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【アニガサキ】河村監督の発言から虹ヶ咲2期13話を「再考」する。


はじめに

 ちゅんハロ。ひだまりPです!

 アニガサキ監督の河村先生が最近、Twitter上でアニメの没カットを添えてアニガサキ制作時のちょっとした裏話を語ってくださっているんですが先日2期最終話に対し、このような発言をされていました。

その後、サービス終了するとは夢にも思わなかったですが…。

泣いちゃった

 これ、ぱっと見の印象としては「まさかサ終しちゃうなんてな~~~wなんでやろな~~~w」みたいな皮肉にも見えてしまうところではある。もちろん真意は河村監督ご本人しか分かりませんが、たぶんそれは違うんですよね。

 ひだまりPがこのとき河村先生から感じたのは──スクスタへの「」。

 もちろん、アニガサキ2期が「スクスタワクチン」と言われているようにスクスタで掛け違えてしまったボタンを1から留め直していくがごとき作品だったことはもはや疑いようもないでしょう。しかしそれはそれで、これはこれ。

『塵などではない──
 河村監督にとってはスクスタは──
 踏みつけにするようなモノではなかったのだ。
 小生も…スクスタも… 認められた……』

コトリバコ開けんな

 何の話でしたっけ。そうだ、虹ヶ咲2期13話の話でした。さてこの回ですが、ひだまりPブログでは当時0点という最低評価を叩き出しました。

 ……まぁ確かに虹ヶ咲2期13話がガッカリ回だったとは言え、現実にはそのわずか数ヶ月後に最低で最低を更新してくる出来事もあったので「0点」という評価そのものは間違っていたとその時点で反省していたわけではありますが、今回は点数云々は置いておいてそもそも当時指摘していた「アニガサキの問題点」は本当に問題だったのか?という点を検証していきたいと思います!

アニガサキ2期13話は何が問題だったのか?

★高咲ジェバンニ侑問題

 まぁ、あんたほどの実力者がそう言うなら……

 これは正確には12話の内容ではあるんですが、第12話のラストで侑ちゃんが「全員のソロ曲作ってきちゃった!」と発言するくだりですね。「一晩で全員分の曲を作った」という仕事の速さと、人数分のノートを見せびらかす絵面から高咲ジェバンニ侑と呼ばれるようになりました。一応補足するとジェバンニとは漫画デスノートのとある場面でデスノートの完璧な偽造を一晩でやった有能捜査官のことです。

 ラブライブ!で曲が一晩で完成するのはもはやお約束とは言え流石に1人で12曲書き上げるのは非現実的ですしそもそも12話で侑ちゃんは作曲コンクールに出場するかどうかで悩んでいたところ、ミア・テイラーに楽曲提供できるならコンクールなんかバッティングセンター感覚だろという事で問題のスケールが不釣り合いですよね。
 ドラえもんが戸棚の上のどら焼きを取れなくて困ってるようなものです。

 ということでこれらの批判に対しては河村監督のツイートで完全に説明ができているようで、いや今もっかいアニメ観てきましたけどやっぱり流石にそういう風には見えないし後出しジャンケンじゃない?と思う気持ちもあります。
 仮に花田十輝先生がスーパースターの脚本批判に対して似たような後出しジャンケンをしてきたら井芹仁菜も引く位の罵詈雑言を並べる自信がありますけど……河村監督だしなぁ。河村監督ほどの方がこう言ってるならひだまりPの方が間違っていたのかもしれません。メロスは妥協した。

 アナタは見事に正しさを証明して見せたのね。(8話のランジュ)


 ここからは2期13話の感想ブログで提示した「4つの問題点」を順に見ていきます。

①エピソードを投げやりに消費しすぎ問題

①璃奈がボードなしでステージに立つ話②ミアが期待されることへのプレッシャーを乗り越える話、そして③せつ菜のMELODYの話
 大変残念なことに、この回ではこれらのプレシャスなエピソードの素材だけを投げやりに片付けられてしまっているのです。
 アニメ1期の虹ヶ咲が素晴らしかった点はまさにその「キャラクターの掘り下げや関係性の描き方の丁寧さ」だったため、いくら尺が足りないと言っても虹ヶ咲のアニメの一番良い所を捨ててしまったという誹りは免れないでしょう。

問題点①

ちゃんと掘り下げてもいない「エモになりそうなエピソードの素材」だけを良いとこどりして詰め込むなんて話の作り方はpixivの二次創作漫画でやってれば良い事であって、公式のアニメのクオリティではありません。寿司屋の板前におまかせ頼んだら「今はマグロが旬なんで」つってスーパーで買ってきたパック寿司のマグロ出されるようなもんだぞ。

問題点①

 そもそもの話アニガサキ2期は尺があまりにも足りなさ過ぎるということは皆さんも共通認識として持っていると思います。いかに河村・田中の有能コンビであっても一合のますに二合の酒を入れることは不可能であり、栞子・ランジュ・ミアをスクスタの輪廻から救済しつつ既存メンバーもちゃんと掘り下げて描くことは難しかったでしょう。

