観たいからです。
球際激しく奪い、無駄走りも厭わず、タッチラインギリギリまで足1cm、頭1mmでも伸ばして足掻く、シュートする足がもつれてボールと身体ごとゴールに突っ込むような、全然綺麗にまとまらない泥だらけの全力こそ、本当に美しいものだから。

やつらを黙らせる最高の方法

選手も監督も関係者も、現場は相当に燃えていると思います。(いろんな意味で。。)
広島の地の天王山から下野したこのリバウンドメンタリティ、抱えたプレッシャーに鍵をかけることなく、そのエネルギーをそのまま全力でピッチ上にぶつけ、解き放ってほしいと思います。

トップリーグ昇格初年度にして3位、かつこの謎の圧倒的向かい風は結構、このジャンルの未体験ゾーンなのでは、とも思うので、サポーターのみなさんそれぞれいろいろ思ったり感じたりはあると思いますが、まずは、この状況を楽しみましょう。

「やつらを黙らせる」最高の方法だと思います。

土曜の1戦に向けた選手とチームの努力・献身・取り組みを信じ抜き、今週も戦いましょう。共闘🔥

いいなと思ったら応援しよう!