THE IDOLM@STER SideM PASSIONABLE READING SHOW 「天地四心伝」雑感想
だ、だいぶ面白かったな天地四心伝……(以下ネタバレを含みます)
day1、day2ともに配信で参加しました。
去年の超常が「本来ならモバのイベント用でやるはずだったものをいろいろなごたごたの結果PRSという形態でやることになった」という事情を加味したとしても、いろんなとこに不満がありなんとなく不完全燃焼だな……という思いが残り(でもあれはあれで好きです)、今年はそこまで期待しないでいたのですが。
今年はそれらがかなり改善されており、かつストーリー自体も自分はかなり面白い!と思えたのでだいぶ良かった&安心。そう、安心してコンテンツを推させてくれよなほんと。
改善されていたところ
・キャスト出演しないアイドルとそうでないアイドルの扱いの差の大幅改善
前回の不満点で一番デカかったポイント、「アイドルの劇中での出番がキャスト出演するかしないかによってかなり差がある」。ここが改善されていて本当に救われる思いでした、いや最初からやっとけ感はあるけど
前回はほんと……マジでモブみたいな感じだったので……柏木翼さんが……
本編の出番が大幅に削られるだけで他のとこで補完してくれるならまーーー1000歩譲っていいけど、それもないし。そこにいた通行人くらいの扱いだったのが悲しくてさ……
それが今回はなるべく全員にそれなりの出番や役割、見せ場を持たせようとしてたのが良かった。桜庭なんてずっと黒幕的な扱いで美味しい役回りだし。輝は去年見せ場貰ってるから今年はあのくらいでもまあいい。
かつ、もう「メインキャストはこの人たちです!主題歌歌唱もメインキャストに絞ります!」って先んじて言ってくれてたおかげで変に期待することもなく。この主演級のアイドルを順繰りにまわしていければまあいい感じかな。全員に行き渡るまで続けられるかはわからんが……
いや去年の主題歌歌唱でキャスト出演しないアイドルハブったのほんとに最悪だったからな!?ドラスタ丸々いないってどういうことだよ!天道は公安側のトップなのに?!と思ってたのでこっちのほうが全然ましです。そして中スタのスケジュールを抑えてくれ。
・各公演ごとにストーリーが完結している/最速配信をすることでday1がリアタイ出来んくてもどうにか追いつける
ふつうに助かりました。自分は普通にday1リアタイ視聴できなかったので……day2も少し遅れて参加したし、見れなかったとこをすぐにアーカイブで確認できてかなり良かった。各公演ごとで話が完結してるのは単純に他人に薦めやすいしね。
・15分の休憩の追加
これも普通に助かる~。一番助かったのは現地勢だとは思うのだけど、配信勢もトイレ行ったりささっと食事の準備したりと何かと助かった。まあこの15分使ってCパートやってくれるのと休憩挟むのならどっちがいい?って言われたら前者とっちゃうんだけど。両方やれ!
・単純に話が面白い
いやもうこれに尽きますよ。種族それぞれの特性を生かしつつ権力争いや家族間の愛憎感情、裏切り、仲間同士の絆などなど抑えるべきところはきっちり抑えてキャラもセリフも魅力的なお手本みたいな人間ドラマでした。かつハッピーエンドというよりはノーマルエンド(なんだったらBAD寄りの)というのがまあまあ明示されており、鑑賞後に「あそこでああしていれば……」「○○族ってさあ……(頭抱え)」「いや××は立場的にああすることしかできなくて」みたいにオタクが感情と感想を漏らしまくる話でオタクはにっこり。
でもって天地四心伝はBAD寄りのノーマルエンドで、けっこう「救いがない」辛い話ではあるんだけどSideMの基本理念(と勝手に思っている)
その人が何考えてるかなんて本人にしかわからなくて当たり前
分かり合えないとしてもいいから話し合えお前ら 話し合いを無視するとろくでもないことになる
過去はどうしようもないが過去を踏まえたうえで未来を変えたいと思うことは自由だ
死ぬんじゃねえ 生きて償うんだよ
もしっかり抑えられていてよかったですね。めちゃくちゃSideMしてた。
あとday1が未来の話で、day2が過去の話だったの天才でしたね。day1でこじれた原因の答え合わせをday2でしっかり描かれていて、day2を見た後day1を見ても新たな発見があるという。
