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最北端で葬儀に参列してきた話④対面から自宅出棺

今年は例年の倍の積雪だとか。
見慣れた景色がホワイトアウトしているのをみて、
やっと事実に気がつく。ここは本来川です。

空港まで迎えにきてくれた喪主の車に揺られ(物理)ながら、祖母の住んでいた自宅へ到着。
私の両親と親戚数名がすでに集まっていました。

「顔見ようとしたらねぇ、布かかってるのよ

「?」

親類集合の手前、この時すでに死後3日。
なんかアレな事情があるのかと思っていたら、

「納棺しちまったけど、湯灌と死化粧はこれからやるんだ。じあ、まぁちょっと覚えとけや」

どうやら衛生的に必要なケアは先にすませて、
儀式としての湯灌と死化粧は親族が揃うまで待ってくれていたようでした。

葬儀屋さんが来るまでの1時間弱、各自談笑しつつ、喪主の叔父の話し相手になりつつ、私と父は帰りのバス予約に奮闘。
今回の旅路はまず「現地に到着できるのか?」
と言うところから始まっていたため、現地に着いた瞬間争奪戦です。時間によっては親類までも敵w

残りの近場の親戚、葬儀屋さんが到着すると棺の蓋を取り納棺された状態のまま顔布を取って湯灌(顔のみ)・死化粧へ。
穏やかな顔で安心しました。
皺は多いけど肌はとっても綺麗。

祖母は90代前半と大往生でしたが、それでもやっぱり寂しい。故人に話しかけながら、涙あり笑いありの儀式となりました。
間接的とはいえ、故人の顔に触れるというのは初めての体験。

私は祖父母4名全員遠方で今回亡くなった祖母は最後の1人なのですが、
基本的に皆駆けつけた時には湯灌、納棺、死化粧は全て終了している状態で、自分が手配する側になる前にこう言う事を見て体験できると言うのは、大変貴重な時間でした。

核家族化が進む現代ではありますが、こう言うふうに「まぁ寝てるみたいに綺麗ね!」「こうしてるとおばば(曾祖母)」に似てるね!」と褒めちぎりモードに入ってくださった(私から見て)遠縁のおばさま方には感謝感謝でした。
やっぱり直系の血縁者とその配偶者だけだと、悲しいが勝ってしまう。
そこが妙齢なお姉様方のトーク力によって「あぁやっぱりいい顔だよねぇ」とか「おばばこんな顔だったねぇ」とかポジティブな方向に気が向くいいきっかけになる事が判明した。

そんなこんなで、家から斎場へ出棺。
なんだかんだ、雪の時期の自宅出棺って大変だなあと思った。滑るし。

祖母は最終的に病院で最期を迎えましたが、

基本的に晩年の多くは自宅で過ごしていました。
最後の何年かは自分で身の回りの管理ができなくなっていたため、自宅は割と荒れ気味。
大人数が宿泊するのは無理だったので、近親者は葬儀場にて1泊する手筈に。
そのため棺を見送った後、全員私服で移動。
やんややんやと葬祭ホールへと移動したのでした。

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