フィルター越しに見た空の青の歌詞考察【Sexy Zone】

フィルター越しに見た空の青

ただの一ファンの考察です。趣味です。
前年齢向けです笑


久しぶりにリペ盤を聞いていたら、ふと口ぐさんでしまった「フィルター越しに見た空の青」


この曲、実は登場人物は`一人`なんですよね。


というわけで、ちょっとゾッとするけど美しい歌詞の考察をします。



考察開始!


曲はリズムカルだけど変化のない前奏で始まります。


aメロ

おろしたての靴 なんだか胸踊る

駅前のロータリー 木漏れ日が揺れて

君の街まで各駅停車に揺られ 会いに行こう


場面は駅のロータリーから始まります。ロータリーがあるということは、田舎過ぎず、都会過ぎない郊外をイメージしますね。

おろしたての靴を履いて=おしゃれをして、うきうきした余裕のある気持ちで

木漏れ日が揺れる=木漏れ日は季語ではないですが、青い葉のある季節、初夏、夏などを連想します。


ここで、

各駅停車という具体的なワードが出てきました。

君の街は特急や快速では止まらない、ここよりも田舎の駅であると連想できます。

わざわざ「各駅停車に揺られ」とあることで、この駅からは特急で行くか、快速で行くか、まだ選べるということが分かります。

田舎から都会に行くときにはわざわざ各駅停車なんて使っていたら時間がかかってしょうがないですし、田舎から別の遠い田舎に行くのにも途中まで特急を使ったりしますよね。


つまり、この歌詞の主人公(以下「僕」)の街の方が、君の街より都会にあるという、隠れたメッセージであることが分かります。


また、途中まで特急で行って、途中から各駅停車に乗り換えでもないということから、「僕」は気持ち的にも時間的にも、急ぎではないということも分かります。


うきうき気分で「君」に会いに行くというのに「早く会いたい!」という急ぎではないということ。少し矛盾を感じなくもないですが、「僕」はよっぽど時間に余裕があるように家を出たのでしょうか。それほどこのデートらしきものを楽しみにしていたのでしょうか?それとも、自分の気持ちを整理する時間でも欲しいのでしょうか?



bメロ


この何気ない 幸せ 噛み締めて

僕等は生きてるんだよ

君が眩しくて愛しくて 苦しくなりそう Oh

綺麗な 日々が 僕を 包むよ


bメロは、

「僕」が「君」と会っている場面です。ただ会えるだけのささやかな幸せを、幸せに感じてるのが分かります。「僕」は「君」のことを胸が苦しくなるほど愛しいと感じています。

誰かと付き合っている日々、それは現実では綺麗なだけではありません。連絡の頻度、金銭の問題、価値観の違い、時にはぶつかることもあります。

しかし、「僕」は「君」との日々を「綺麗」に感じています。いささか現実味がないですね。




1サビ

君と... フィルター越しに見た空が青かった

そう... 隣でつぶやいた『一緒で良かった』

Love you... 嬉しくて涙が頬をつたった

Love you... 君はそれを見て少し微笑んだ

ずっと... フィルムに残せない温もりがあった

もう... 君無しじゃ見れない景色があった

風が優しく髪をとかしたら 今日も

奇跡を信じられそう Stay Together



ここ、ラスト二行の「今日も」と書いてあるところまで、すべて過去系なんですよね。


この曲では、過去と今がごっちゃごちゃに出て来ているので、すごく分かりずらいんです。


「君とフィルター越しに見た空が青かった。君が隣で『一緒で良かった』と呟いた。嬉しくて涙が頬をつたった。君はそれを見て少し微笑んだ」


という情景はすべて過去の綺麗な記憶です。二人の無言の会話が綺麗に描かれています。


「フィルムに残せない温もりがあった。君無しじゃ見れない景色があった」


bメロがすべて「僕」の綺麗な思い出だとすると、「君」はここまで、過去の描写以外に一度も出てきていません。

「君」なしじゃ見れない景色があるにもかかわらず、なぜ「僕」は一人で各駅電車に乗り、今ここに来ているのでしょう。

「君」の家の近くまで来ているのに、なぜ「君」には会わないのでしょう。

風が吹いて、我に帰り、「奇跡を信じられそう」と「僕」が思うのはなぜ?それは、今この場所から見た空が、いつかフィルター越しに見た空の青と同じだったからではないでしょうか。


そして、空だけを見て、「僕」のこの1日は終わります。


ここまでで分かっている方が多いと思いますが、「君」はきっともうすでに死んでいるんですね。もしくは、「僕」がフラれてストーカーをしているか。きっと前者だと思います。

だから、せっかく「君」の街まで来たのに、「君」に会わない、会えないのでしょう。




2aメロ

イヤホンの向こう 好きな歌が流れ

バス停のベンチに 鳥たちが腰かけ

僕の街から飛行機雲が見えた 会いに行こう



ここからは、別の日になります。

「僕」がバス停で、音楽をぼーっと聞きながら空を見ているシーンですね。

まず、

「イヤホンの向こう」とはなんでしょうか?

