詐欺師との電話の内容
念願の詐欺師との電話。
もっと入念に、何を言うか、考えておけばよかった。
というか、聞きたいこと、ある程度は考えていたのに、急に実現して頭が真っ白になった。
中国語で通話というハードルもあったし、緊張したし心境もすごく複雑で、沈黙が多かったのが、もったいなかった…。
この電話の数分前に音声メッセージが来た時の、クラブのような音楽が大音量で流れていたところから外に出たのか、周りは静かだった。
もう2週間経ってだいぶ記憶が薄れたけど、覚えている内容を綴っておきます。
私「今どこにいるの。」
ヤン「友達の家だよ。」
私「勉強してたんじゃないの。」
ヤン「そうだよ、友達の家で勉強してる。キミは今家に着いたのか?旦那が帰ってきて話してるの聞かれたら、焼きもち焼くだろ。」
私「…(色んな意味で辛くて言葉が出ない)…うん、気をつけて見てる」
沈黙…
私「あなたはなんて名前なの?」
ヤン「はぁ?知ってるだろ。」
私「知らないよ。教えてくれたことないよ。」
ヤン「(失笑しながら)、リンヤンだよ。」
私「違うよ、あなたの名前だよ。リンヤンはあなたじゃないでしょ。キャラクターでしょう。」
ヤン「何言ってるの。それが俺の名前だよ。」
私「あ、そう。」
ヤン「そうだよ」
…沈黙…
私「リンヤンを、何人でやってるの?最低2人いるよね。でも、大晦日まではあなただったよね?それまではずっとあなた1人だと思ってたけど。年越してからは人が変わった。」
ヤン「何が変わった。」
私「会話してて、感覚が変わった。音声メッセージの声も違ったし。」
ヤン「あの時は風邪ひいてたんだよ」
私「あなたの中国語、好きなんだよね。良い声だ。」
ヤン「君の住んでいるところには、中国人が少ないからでしょ。」
私「それはそうだけど、ハロートークにはたくさんいる。いっぱい音声もらうけど、あなたみたいな人いないよ。」
ヤン「そっか・・・。」
…沈黙…
私「なんで急に繁体字になったの、今は台湾人やってるの?」
ヤン「はぁ?台湾人?繁体字?香港人だって使うよ、知ってるだろ。」
※ヤンとの会話は今までは簡体字だったのに、友達再追加した後は繁体字になっていた。LINEの表示名も変わってたし、設定変わったんだろうなとしか思わなかった。この時も、「あなたは香港在住の中国人設定でしょ」と思ったけど、突っ込まなかった。
…沈黙…何話したら良いか分からない。時間がもったいない!彼の周りに誰か1人以上いる気配がある。スピーカーなのかな。
私「友達もそこにいるんでしょ。この会話、あなたの友達も聞いてるでしょ。」
ヤン「いないよ」
そうすると、突然電話が切れた。
電波の問題かなと思って、再度かけたけど、出ない。
すぐにメッセージが来た。
ヤン「そろそろ旦那が帰ってくるから、もう電話はしない」
通話時間は、7分だった。5分以上時間もらえたやん。
もっと色々聞きたいことあったのに…
と、ずっと悔しく思ってたけど、こうして書き出してみると、まあまあ結構、聞いてるな。当然、求めていた回答は得られてないけれども。
それでも、あなたは詐欺ですよねとは言葉では断定せずに、疑問点をそれなりに質問できていた。
そして、電話で話した彼は、財務担当で真面目で几帳面で努力家というお堅いキャライメージから程遠い、チャラい話し方だった。
アクセントも、ずっと南の方だと思ってたけど、ちょっと巻舌っぽい時もあった。台湾人かな?私がもう少し中国語に精通していたら、どこの人かすぐに分かったかもしれない。
それでも、本当に電話の向こうに存在している彼と会話ができたこと、リアルな息づかいや話し方、嘘をついているけど文字よりは感情が伝わってくる本物の人間がそこにいる、と実感できたことが、とても嬉しかった。
次は、本当に最後の別れです。