2023.9.24 豊岡演劇祭2023最終日「舞台芸術におけるチケット販売について いまどき、演劇とは」感想レポート
〈舞台芸術とチケット販売〉
上演はない公演のチケット販売
0円から2000円で売れたとのこと。
「舞台芸術におけるチケット販売について」
なんで舞台芸術はチケット販売をしているんだろうという疑問からこの販売をしていた。
初めてこのチケット販売の話を聞いた時はなぜそんなことをするのか分からず、その場にいた友人も「変わったことしてるな〜」と呟いていたが、この理由を聞いて面白いなと思った。
後日その友人にも販売の意図を説明すると、「面白い視点だね」と言っていた。
舞台芸術はチケットを販売してチケットを得る
よくチケットの値段に悩む
竹内さんは収益のことを抜きにすれば
0円でいいと思っている
舞台芸術の上演により得をするのは誰なのか
見た個人ではなく色んな人が見ることで社会やコミュニティが得をしていく
故に、社会やコミュニティがお金を払って見るものだという意見
古代では、お客さんは基本的にお金を払わない
王族や貴族が見るように劇を振る舞うかたちだった
資金を得るために、観客がお金を払ってでも見たいと思う作品を作らなければいけなくて、そうすると特定のものを批判した作品を作りづらい
現代演劇 傷つけないような、優しい感じのその時間だけは悩みなどを忘れさせるような作品がある(後述の〈エンタメと演劇〉にも関連)
私小説的な、小さい世界だけで完結するお話が多いという話も印象的であった。
現実的にお金を稼がないといけないけどパトロンがいるわけではないから今の状態になったのは理解できる
今の状態(お客さんがチケット代を払うこと)に疑問を持ったりしたいないんじゃないかという話があった
ダンサーのお客さんは
公演をする時のチケットの値段は都心高め地方安くするとおっしゃっていた。地方は人が来ずらいし、都心は会場費が高いためだ。
値段設定は難しいというお話で、
東京だと払うのが普通だから4000円か、まあそうだよなとなる
あんまり行かない地域、人からすると「家族で見たら一万越す」300円でも高いと言われることもある
無料なら見る、という声も聞くし、実際私も高校生の時の豊岡演劇祭では学割で0円で見れるものしかチケットを取らなかった。
〈劇場での飲食効果〉
昔の劇場文化食べ物があったりして劇が好みでなくても他の部分で満足を補える
今は劇を見て帰るだけ。はずれだったらお金を捨てることになると。
たしかにその通りだ。個人的に今年の夏は、食事と食事の間に観劇時間があったり、飲食OKの会場でエンタメを見る機会があり、パフォーマンスだけでなくご飯を食べる喜びも加わったことでかなり思い出に深みが増したと感じる。
小劇場は下に配線が通っているから液体が溢れると壊れるらしい。勉強になる。
そもそも劇場が窮屈だよねーという話もあった。
〈エンタメと演劇〉
エンターテイメント的な表現は、その瞬間だけ楽しませてくれる、それを見ている時だけは現実的なことを忘れさせる力があるが、それだけ見るとすれば効力はその時間だけであるため、極端な話だと永遠に見なければいけない。
演劇は見終わった後自分で考え続けることができる。しかし考える系の舞台は精神的負担が大きいことが多い。
最近はエンタメの力で精神的負担を軽減しつつ、観劇後に考え、思い続けられるような作品が増えている。
私はここ数ヶ月で、やはりエンタメが好きだと自覚したところだった。演劇よりもミュージカルやエンターテイメントが好きな気がする。周りからもエンタメが好きだという声を聞く。何も考えなくても、ただ楽しいから。
しかし上記の内容を聞き、演劇の必要性がわかってきた。エンタメ、エンタメとなっていた頭から少し冷静になり、演劇をもっと知りたいと思った。
〈助成金の話〉
日本人は自分たちのお金で劇場借りるため赤字になる。そのような劇団や表現者がほとんど。
ヨーロッパのアーティストは仕事をしながら劇をするのか?→そういうわけではない
市民から文化が必要とされていないという話もあった。
〈日本に恋愛結婚はなかったお話〉
ここで少し舞台芸術から話がそれる。
どのような流れでこの話になったのか覚えていないが、面白かったので残しておきたい。
日本はもともとお見合い結婚が普通であった。
西欧や聖書などの影響で恋愛結婚が増えた。
今の日本人は、恋愛や結婚と性欲の相手を分けて考えることはしない。
しかし西欧や聖書ではきれいな部分だけ書かれているのであり、現実はそんなに上手くいくわけもないのだと。
日本人は「付き合ってください。」「はい。お願いします。」という会話からお付き合いというある種の契約がスタートすることが多いが、
海外(どこの国を指すかはわかりかねる)では
なんとなく一緒にいるようになるらしい。
最近このような話をよく聞くので、「付き合いましょうという言葉なしで、そんなに上手くいくものなのか」と質問すると、「いやあそんな上手くはいかないよ」と2人揃って言う。おもしろい。
記憶を辿って書いているので、熊倉さんと竹内さんの話と少し違うところがあるかも知れないが、全体を通して考えたこともないような新しい視点ばかりで、とても面白い時間だった。
HIBOCO
だいふく