a certain scene 2
グンソクさんの新しいドラマの撮影が始まる
このスタートにたどり着くまでに
既に
与えられた役
その人がどういう人物であるのか
とことん突き詰めて
その人になりきる
いや
それもちょっと違う気がする
と言うよりも
その人
その一人の人間を
新たに生み出そうとする
グンソクさんを見て来た
そのために
自分に課した一つ一つを
ストイックにクリアしていく
到達率70%
傍から見れば
それでも十分なんじゃないかと
思えるのに
グンソクさんは納得しない
「そこで満足するなら
俺を選んでもらった意味がないから」
無理に無理を重ね
痛々しい程なのに
さらに自分に鞭打ち
歩みを止めないグンソクさん
グンソクさんが生み出した人たちが
ドラマが終わってもなお
この世界のどこかで日々を生きている
本当に存在している人だと思えるのは
ここまでして
その人を
生み出した
グンソクさんの
その人への深い愛情ゆえなんだと痛感する
そしてまた一人
新たな命が生み出され
日々を生きていくのだ