さらに49人が登場する話はやはり収集がつかなくなりがちなので「少年時代」「成長後」で複数のアイドルを1人の登場人物にまとめたのもうまい采配だった。少年時代を演じるアイドルと成長後を演じるアイドルとでの交流が生まれた情報もオタク的にうれしいし。
超常も面白かったんですけどね、先に言ったようにアイドルによって出番格差がデカいのと、そもそも49人がいっぺんに出る話で出番に格差つけるなってのは流石に無理だよ。仕方ない。
多分アンケでもさんざん言われたんでしょう、ちゃんと改善されてて偉かった。ありがとうございます。
・SideM劇中劇お家芸がストーリー的に自然
SideM劇中劇お家芸とは、「劇中劇の役柄やセリフが、アイドルのバックボーンを踏まえて考えるとめちゃくちゃ重たくなったり意味が変わってくる」やつです。おなじみだね。今回でいうと以下のようなやつです。
タケルに「生活水準が低けりゃ頭も悪い!」を言わせる
咲ちゃんに「こんな醜い姿見られたくない……!」を言わせる
秋月涼に九十九一希を(間接的にではあるが)殺させる
橘志狼に目の前で兄が死ぬ役をやらせる
桜庭薫に意図的に医療ミスをやる役をやらせる
蒼井兄弟の最悪の出会い方
眉見鋭心に親殺しの役をさせる
アイドルマスターSideMは普通のストーリーでアイドルを闇落ちとかはさせられない分、劇中劇で好き放題してその姿が「アイドルのBAD if」「○○オルタ」のように感じられることが多い。SideMの劇中劇ってストーリーや展開自体は結構もう手垢が付きまくったベッタベタなものも多いんだけど、けどそれをこのアイドルに言わすのか/演じさせるのか……というところが上手いなあというかプレイヤーとして面白がるポイントなんですよね。ただたまに「これ露骨すぎるな……」と思うこともある。それやりたいだけで必然性が薄いだろっていう。
今年もまあ露骨と思う点もあったけど、それを言わせる必然性がちゃんとストーリーの中で語られていたと思うので、良かったですね。
個人的にはタケルのがいちばんきっち~~!!って感じです 315世界線の俺なにさせとんねん
まだ惜しいと思わなくもないところ
・生死不明キャラのその後
day1での生死不明者はともかく、day2で特に死んだ様子が無いのにその後居ないキャラはなんなんだよと。まあ死んだのかな……そこらへん補完があるとうれしいですね。超常でも憂宇くんと海未ちゃんどうなったん?て感じだったし。ポータルで後日談とかさ……
・それでもやっぱりまだ出番が少なめのアイドルがいる
ほんとにだいぶ頑張ったんだろうな…!とは思うんだけど、でもまだもうちょい描写欲しいな…!?ってなる子もいた。今回だとコロクリとかのんくんの役かなあ。かのんくんの役は族長の性格もあるし子供だから戦にあまり巻き込めないってのはわかるんだが(に対しての焔……って感じすね)、コロクリはもうちょいあっても良かったろと思う。
カット変わったら死んでんだもんなあ?!でも叢雲が偃月を追って死ぬシーンも味があって良いな……と思うので、生きてる間に何かもっとあればよかった。正義さんもあんま活躍しては無かったな……。
あとメインキャスト陣の中でも、ほかの人に比べたら竜人族の族長ズはあんまそこまで見せ場無かったかもな、とは思わなくもない。北斗はともかく、一希の方は中盤で死んでもうたし。でも涼ちんが間接的に一希を殺したり、弟に知らずに毒を飲まされる兄、めちゃくちゃ味がしましたね
紫耀英さんも結構損な役回りだったな。立場的になんかもうどうにもならん。紫耀英には紫耀英の苦悩があってみたいなのをどっかで描いてもらえたら……無いね(パンフとかで書いてたらごめん)。
個人的にただただ好きだったところ
・竜人族守備隊
この三人の日常ギャグ4コマ読みてえ~~!!!!最高に良いキャラで熱い関係性してましたね。良かった。
自分だけだと思うけど、なんか途中「竜人族守備隊、ファイヤー!!」って聞こえてきた。そういう二次創作が、読みたい。
・白波
二日目はもうずっと白波ばっかり見てた。面白かったなあの子。
すでに散々「親父名づけヘタクソか!!?!?」とは言われているが、多分父は白には白にしかできないことがあると思ってその名前を託したのではないかと思うんですね……。紫が赤と青が混ざった色なのだとしたら、複数の色光が等分にバランスよく混ざりあってできる光の色が白な訳で。うわ!この考えがあってたらめちゃくちゃ重要で特別じゃん白もさ!!白波今すぐ色彩検定の勉強をしろ!