イヤホンって、仕組み的に内側から音楽が流れますよね?しかし、「イヤホンの向こう」ということは、「僕」がしているイヤホンの外側の世界から流れる音のことを指していると思われます。


またまた~!

イヤホンの中の音楽のことをイヤホンの向こうってかっこよく言っただけじゃない?と思う人もいるかもしれませんが、

2番のaメロの文章には、

「会いにいこう」と思った理由が書いてあります。


①「好きな歌が流れる」

②「鳥がいる」

③「飛行機雲がある」

この3つは、会いに行こうと思った「君」を連想させる理由となっています。

ですので、

「イヤホンの向こう」というのは、イヤホンの外側のことだと分かります。

自分が選んだCDやサブスクの曲ではなく、意図せず街で流れていた曲。それはきっと、「君」が好きだと言っていた歌なのでしょう。だから「僕」はその曲で「君」を連想したのでしょう。


「鳥」「飛行機雲」=「僕」は頻繁に空をみてるのだと分かります。

飛行機雲はラッキーで心の余裕がないと見られないものです。

良い空が見られた、だから会いに行く。生きていない人には、アポを取る必要はありません。



2bメロ

この喜び ポケットに 忍ばせて

胸が躍る日曜

僕は隠せずにしまえずに こぼれ出しそう Oh

綺麗な 日々を 共に 歩こうよ


大人が、飛行機雲が見られただけでこぼれだしそうなほどうれしい気持ちでいっぱいになるでしょうか?


きっと、ここで「僕」が隠せずにしまえずにこぼれ出すものとは、涙です。君に「一緒で良かった」と言われただけで泣いてしまっていたほどの涙もろい彼。

「綺麗な 日々を 共に 歩こうよ」

と言われたときの喜びを思いだし、それが叶わないことに泣いているのではないでしょうか。

きっと「僕」は、フィルター越しに見た空の青がこの日の空と重なり、この場面を思い出したのだと思います。


君が... フォルダの中でずっと笑っているから

そう... 今日も1ミリだけ前に進めたんだ

Love you...『ありがとう』って言葉だけじゃ足りなくて

Love you... 溢れた想いごと君抱きしめた

きっと... ドラマ以上の名場面がここにあって

そう... 2人しか知らない景色があった

見慣れた街がいつも微笑んで 今日も

奇跡という出逢いをくれた Stay Together



「フィルムに残せない温もり」があるにも関わらず、「君」をフォルダの中でしか感じられない「僕」。

「君が フォルダの中でずっと笑っているから、今日も1ミリだけ前に進めたんだ」

え、じゃあフォルダの中だけでも一ミリ前に進めるだったら、実物を見ればもっと前に進めるんじゃないの?って思いませんか?でもそうはできないのです。


「見慣れた街がいつも微笑んで 今日も

奇跡という出逢いをくれた」

ここでいう、奇跡の出会いとは、「君」との出会いです。

見慣れた、ただの僕の街が、飛行機雲で空を見せてくれたことにより、フィルター越しに見た空の青を思い出させてくれました。

「僕」と「君」との繋がりを思い出させててくれた。


Stay Together... Stay Together...

Na Na Na... Stay Together...

Oh Stay Together... Stay Together...


考察

「僕」と「君」はこれからもずっと一緒です。だって、フィルター越に見た空の青と、今も君の街の空は、同じくらい青く、美しいから。



君と... フィルター越しに見た空が青かった

そう... 隣でつぶやいた『一緒で良かった』

Love you... 嬉しくて涙が頬をつたった

Love you... 君はそれを見て少し微笑んだ

ずっと... フィルムに残せない温もりがあった

もう... 君無しじゃ見れない景色があった

風が優しく髪をとかしたら 今日も

奇跡を信じられそう Stay Together



最愛の人をなくし、生きていても良いことなんてない、と下を向いてしまっても、「ちょっと良いことがあるかもしれない」と思えるだけで、人は生きていけます。今日も奇跡を信じて生きていけば、「君」みたいな宝物にまた出会えるかもしれない。

人生は毎日が雨じゃない。

今日が雨でも、曇りでも、晴れの日があるって、信じるから生きられる。

いつだって雲の上には、青い空がある。フィルター越しに見た空の青と、同じくらいに綺麗なはずの青が。

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