 正直ここは今でもやらなくて良かったと思っていて、特に璃奈の話はボード無しでステージに立った璃奈に対してあの当時オタクがよくやってたクソほどおもんないペンライト芸で返してるところが話として安っぽいしお前らスイミーかよって思っちゃいました。

 その他も記事に書いた批判を繰り返すだけになってしまうのでここでは割愛します。


②R3BIRTHやるやる詐欺

 前回からR3BIRTH(栞子・ランジュ・ミアのユニット)の伏線貼るだけ貼っといて今回これで回収した事になるの??そんなんもう…何でもないじゃん。ファンアートじゃん。壁に貼っとけ。

問題点②

 ランジュの言ってた事全部その通りになってるじゃん。ランジュ…お前はそれで良いのか?友と引き換えにスクールアイドルの個性を無くしてそれで良いのか…?それを両立できるのがスクールアイドル同好会だったんじゃないのか…?それっぽいだけじゃ物足りないんじゃなかったのか…?

 R3BIRTHの新曲がこの13話で出ないとしても、それはしょうがない。しょうがないんだけど、出さないならやるなよ。何でこんな匂わせだけやるの?3人が一緒に映ったからR3BIRTH要素って事?マイナーカプ厨の戯言じゃねえか。

問題点②

 ここですね。ここの意味が河村監督のツイートでガラッと変わってきます。

 つまりこのシーンはアニメ単体としては完結できていないけど、アニメからスクスタへとバトンをまた返すためにあえて「R3BIRTH」を匂わせたという可能性ですね。

 そもそも、スクスタを知る私たちにとってはアニガサキを疑似餌にスクスタに誘い込むなんてことはSCP-198『コーヒーを一杯』もドン引きするレベルの邪悪だと考えていたので、そもそもの可能性として検証すらしていませんでした。
 しかしそれはあくまで我々視点での話で、河村監督にしてみれば今後10年単位で続いていくはずだった…本来あるべきだったラブライブ!シリーズのポータルとしてのスクスタへアニメを機にファンを呼びたいと考えるのはとても自然で…純粋な願いです。

 まあスクスタが死んだら死んだでOVAでもR3BIRTHの新曲出してくれましたもんね。

 ということで、アニガサキ2期13話最大の問題点でもあった「R3BIRTHやるやる詐欺」についての指摘は撤回いたします。河村先生、アナタはまた正しさを証明してみせたのね。


③スクスタエピソードへのタダ乗り

 せつ菜に関しては一応、アニメでも母親との和解や、この回ではせつ菜母の前でこのMELODYを歌うという最低限の働きはしています…していますが。とは言えこの曲が「エモい」と表現するなら、それはスクスタのキズナエピソードを読んでいる前提と言わざるを得ません。
 更に言うなら栞子の「翠いカナリア」も、あれは姉へ強く伝えたい思いを歌っていたはずですが、スクスタの三船鉄平アニメの三船薫子は全くの別キャラと言ってよく、それならば、栞子が歌う曲は同じで良いのでしょうか。

問題点③

 虹ヶ咲の既存アルバムのソロ曲は勿論単体としていい曲なのは確かですが、基本的には曲と連動したエピソードがあることでよりその輝きを強めています。しかしながら、アニメ虹ヶ咲ではこの曲たちを最終話にいきなり持ってきて、しかもそれを全部「高咲侑」が作曲したという体にしているわけで、流石にそれは「タダ乗りしている」と言われても仕方がないでしょう。

問題点③

 それが最終話にしていきなり投げっぱなしの既存曲メドレーになってしまったのでは「手抜き」と言われても仕方ないですし、アニメ内でちゃんと作っていない話を、既存曲を知っているファンだけで盛り上がってねというのも、商業に載るアニメ作品の作り方としては看過できず、ありえないと思います。

問題点③

 これも河村監督のアニガサキをスクスタへ繋げるという言及に関連しそうなところではありますね。ただMELODYはともかく、翠いカナリアは流石にアニガサキ文脈とスクスタ文脈が違いすぎて上記の批判をやはり免れないと思います。
 栞子の適性主義や姉との関係性はアニガサキにおいて相当の大手術が行われており、勿論それはスクスタワクチンとしてアニガサキを成立させるために仕方がないことだったとはいえ、翠いカナリアだけスクスタ文脈に頼るのは流石にムシが…セミが良すぎますよね。

 アニガサキでは1期からずっとアニメ冒頭で既存曲の歌詞の引用があったり、楽曲と連動したエピソードについては力を入れてきた作品だと思っているので尺の問題やマジの新曲12曲は無理だということを差し引いても安直すぎるという指摘はやはり残りますね。


④高咲侑のメアリー・スー化

🙌「ゆうゆ~!モーゼはもーゼったいダメだからね!!!」

 「次はあなたの番!」じゃあないんだよな。まだお前の番だろうが。いや侑ちゃんじゃなくて。虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会!!!
 11話でも言いましたけど、ニジガクまだこれからじゃん。今回既存曲と過去のライブを引っ張ってきてR3BIRTHやるやる詐欺しただけじゃん。

