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テイラーさんの遺志 仙南にも

白石市福岡小に文庫設置 震災を伝えるシンボルに

 東日本大震災で犠牲になった石巻市のALT、テイラー・アンダーソンさんの遺志を受け継いだテイラー文庫が白石市立福岡小学校にも設置された。18日に贈呈式があり、本棚を製作した石巻市の木工作家、遠藤伸一さんが子どもたちに届けた。

 文庫はテイラー・アンダーソン記念基金が石巻地方の学校など教育機関に寄贈しているが、仙南の小学校では福岡小が初めて。そのきっかけは同校教頭の鈴木哲也さん=柴田町在住=が作った。

児童のアイデア詰まった本棚

福岡小図書室での贈呈式(右は遠藤さん)

 令和元年、教頭として勤務していた石巻市立東浜小学校(昨春閉校)にテイラー文庫が贈られた。読書が好きで、日米の懸け橋となることを夢見ていたテイラーさんの思いが通じたように、子どもたちが海外の絵本などに親しむ様子に感動。石巻以外の地域でもテイラー文庫について伝えようと、遠藤さんに縮小版レプリカを作ってもらった。

 昨年赴任した福岡小の図書室にこのレプリカを置き、テイラーさんや東日本大震災に関する本を並べたところ、同校でも子どもたちが興味を持つようになったという。こうした活動を知った記念基金が、福岡小に文庫を寄贈した。

 贈呈式は同校図書室から各教室をオンラインでつないで行った。鈴木教頭が志半ばで震災の犠牲になったテイラーさんのことや遠藤さんについて紹介した後、図書委員が完成した本棚の説明をした。

ポケットのある本棚。左右の小型は鈴木さん所有のレプリカ版

 「遠藤さんとの打ち合わせで、今の図書室の本棚に合う形にしてほしいとお願いした。また、本を入れるポケットがあれば、表紙が見えて読みたくなると話したら、とても立派なものができた」と喜んだ。

 そして「遠藤さんが気持ちを込めて作った本棚に、たくさんのおもしろい本や勉強に役立つような本を入れて、ずっと大切に使っていきたい」と感謝の言葉を述べた。

 早速本棚には遠藤さんから贈られた「テイラーさんからの贈り物」(千葉直美さん著)や東浜小のテイラー文庫物語「本箱は翼になって」(同)が並び、子どもたちの関心を集めていた。【平井美智子】

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