20240326雨
警報級の雨になるかもしれないといううわさも流れていたが、さいわいそこまでのことにはなっていないようで、ただ、喫茶室の窓から見る通りはびしょぬれで、通る車は水しぶきを跳ね上げていく。
編集室は事務所の奥にあるし、カーテンがかかっているので外の様子は見えないが、それでも、屋根を叩く雨音や雷に、「やばいねえ」「帰りにはやんでいてほしいねえ」と言い合いながら仕事をしている。
『場所を営む/社会を変える』『まちうた2024年3月号』の編集~製本が終わったので、日々詩編集室は今は静かな時期で、校正員さんは語彙力をつけるためにいろいろな校正や言葉の本を読んでいる。先の『まちうた』の原稿で、ゲゲゲの鬼太郎の映画の感想を書いたのだが、主人公が使っていた銃を適当に「マスケット銃」と書いておいたら「三八式歩兵銃です」と教えてくれるなど、校正員さんは頼りになる。
ほかのひとたちは、テープ起こしやケバ取りをやってくれている。二時間くらいある読書会のデータを、とにかくひたすら文字に起こしていくという作業……当たり前だが、とても疲れる。
わたしはといえば、作ってもらったデータやほかの原稿を編集したり、noteを書いたりしている。とりあえず今は年表とにらめっこして、何年前だ、1950年代だとかぶつぶつ独り言を言うのが主な仕事。
まあまあ穏やかな時間で、これが続いてほしいなあと思っているが、忙しそうな足音が静かに忍び寄っている気配も察知している……。
通勤の電車では、中井英夫の『虚無への供物』を読み始めた。中井英夫は若いころにとらんぷ譚とかを読んでいたが、『虚無への供物』はなんとなく敬遠していた。この間、『怪異とナショナリズム』という本を読んで気になりだし、たまたまイオンの書店で見つけたので、「今が読み時だな」と思って買った。「中井英夫、こんなに読みやすかったんだ」とびっくりしてしまった。とりあえず黒死館殺人事件みたいに「ギャッ」となることはなさそう…だが、推理小説が得意でないのでどうなるかはわからない。
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