問題点④

 でもラブライブ!を見て夢や勇気を貰うっていう事はあって、でもそれは彼女たちの輝いている姿を見て勝手に受信するものなんですよ。じゃあこの「次はあなたの番!」って何なんだよ。進研ゼミの漫画じゃん。

問題点④

 高咲侑という存在が増長しすぎてしまったこと、これが第4の問題点です。スクスタに存在した数多の「あなたちゃん」が死に絶え、パンドラの箱に唯一残った最後の希望であった高咲侑神(アニガサキ)でしたがちょっと喋りすぎでしたね。

 正直これについてはもうこれでしかない。「次はあなたの番!」とか、「みんなの頑張ったこと発表会!」とかそんなしゃらくさいだけのメッセージなんて不要でしょ。頑張る元気はこっちが勝手に貰うから、そっちはそっちのことに集中して下さい。これはAqoursのNo.10とかでも指摘した問題と同じですね。

 これについてはいくら河村監督でも譲れないです。コンテンツとオタクの間にちゃんと線を引いて欲しいということはラブライブ!の全シリーズで常に思っているので。

 なのでこれは、ブログに書いた通りですね。


★0点

0だったんだよ?悔しいじゃん!!!

 この回の問題点として幾つかまとめさせて頂きましたが、エピソードは「それっぽいだけ」で表面だけなぞって終わりファーストライブの楽曲はスクスタの既存曲を引っ張って紙芝居してるだけ、前回伏線を張ったR3BIRTHもやるやる詐欺と、流石にあまりにも内容が虚無で、評価することができませんでした。

 アニメで実際のファーストライブを再現するという所までは良いのですが、商業作品として地上波の電波に乗るアニメーションと、その日その場に集まった人達だけの盛り上がりを意識したライブを同列に作ってしまった結果として単なる閉じコンになってしまったという印象です。これは8話でも指摘していましたが、この13話はそれに輪をかけて酷いです。

トゥデイズ チカキンズ ポイント。

 めっちゃ言うじゃん。

 そもそもの話として2期8話のペンライト虹演出+侑ちゃんのピアノというリアルライブに重ね合わせただけの展開にだいぶ拒否感があって、それだけにリアル1stライブを再現した以上の意味を持たないこの13話を「虚無」と表現していたんですね。

 まぁそれは…そうかも。そうだとして。このアニメが「スクスタ」への入口とするならば、そこの解釈は多少変わってはきますよね。何度も言ってるように13話で13人のエピソードを平等に描くなんて不可能ですし、限られた尺の中で「アニガサキが面白かった!」というだけで完結せず、たとえ今にも波にさらわれて崩れそうな砂のお城だったとしても「スクスタ」の入口となる最終回を作る。それが河村監督の想いだったんですね。

「田中仁、わたしを殴れ。力いっぱいわたしの頬を殴れ。
 私はアニガサキを張り子の虎の偽物ではないかと、ちらと疑った。
 生まれてはじめて、きみを疑ったのだ。
 きみがわたしを殴ってくれなければ、わたしはえいがさきを観る資格さえないのだ。殴れ。」


まとめ

 ということで今回は河村監督のTwitterでの発言をもとにアニガサキ2期13話を再考してみました。やはりいくつか擁護できない点はあったものの、最大の問題点であったR3BIRTHやるやる詐欺演出に対してある程度納得のいく答えが得られたことで「そもそもアニメとして成立してない」という当時の指摘についてはひっくり返すことができたんじゃないかな、と思っています。

 じゃあ何点くらいなの?う~ん……69点くらい?


 今週金曜日にはいよいよ劇場版完結編の公開です。劇場版では全員分のソロ曲を出してくれる可能性が非常に高く、ある意味ではOVAと合わせて2期の尺が足りない問題にひとつの「答え」を出してくれるのではないかと期待に胸が膨らむところですね。

 劇場で、会おう。


これは解釈の問題でしかないけど、2期13話が既存曲だったのは確かに残念だけれども見方を変えればその中で虹ヶ咲というメディアミックスコンテンツをスクスタと両立で盛り上げようという意志はあったと考えられるし「雑に投げっぱなし」という印象は払拭されたと思うんだぜよね。R3詐欺もしかり。 河村監督だし…のくだりは純粋にアニガサキという神作品を率いた人の言うことならある程度は信用しよう、という意味だぜね。

https://marshmallow-qa.com/messages/7ee6888a-a2bb-4c0f-94d6-48412bd72919


サンキューフレンズ!noteでも書いたけど当時の俺らからすればアニガサキ新規にスクスタ勧めるなんてアンチの所業だったぜからね…色んな意味で河村先生の発言は寝耳にAqoursウォーターだった。花田との違いはまあ終了後もちゃんと作品に向き合ってくれてるかどうかだぜね……

https://marshmallow-qa.com/messages/ff5abb00-85f4-4e4d-a233-2768d52d3d7c


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 これにしようとして日和りました。


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