これを父が言葉にして白波に伝えてたらね……良かったんですけど……この物語は"そう"はならなかった話なわけです。悲しいね。
または、次男の名づけの話でいえばもやしもんの「直保」の意味についての本人の思い違いなんかがあるけど、あんなふうに実は名前には後継者とか家のこととかは全く関係なく、保護者の人がその子のことをとにかく大事に思っていたからつけられた名前だったとかが後から明かされると美味しいですね。つらいけど。
とりあえずPRSにぺーちゃまを呼んでくれてありがとう。たすかりました。そして白波の処遇を蒼生が劉爽に託すの、白波的に最悪すね。
・「獣人族を巻き込むな」とは言うが
「獣人族を巻き込むな」はそう!そう!ほんとにそう!なんだけど、でもそもそも「獣人族文明水準を上げろ」とも感じる。なんかもうね、鬼族みたいなやつらからしていいカモすぎて心が痛い。
鬼の血を混ぜると暴走して化け物になる
寿命が短いせいか文明が発達してない/生活水準が低い
悪意に鈍感
個人の身体能力がヘタに高いせいかひとりで行動する
マジで最初に鬼族ではなく人間族に助けを求めるべきだったけど、それはともかく裏切られてもうとんでもないことになったあともよーわからん人間族の「味方ですよ」の一言ですぐ信じちゃう
おそらく力がある若いやつ(でもほかの種族だと少し幼いまである年齢)が族長になるべき、老いてきて力も弱くなったやつ(でもほかの種族だとこの人くらいが族長として引っ張ってる)は後ろに引っ込むってシステムがあるので代替わりが早く、みんな若いどころか若干幼い
種族としての性質と、それによって形成された文化とか環境がことごとく今の世界情勢とかみ合ってなくて詰んでるんだよな獣人族……みちお(外見年齢20~30代前半)がじじい扱いされてるあたりホントに寿命短いんだろうし大人の数自体少ないんだろうな……幼少期の縁とか下手したら人間での1、2歳なんじゃないの?その分精神の熟成が早いのかと言うとそうでもないぽいし……
そんな中いちばん幼かったであろう頼の幼体がかなり冷静だったんだけど、これは多分幼いゆえに人間の姿になれず、子猫の姿で戦いどころか普通の作業等でさえも役立てない、でもその姿でも出来る「一歩引いて喝を入れたりする役」をしてて良かったな。
やれることが少ないなら少なりなりに他に自分にもできることをやる人、好きだ。こういうことやぞ白波
獣人族なあ、ものっそい悪いい方すると正直「半端に人間の形をしているだけの動物」というか。燐の「生活水準が低けりゃ頭も悪い!」は最低の煽りなんだけど、事実過ぎる いや単に頭は悪いわけじゃないんだけどさ……
でも獣人族ほんとにみんないいやつらばかりで大好きになっちゃったから心が痛いよ おれたちのじじまご(志積と若葉)をかえしてくれ
だからこそday1を見返して縁が憎しみのあまり人間族を手にかけようとしかけるも、族長としての立場と仲間のためを思って踏みとどまれたのを見て良かったなあ……と思った。甘いか?
・みんな死ぬ前の演技うまくて草 てか演技うまくて草
オタクは断末魔が好きやでな。焔くんとか斬られた瞬間の喉から出る、小さい子が死んじゃう前のか細い声がこれ流しても大丈夫な奴?っていう感じでやばかったっす。いやほんとに大丈夫?
このPRSってもう「声優が演じてるアイドルの演じてる劇中劇のキャラを演じる」さらに今年は「親子関係や兄弟関係があるのでその影響も加味して演じる」「劇中劇のキャラの幼少期と成長後で演じてるアイドルが変わるので、もう片方のアイドルとそのキャストのことも意識して演じる」人もいて、もう何重にもメタが折り重なった状態なんだけどそれらがちゃんと生かされた演技で舞台だったなと思った。
自分はほんとに演技のことはわからないんですが、幼少期の縁からなんとなく木村みを感じたり、というか幼少期縁がいつものしろーくんよりさらに声が高くて幼かったり、day1を見返すと啖呵切る雪之助さんの後ろになんとなく水簾や風雪さんが見えたり(明言されてないけどあの激昂の様子からしても師匠と父親はあの二人だよね?)、成長後の頼がにゃこさんでもあり朱雀くんでもありなんだったら玄武くんぽさもあり……みたいなのがいっぱいあって見返すたびに面白くてすごい。
役者ってすごいよなあ、多分エーアイにはここまでのことを考えて出力は出来ないわけでさ。いややれるんか知らんけど。
とりあえず今思ってるのはこんな感じ。イヤー良かった!楽しかった!視聴起源来るまで何回でも見るぞ!!
ちなみに自分の担当の生存率はこんな感じ
木村→生存
柏木→死んだ
信玄→死んだ
握野→死んだ
天道→死んだ
桜庭→生死不明
いや不知火勝ち逃げなのなんなんだ