どんなにいたずらしてもいいから〜ペット編
写真はトイレまでついてきて覗いている鳩。
私と息子の大きな節目の日に、帰宅途中の近所のスーパーの駐車場に、その鳩はうずくまっていました。
怪我でもしてるのか、そばを通っても身動ぎもしません。
と、思っていたら車が入ってきて轢かれそうになったので、咄嗟に両手で抱えました。
怪我は無いようなので、明るくなってから逃がそうと足だけバタバタするその鳩を連れて帰って、ダンボールに入れ一晩過ごさせました。
翌朝、近くの大きめの公園に行って放そうとしたら、ダンボールから出てきて周りの草を食べ始めました。
あまりに逃げないので、息子が鳩をつつくと、そのまま腕に登ってきて2人で
「エェーーーーーーーー!!」
と驚きました。
雛から人に飼われた鳩だったのです。
でも、鳩を飼うのは条例に触れたり、レース鳩と違って飼育する種類では無いので、放して帰らねば、と心を鬼にして帰ると決めましたが、頭や肩に乗ってきます。
私たちだけでなく、通りかかる人にも停まろうと飛んでいきます。(飛びかかるという感じでもある)
これは情が湧く、早く帰ろう、と、振り切って帰りました。
広大な公園で、ビオトープを眺めたり、史跡を周ったりして、山を越えて帰り道に向かうと、
道端に目が泳いでぷるぷる震えている鳩がいます。
逃した(というか私たちが逃げてきた)地点からだいぶ離れて山越えまでしているのでまさか、と思いましたが、少し近寄ると、すぐ息子の肩に飛んできて、安心した様子で羽繕いを始めました。
息子「お母さん、なんとか飼う方法無いの?」
私も、これだけ人馴れしていたらかえって危ない気がしているのと、元々鳥好きなので、2人で必死に鳩を飼うことについて検索しました。
後日その公園は野生のフクロウがいて、キジバトのレッグが巣の入り口にいっぱいなんだよ、と言う話をバードウォッチャーから聞いたので、連れて帰って本当によかったと思いました。
そして、自治体に野生動物の保護の制度があることに気づき、そこに相談することに決めました。
自治体に相談した結果、「拾得物として警察に届ける」というアドバイスをいただき、次の休みの日まで、鳩を保護することに決めました。
すぐに飼育できるようなカゴ代わりのケースや餌など揃えて、帰宅したら放飼いにする、という日が始まりました。
朝は餌を食べたら出勤までまとわりつき、帰宅してもほとんど近くにいたり肩、頭にとまるので、可愛くて仕方ありません。
でも、拾得物で届け出る、とアドバイスを頂いたので、休みの日、悶々としながら届け出るため近くの警察署に向かいました。
でも、その時、土地神さんからの強い制止の波長を感じて、鳩は縁があってきたことがわかりました。
でも、届け出なければ法律的に問題が出るかもしれない、どうしよう、と。
でも、この感覚を無視するとマズイことが起こりかねないので、「今日はやめよう」と一旦考えることにして引き返そうとしたら、電話が鳴りました。
自治体から、特別に許可を出すから飼ってもいい、との連絡でした。
あの感覚は間違ってなかったんだ、とウキウキして帰り、息子にも飼っていいことになったと報告したら大喜びでした。
それから、毎日ティッシュとアルコールスプレーは手放せない日々でしたが、楽しい毎日でした。
出勤の時に追いかけてカゴに閉じ込めていく私より、早く帰宅して一緒にいる時間が長い息子によく懐きました。
ところが、次の大きな節目の日、帰宅したら鳩がいなくなっていました。
家のあちこちを探しましたが、隠れていたわけでもなく、おかしいのは、誰かが外から入った形跡があったことでした。
朝洗濯を干す時に頭に鳩が停まりにくるので、庭の施錠を忘れていたのです。
私は警察に届け出ましたが、何か取られたわけではないので、鳩の紛失届を出すしか無かったのです。
私も息子もしばらくしんみりした気持ちで過ごしました。
鳩は放飼であちこちいたずらして、毎日掃除をかなりしていましたが、鳩はなかなか賢く、
•人に停まっている時、服や頭にフンを付けないように避けてしている。
•息子の寝室までついていくが、息子の布団やベッドを汚したことがない。
•寝るときは決まった場所で朝まで寝ている。
人間の都合で部屋で飼っているので、なるべくストレスを感じないように飼っていたつもりです。
また、ちゃんと息子と私を見分けていて、朝ゆっくりしていたら私の部屋のドアをつついて餌の催促に来ていました。
また、玄関から先に無理やり出ようともしませんでした。
節目の日に来て、節目の日にいなくなり、仕事が遅い私のかわりに息子が今の家に慣れるまで、一緒にお留守番してくれたことが、天からの助けのように思えました。
でも、メスだったので、素敵な彼を見つけて幸せに過ごしていたら、それはそれで素敵なことだと思います。
小さな命でも家族です。
素敵な縁とひとときをもらえて、とてもありがたいことでした。
いなくなってしまう前の晩、珍しく一緒に寝るんだ、と言って寝室までついてきました。
私も最初はいつもの寝場所へ誘導しようとしましたが、行きたがらず、
お布団にカバーをかけて、横になると鳩は私のお腹の上にうずくまりました。
カバーを汚すことなく、一晩眠って。
今でも忘れられません。
今はペットロスの寂しい気持ちも柔らぎましたが、やはり時折思います。
縁の変わり目でいなくなったとして、でも、どんなに掃除が大変でも、手がかかっても、またひょこっと帰ってきてくれないかなと考えてしまいます。
だから目の前の人や命の縁を大事に後悔が無いよう過ごしていけたらと思っています。