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自動閉鎖の陸閘閉じず 津波注意報 雄勝町名振 初の有事稼働で不具合

 トンガ沖海底火山の噴火により石巻市で最大70センチを観測した津波で、津波注意報の発表とともに自動で閉まる陸閘(りっこう)のうち、雄勝町名振の1カ所で不具合が生じ、開いたままとなった。

 不具合があったのは、名振漁港の防潮堤にある陸閘のうち西側の1カ所。人や車が通れるよう普段は開いているが、Jアラート(全国瞬時警報システム)などと連動し、津波注意報や警報発表時には自動で扉が閉まる仕組みだった。

津波注意報発表とともに自動で閉まるはずが、開いたままとなった名振第1陸閘

 開閉状況は離れた市役所から監視可能。市によると、16日午前0時15分の注意報発表時に扉の故障を確認したが、遠隔操作で解消されなかった。津波の恐れがある際は人が近づかないのが原則のため、午後2時の注意報解除後に現場で復旧作業し、動作も確認した。

 市は昨年8月31日から市管理の11漁港にある25水門・陸閘で自動閉鎖システムを運用しており、有事での稼働は16日が初めて。他の水門、陸閘は問題がなかった。漁港背後の集落は震災の被災で高台への集団移転をしており、今回は浸水被害も確認されていない。

 毎月点検を行い、名振も先月末にも実施したばかり。何らかの要因で現場の装置に電気の負荷がかかり、安全装置が働いたとみられる。市は詳細を調査し、再発防止に努めることにしている。【熊谷利勝】


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