ハロートークで出会ったリンヤンという男

ヤンとは12月16日にハロートークで出会い、12月20にLINEがスタートした。日中翻訳機を招待してのグループトークだったが、彼も私もほぼ99%中国語で発信していた。

元々語学学習が目的だったので、会話の中で読み方が分からない単語があると、「これ発音してくれる?」とお願いして、その度にボイスメッセージをくれていた。そして彼は会話の中で私の名前をよく呼んでいた。

「ひーちゃん、君の故郷はどこなの?」
「おやすみ、ひーちゃん」
「ひーちゃん、今何してるの?」

大晦日に彼からの最後のメッセージが来た。

「あけましておめでとう。ひーちゃんの人生、すべてがうまくいきますように、幸せで溢れますように、願いが叶いますように。」

元旦からもメッセージは毎日続いたが、別の人に代わっていたと気づいたのは詐欺と確信してからだった。

そういえば、ボイスメッセージを送らなくなった。名前を呼ばなくなった。彼氏のようなロマンス発言が始まった。やたらと気前の良い発言や、投資に関する話題が増えた。前に話したことをもう一度聞くなど、会話の中での小さな違和感が増えた。タイミング・内容ともに、(当時は彼が忙しくなったせいだと思ってたけど)チャットがつまらなくなっていた。

1月10日に、彼に頼んで送ってもらったボイスメッセージが全く別人の声だった時、やっぱり詐欺だったのかと分かって吐き気がした。

その後、まだ信じたい気持ちもかすかにあったが、興味本位も強く、風邪だと言い張る詐欺師に騙されているふりをして投資の話を進めた。そして詐欺だと確信した。

言われた通りにダウンロードを進めない私に対し、彼はとても怒っていた。

でも、その時の私の対応は、冷静かつ丁寧ではっきりとしていて、今読み返しても結構しっかりしてるな、と思った。


「このサイトをダウンロードするかしないかと私たちの友情は別問題でしょ?」
「これができないなら友達になれないってことなら、それでいいよ」
「これからも元気で頑張ってね」

相手からも「そういう風に言うなら、もういいよ」と返事が来て、会話は終了した。もう二度とやり取りは無いと思った。

それともまだ、騙せる可能性があると思われていたのだろうか。

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