
子どものための仕事
絵本屋さんをやっていると、時々思う。
子どものために、出版して販売して読んで活用しているはずなのに、どこからか亜流が発生している。
作家は自己表明の手段に
出版社は賃労働に
読み聞かせボランティアは老後や主婦の暇に飽かせた趣味に
販売者は絵本さえ売れればそれで良く、数十年後の未来を想像さえしない市場主義的に
なっていやしないだろうかと。
世田貞二や石井桃子が全身全霊、残りの人生をかけて児童書に関わったその後、途切れてしまった
いったい、いつから
いったい、どうして
いったい、だれが途切れさせたのか。
途切れさせたかった誰かが、いるのだろうか?
本当に子どものために子どもの本に携わっている人を探し続けて20年。
未だに出会えない
子どものために命をかけている人に、未だに出会えない
いえ、命はかけなくて良い。と言うか、かけたらそれはそれで問題を起こすから。善人が善を押し付けるほど野暮ったく、危険なものはない。
「こどものため」という大言壮語には、相当な覚悟を伴わなければ、嘘になるし。
そんな風に蠢きながら、歴史は進む。
「絵本の正解を知っている」という編集者が、どこかに生存しているという、つちのこのような伝説を耳にするが、実は案外、こんな傲慢さは、身の回りにありふれているのかもしれない
編集者は、多少ワルでなければならないと某人語る。insomma。