ヤンとの最後の、本当の別れ。

ようやく詐欺師本人と、電話ができた。

途中で切られたのは、私が色々聞いてたから、周りにいた人の圧力だろう。

周りには何人いたのか。どういう立場の人がいたのか。

気になるけど、知る術はない。

電話の内容にはその時は後悔ばかりで満足はしてなかったが、もう電話もしてくれないだろうし、私も早く終わらせたかった。

私「最後に私の名前を呼んでくれる?」

ヤン「ひーちゃん、あなたの幸せを祈ります。」

音声メッセージで言って、とお願いした。すぐに送ってくれた。

でも、その音声メッセージは、投げやりで適当で、前に名前を呼んでもらった時のような甘い声ではなかった。

私「ありがとう!さ、私をブロックして、削除してください。お願い。私はもうあなたに連絡が取れない方が良い。」

ヤン「いや、やっぱり残すよ。」

相手にブロックされないと、私はまたLINEをしてしまいそう。削除しても、また友達追加してしまいそう。

私は迫った。

私「あなたはまだ私を騙したいの?それとも、あなたも時々私が恋しくなる?ニヤリスタンプ」

ヤン「キミを騙す意味なんてないと思う」

私は、一気にまくしたてた。つもりは無かったけど、吹っ切れたかのように、聞きたいことをどんどん文字にした。

私「今まで何人騙して、いくら自分の懐に入ったの?」

「あなたは日本人女性ばかり騙してるの?日本人が嫌いだからこんなことしてるの?」

「騙された人は私のこと嫌うでしょうね。あなたがこんなことしてるって分かってるのに、それでもあなたは本当は良い人だと思ってる。」

ヤン「言葉が出ない」

私「どう返事したら良いか分からないんでしょ」

「あなたが私を騙そうとしたことを責めてるんじゃない。あなたの声が可愛くて憎めないから悪いんだよ。」

「スマホに保存していたあなたの音声、ここ数日で全て消したよ。消した時、涙が出た。変だよね、自分でもバカだと思う。でも、耳が覚えてる。たくさん聞いたから。」

「ハロートークに残ってる履歴からもまだ聞けるの。そっちも、心の準備して、全部消すね。」

ヤン「わかった」

私「もう、ブロックしてくれる?」

「あ、そういえばさっき聞き忘れてた」

今思うと1番聞きたかったことが、ここで言えた。電話の時に聞きたかった!!

「新年に人が交代したのって、どうしてなの?いつもそうしてるの?あなたが先にお喋りで女の子を信用させてから、友達に交代して騙すの?どんな感じ?それでその後、どうしてまた戻ってきたの?」

するとヤンは、詐欺マニュアルにあると思われる、定番フレーズを出してきた。

ヤン「あなたはずっと貧乏のままだと思う。相手のことを知らないくせに適当なこと言うな。俺の事をそんなふうに言うなら、そういうことだね。さようなら。」

ほぼ同じ捨て台詞をネットの体験談で何度か見たので、多分、詐欺師が相手に詐欺を指摘された時に返すフレーズとして、マニュアルにあるものだと推測。

こう言われたことで、なぜかすごくホッとした。やっと、詐欺師らしく終わってくれたと。

その後に送ったメッセージはしばらく既読がつかなかったので、おそらく本当にブロックされたんだと思う。

私もすぐにまたブロックして、ブロックリストからも削除した。

(ちなみに何度かLINEアカウント通報入れたけど、未だにアカウントは残っている。)

ハロートークのチャット履歴も、また声を聞くと苦しくなるから、聞かずに全消去した。

それから2週間と少し経って、今これを書いている。

書いた方がスッキリするのかなと思って。

実際スッキリ、した。と思う。意外と言いたいこと言えてたな、って再確認できたから。

今でも時々アカウント生存確認のためにLINE IDを検索しているし、今でも彼は根っからの悪人ではないと信じたい。きっとゲームのような感覚で、相手が傷ついていること、大変な目にあっていること、リアルに感じられないんだと思う。

正直、ハロートークやTwitterやインスタやFacebook、どこかに中の人がいないかな、と、心の中にそういう気持ちがある。

時間が忘れさせてくれるかな。

次回は、こういう詐欺にあう心理について個人的に思うことを、私の心境も含めて、整理したいと思う。


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