水中写真と構図について考える③ ~奥行きを意識する~
こんにちは、上出です。
今日は、質問としてはいただいていませんが、関連する話題として、「奥行き」について考えてみたいと思います。
あんまり難しい話はしないので、気軽に読んでくださいな。
構図を学ぼうとすると「○○構図は○○な効果があって…」という話になりがちだよね、というのは前にも書きました。
それはそれで大事なんだけど、二次元だけの話をしても本質的じゃないよね?なんて、僕は思っているわけです。
■なぜ一眼で水中写真を撮るのか
一眼レフやミラーレス一眼に、60㎜やら100㎜やらのマクロレンズをつけて水中写真を撮っている方も多いと思います。
でも、誰しも水中写真を始めた頃はコンデジで撮ってたはずです。
ちょっとあの頃を思い出してみましょう。
あなたはどうして今のカメラに買い替えたんですか?
あなたはなぜ一眼にステップアップしたいと思っているんですか?
「もっと高画質の写真を撮りたいから」
うん、それもあると思います。
「もっとぼかしたいから」
こっちが一番の理由じゃないですか?
■ボケの効果
まあまあ、絞り開放が好きとかぼかし過ぎるのは嫌いとか、それぞれあるとは思いますが、「ボケ」が写真のイメージを左右する一つの大きな要素であることは事実です。
ボケにはいろんな効果があるのでしょうが、一つは「奥行き」を表現できるということですね。
コンデジで撮った写真って、特にマクロは、ちょっとのっぺりして見えることが多くないですか?
近いものがより近く、遠いものがより遠く見える。つまり、遠近感を強調できるというのが、「ボケ」のひとつの効果です。
自分で言語化していた方は少ないと思いますが、みんな自然と「遠近感」や「奥行き」を出そうとしていたんですね。
■二次元で三次元を表現する
では、そもそもなぜ奥行きが写真に必要なのでしょうか?
迫力が出しやすい?臨場感が生まれる?
躍動感?広がり?…
ごめんなさい、僕もうまく言語化できません。
感覚的に「奥行きがあった方が良い写真だよね」というのはあるのですが。
ひとつ言えるのは、そもそも世界は三次元だということです。
でも、写真は二次元です。
三次元の世界を無理やり二次元で切り取ってると考えれば、二次元の世界の中でできるだけ奥行きを出して元の世界に近づけることで、写真を見た人に臨場感等を与えているのかもしれません。
■奥行きの出し方
じゃあどうやって奥行きをだしましょうか?
まず基本になるのは、前景・中景・後景を意識することですかね。
写真を見てもらった方がわかりやすいと思います。
例えば上の写真は、下の白い部分が前景(前ボケ)、黒いオコゼみたいな魚が中景(何て名前の魚?)、魚の後ろにある緑と白が後景(背景)、という感じです。
下の写真も同じです。全部紫なのでわかりづらいですが、前ボケがあって、被写体がいて、背景ボケがあります。
このように、マクロの場合はボケを使って奥行き感を出してあげるというのが常套手段なんじゃないかと思います。
■完璧じゃなくてもいい
そうは言っても、いつも前景・中景・後景を写真の中に入れられるわけでもありません。
例えば上の写真は、被写体(中景?)+背景(後景)しかありません。
泳いでいる魚の場合はそうなりがちですよね。
これはこれで、別に良いんじゃないかと思っています。
下の写真は逆に、前景と中景だけで、背景がありません。
まあ、いろんな撮り方があっていいんじゃないでしょうか。
■ワイドで奥行きを出すには
ワイドの場合は、レンズの性質上ボケは作りづらいですよね。
ボケはなくても、上の写真のように被写体にグッと寄ってローアングルで構えることで、遠近感を強調しやすくなります。
これは、マクロでも一緒ですよね。
ワイドでどうやって奥行きを出すのかについては、次回以降に深掘りしていきましょう。
■まとめ
今日は何が伝えたかったのかというと…
「構図を考える時は、平面の○○構図だけではなく、三次元でとらえて考えよう」
ということでした。
次回は、構図を考えるうえで一番大切と言ってもいい「線」について考えていきます。
線を意識できるようになると、そして意識させられるようになると、作品としての完成度がグッと高まります。
線は二次元でも三次元でも引けるので、今日は次回に向けてのウォーミングアップでした。
では次回もお楽しみに!
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